3.練習 初鬼、子供鬼の練習

 
”鬼はかっこいい”と思い、「自分も舞ってみたい」と声を出した人だけが鬼
になる。毎日の練習は厳しく、「何回やったら覚えるのだ」とか「心がこもっ
ていない」などの叱責が飛ぶ。時には涙することもある。
 
 泣いて帰った日は、明日の練習に出てくるだろうかと指導者は心配する。
でも不思議に、翌日も元気な顔で練習に出てくる。鬼の魅力だろう。
練習は毎晩7時から9時までの2時間。日曜休み。今年の練習期間は
一か月間だった。
 
今年2年目の小学生鬼。しかも女の子。女が鬼になったのは上梅津鬼組と
しては初めてであった。大人の面をかぶるから鬼の顔が肩幅より大きく見え
てしまったりする。 
 
手前の男の子も2年目の小学生鬼。1年目には泣いた鬼も2年目に泣くこと
はない。ご覧のように自分で考えて練習し、自分の”かっこいい”を育ててい
くようになる。もちろん師匠たちの保護のもとに、である。 
 
 初鬼である。大人であるから今年から一人前の鬼として舞わなければなら
ない。その意味では練習のハードルは高い。
 
顔の見えるほうも初鬼。二人とも一人前になるための練習の仲間ではあ
るが、ライバルでもある。二人とも気合が入っており、長足の進歩であった。