(23)

大変な事になっていた。

「あっ・・・あぁぁ・・・っ・・・はぁっ・・・」

引っ切り無しに上がる自分の嬌声を聞きながら、イルカは目縁にうっすらと涙を浮べた。恥ずかしいなんて感じる余裕はなくなっていた。

な、何でこんな事に・・・

そそり立った自分のものが苦しげに先っぽをぱくぱくと開閉しているのを見詰めながら、イルカは悦楽と苦悶の皺を眉間に刻み、ただただ体を震わせた。今すぐ張り詰めた欲望を解放したい。己のものは既に限界を迎えていた。堪えきれずに開いた先端から溢れた淫蜜がいきり立つ肉幹を伝って、薄い草叢をしとどに濡らしている。それなのに。

「・・・っがいしま・・・す・・・っ・・・紐、解かして・・・くださ・・・っ」

イルカは必死になって懇願した。カカシにしたように、根元を紐できつく縛られていた。そうなのだ。カカシの愛撫が始まって間も無く、イルカは身も世もなく喘ぎ捲くり、立て続けに三回も達してしまったのだ。その所為で布団は掛け布団も枕も何もかも汚れてしまったばかりか、お互いの体も両生類の如く、かなりぬるぬるとしたものになってしまった。

あああ〜〜〜・・・!!!!お、俺とした事が・・・!

そんな事は生まれて初めてだった。床上手と評判高かった美女の愛撫にもそんなに早く達した事はない。そのあまりの早さに恥辱に似たものを感じ、ショックを受けているイルカに向かって、カカシはにこやかな笑顔で手にした結束紐を見せた。

「イルカ先生もすぐに出ちゃうみたいだから縛っときましょうね〜!」

なんたって汚れ防止ですもんね、とこれ以上どう汚れようがあるのかという状況を前に、カカシは何の迷いもなく、目にも留まらぬ速さでイルカの根元を縛ってしまった。抗う暇もなかった。俺にはコンドームが・・・!と何回言おうとした事か。しかしカカシに施される巧みな愛撫に、伝えたい言葉は全て艶やかな喘ぎへと変わる。

しかも。

「あっ、あっ・・・な、何なんですか、この縛り方・・・っあ・・・っう・・・ぅ・・」

流石上忍というべきか。瞬時に巻かれたその紐は拷問用の特殊な縛り方だったらしく、イルカのモノが育ったり動いたりとするのにあわせて、拘束が緩くなったりきつくなったりと変化するのだ。紐までもがまるで愛撫を施しているようだった。それなのに肝心な時になるとキュッと閉まってイルカを塞き止める。

苦しい。気持ちいい。相反する感覚の鬩ぎ合いにおかしくなりそうだった。

自分で解こうと手を伸ばすと、カカシがその手を一つに纏めて頭の上で押さえつけ、メッと子供のようにイルカを叱った。

「駄目ですよ、イルカ先生・・・さっきイルカ先生が言ったんじゃないですか。我慢するのも男の甲斐性だって・・・」

そんな事言ったか、俺・・・?ああ、言った言った。でも俺はあんたに何回もトイレで吐き出させてやっただろうが・・・!

勿論その怒声も全て喘ぎに変えられてしまった。カカシはイルカが施した手順を踏んで、やはり自分のアレンジを加えながら、しんねりまったりと丹念且つ丁寧にイルカを愛撫した。自分の吐き出した精液とカカシの唾液で今や体中がべとべとしていた。カカシが舌先を肌に滑らせる度に、ビリビリと体に痺れるような刺激が走る。体の芯が蕩けてしまうようだ。それなのに下半身は痛くて苦しくて堪らない。縛られてから一度も解放を許されていないそこは、可哀想なほどぱんぱんに膨らんで濡れそぼっていた。

もう我慢できない・・・っ

「カ・・・カカシせんせえ・・・っも・・・だめ・・・です・・・」

遂にはうっうっとイルカはしゃくりあげ、その瞳からポロリと涙を零した。先ほどまでのカカシのようだ。情けないと思うのに、限界を超えて塞き止められるあまりの苦しさに、我を失っていた。とにかく出したい。その思いしか頭にはなかった。何度も何度も懇願するイルカにカカシはうっとりと口付けをした。

「大丈夫・・・?イルカ先生・・・でもあと少しだから・・・ね?」

カカシがイルカの脇腹をそっと撫で上げながら、ひくつく下唇を甘噛みする。

ふざけんな、この馬鹿野郎ーーーーー!!!!!!これ以上塞き止めて俺の息子が腐れ落ちたらどうしてくれるんだーーーー!?

叫びたいのに、それを遮るようにそのままねっとりと舌を絡められた。途端にまたラッパの音が頭の中に鳴り響く。天使が大量に乱れ飛んでいた。口付けを止めないまま、カカシの手は胸の突起へと辿り着く。硬く尖ったそれをピンと指先で弾かれて、イルカは思わずくぐもった声を上げた。

「う・・・っうぅ・・・っ」

ようやく施された胸への愛撫は、今までの総決算と呼ぶに相応しい衝撃的なものだった。乳首に感じる痛いようなむず痒いような刺激は、指の間に挟まれてグニグニと潰すように揉まれる快楽にあっという間に押し流される。散々弄ばれ赤く充血した突起をカカシが口に含んだ瞬間。

「あぁああぁ・・・っああ・・・っ・・・」

感じた事のないような大きな悦楽のうねりがイルカを襲い、イルカは息も絶え絶えに嬌声を放った。

な、何だこの刺激・・・すごすぎだろ・・・!?うう・・・っき、気持ちいいけど、股間が・・・股間が痛てえええーーーー・・・っ!
し、死ぬーーーーーーっっっ!!!!!!

そう思った瞬間、イルカの脳裏に雲のような靄がかかった。その靄の向こうに何処で途切れるとも知れぬ長い川と美しい花畑が広がっていた。その花畑の真ん中に立っている人影が誰なのか気付いてイルカは愕然とした。花畑に立っていたのは優しく微笑み手招きする、イルカの亡き両親の姿だった。

ほ、本当に俺、昇天しかけてる・・・・!?

その時カカシの手が突然紐を解いた。

「ああぁぁあぁあぁ・・・・っ!!!!」

解き様、乳首にかりりと歯を立てられて、イルカはその衝撃に汁を撒き散らしながら意識を飛ばしていた。

続く

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