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って、感心してる場合じゃねえーーーーーーーっっっ!!!!

何故カカシが自分のモノに口淫を施す気になったのかはサッパリ分からなかったが、兎に角不味い状況な事だけはひしひしと伝わってくる。
「カカカカ、カ、カカシ先生っっっ、あんた何俺の鍛えちゃってるんですかーーーー!?」
叫びながらイルカはぐいぐいと銀色の毛玉を引き剥がそうと試みたが、無駄に上忍、びくともしない。それどころか抗えば抗うほど深く咥え込まれてイルカは思わず息を詰めた。
張り出した先端をチュウチュウと吸われながら、竿の部分を絶妙な強弱をつけて手で扱かれる。時々わざと愛撫を外すように袋をやわやわと揉まれて、堪えきれずにイルカは声を上げていた。
「……うっ、」
その声に辛うじて理性が甦る。

あわわ、「うっ、」じゃねえだろ!?俺!!やばいやばい…!
しかし何でカカシ先生こんな事…女性に対する口淫を実践してみてるのか…?
でも男で練習してみても無意味だよなあ…ってゆーか、ひょっとして勉強そのものが間違ってるのかもしれないな…!有り得る…!!!

イルカはフェラの練習は男には必要ないですよ、と教えてやろうとしたが、あまりに熱心な愛撫に最早意識が白濁し、呂律が回らなくなっていた。
「あ…っ、カカ、シせんせぇ…う…っ…こ…口淫は…ひつよ…な……あぁ…っ!」
先端の切れ込みにざらつく舌先をグリグリと捻じ込まれ、ちゅうううときつく吸われてイルカは腰を震わせた。快楽を溜めて重くなる腰が解放を求めてみだりがましく揺れる。
ちゅぽん、といやらしい音を立ててカカシが口からイルカのモノを出すと、舌先を出して見せ付けるように熱棒を舐め上げる。カカシの整った唇が唾液とイルカが零す淫蜜に汚れ、濡れた光を放っていた。
「イルカせんせい……」
溜息のような掠れた声でカカシが囁く。その声は酷くいやらしいのに、イルカを見上げるカカシの顔は何処か不安そうな子供のような表情をしていた。まるで「これで間違ってない?大丈夫?」と確かめるように。その顔を見たらイルカは思わず笑ってしまった。
「カカシ先生…」
イルカがハッハッと荒い息をつきながら、よくできましたとでも言うようにくしゃくしゃと銀髪を撫でてやると、カカシがホッとしたように嬉しそうな顔をしてイルカの手のひらに頭を押し付けてくる。

あー…何やってんだよ俺……間違いを、教えてやらなくちゃいけないのに…教えてやらなくちゃ…

そう思うのに自分の手はその先を促すように、カカシの頭を優しく撫でるばかりだ。
カカシは自信を得たように再びイルカのモノを口に含むと、今度は追い立てるように激しく大胆に舌や手を使ってきた。じゅぽじゅぽとあからさまな水音が浴室に響き渡る。
「あ、あぁっ、は…う…あっ…」
なんだかまたバラの花ビラが頭の中に吹雪いていた。天使のラッパは鳴り放題でやかましいくらいだ。
「あ…っもう…く…っ」
急激な射精感に一際大きくイルカが体を震わせた瞬間。双丘の秘められた場所に、ぐっと無造作に指先を突っ込まれた。しかも感触からいって、多分親指を。それをそのままぐりぐりとやられた。
「…いってえええええええええええええーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!」
イルカは大絶叫を上げていた。
いってえーてえー…と風呂場で妙に木霊するところが物悲しい。
あっという間に退いていった快楽と共に、慌てたようにカカシの指もまた退いて行った。
「だ、大丈夫ですかイルカ先生…!?」
オロオロするカカシの前でイルカは後を抑え、体を折ったまま暫く動けないでいた。
痛かった。物凄く。親指だからの所為もあるが、それよりも。
「カカシ先生…あんた、指の爪、ちゃんと切ってますか…?」
カカシの猫のような爪をイルカは涙目で見つめた。女性とする時はちゃんと爪を切る。基本中の基本だ。イルカは女ではないが、伸び放題のぎざぎざの爪で粘膜をぐりぐりされたダメージはかなりのものだった。
「大体なんですかこの勉強は…?黙って様子を見ていれば…全部女性相手には必要のないものです…カカシ先生、何処でこんなことを勉強したんですか!?全く無駄骨ですよ。女性の事を勉強したいなら、俺がそれ相応の教則本を…」
あまりの痛みに痔を懸念するイルカはついつい辛辣にカカシに当たってしまった。
「ご…ごめんなさい…ごめんなさいイルカ先生…お、怒らないで…ごめんなさい…」
項垂れたカカシがそのうちヒックヒックと泣き出して、イルカははたと我に返った。
「い、いや…俺も怒りすぎました。カカシ先生が一生懸命頑張ったって事は伝わってきましたよ…あの…努力する事はいいことだと思います…失敗は成功のもとといいますし…」
慌ててとりなしてみたものの、カカシは浮上しなかった。
「もう寝ます…」
もそもそと布団にもぐりこんだカカシは暫くの間、声を殺して泣いているようだった。

な、なんだかなあ…なんで俺がこんなに罪悪感に苛まれているんだ…?

イルカは溜息をつきながら、居間から風呂場へと道を作るように脱ぎ散らかされたカカシの服を片付けた。

あれほど脱いだものは脱衣籠に入れるように言ったのに…こういう事のほうがよっぽど大切だと思うのに、全く変なことばかりに熱心なんだよな…また変な事を独学で勉強しないうちに、俺が適当なテキストを探してあげなくちゃな…

今はスヤスヤと寝息を立てる涙の跡を残したカカシの頬を、イルカは優しく拭ってやった。

続く

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