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「も、もう駄目です、イルカせんせ・・・っ」

カカシが頬を高潮させながら、はっはっと苦しげに短く息を吐く。イルカの項に吹きかかるその息は堪らなく熱かった。イルカはまたか、と思いつつカカシの股間の様子を窺う。イルカが新聞を結束する時に使う荷紐で根元を縛られたカカシの性器は、張り詰めていながらも吐き出せずに、苦しげに先端をパクパクさせていた。その幹には筋が立ち、鬱血に紫がかったように変色している。塞き止められた根元に、太った人の指に嵌められた指輪を思い浮かべながら、イルカはふう、と溜息をついた。

限界だな・・・でも、もうちょっとで終るんだよな・・・

イルカの愛撫のレッスンの間に、縛ったカカシの息子は何回もパンパンに膨らんで限界を迎え、その度毎に紐を緩めてはトイレに吐き出させていた。だからここまで来るのにえらく時間がかかってしまっている。感じ捲くって息も絶え絶えのカカシには、愛撫の中断は丁度いい休憩かもしれないが、イルカは集中力が途切れてきた。何だか睡魔まで襲ってきて、欠伸を噛み殺すのに必死なくらいだ。

う〜ん・・・あと少しだからこのまま続けるか・・・カカシ先生の息子も何とか持ち堪えるだろう・・・・

イルカは愛撫の手を休めずに、

「あと少しで終わりですから、ここは我慢してください。男は時には我慢も必要ですよ。女性より先にイクわけにはいかないんですから・・・」

言いながらカカシの乳首をきゅうっときつく吸いながら舌先で転がし、甘く噛んだ。もう片方の乳首は指先に挟んでグリグリと潰すように弄る。イルカの愛撫の手順では胸を弄るのが最後だった。

ふうー・・・っようやく終った・・・な、長かったなあ・・・!

イルカは十分に胸に愛撫を施すと、大仕事をやり遂げたような晴れ晴れとした笑みを浮べながら顔を上げた。

「・・・これで愛撫というか、前戯は終了です・・・!カカシ先生、お疲れ様でした・・・!」

しかしそんなイルカの瞳に映ったのは、酸欠に顔を青紫にさせたカカシの苦渋に満ちた表情だった。額にはじっとりと脂汗が浮いている。

「ああっ・・・イ、イルカせんせ・・・っど、どうしよ・・・も、もうほんとに駄目です・・・い、痛いです・・・アレが・・・っく、くるし・・・っ」

ううーっと呻いて突然ボロボロと大粒の涙を零し始めたカカシが、無意識の内に股間に手を伸ばす。自分でどうにか紐を解こうとしているようだった。しかし余程切羽詰っているのか、冷静さに欠いたカカシの手は闇雲に紐を引っ張るばかりで、紐は緩くなるどころか絡まったようになって、よりカカシの根元を引き絞った。

「・・・っう・・・っ痛っ・・・痛・・・い・・・っ!」

悲痛な叫びを上げながら布団の上を転げまわるカカシに、イルカも大いに焦った。

「カ、カカシ先生・・・ちょ、お、落ち着いて・・・!」

が、我慢をさせすぎたか・・・!?ど、どうしよう、このままではカカシ先生の息子が腐れ落ちてしまう・・・!

イルカはあわあわしながらも一生懸命カカシを宥めた。

「お、俺が解いてあげますから・・・っ!よく見せてください・・・!」

暴れるカカシを安心させるようにギュウッと抱き締め、体重をかけて押さえ込むようにしながら、その股間に手を伸ばした。そしてカカシの硬くそそり立った灼熱の肉棒に手をかけた瞬間、イルカはハッと正気付いた。

あわわわわ・・・・!!!!!お、俺、カカカカ、カ、カカシ先生の勃起したアレに触・・・触って・・・・!!!!!

紐で縛る時も。トイレに吐き出させるために緩める時も。イルカの指示のもと、全てカカシにやらせていた。やはり男のナニに自主的に触れる気になれなかったのだ。それなのに。

い、いや、今はそんな事を言っている場合ではない・・・!カカシ先生のアレのピンチなんだ・・・!しかもそれは無理をさせ過ぎた俺の責任だ・・・!

イルカは何とか紐を解こうとカカシの股間を弄った。飛び出した紐の先をピッと引っ張れば簡単に解ける結び方にしておいた。その飛び出した紐を手探りで探し当てようとするのだが、カカシが暴れるのでなかなか難しい。下手に触っているうちにカカシのモノは更にどんどん膨らんで容積を増してくる。痛い、痛い、とカカシは狂ったように泣き叫んだ。そんな時でも流石上忍、その暴れようはイルカも怪我をしそうなほどだ。

まずいまずいまずい・・・・!!!!と、とにかく大人しくさせなくては・・・い、一体どうしたら・・・!?
そ、そうだ・・・何か驚かせるような事を言って・・・ちゅ、注意を逸らすんだ・・・!でも一体なんて言って・・・!?

イルカは咄嗟に頭に浮かんだ言葉をよく考える間も無く口にしていた。

「カカシ先生、好きです。」

途端に体をビクリと震わせて動きを止めたカカシが、大きく目を見開いてイルカを見詰めた。

よし・・・!今のうちだ・・・!

イルカは大急ぎでカカシを塞き止めている紐の先を捜し当てると、素早くそれを引っ張った。

「ああああ・・・・っ!」

解放の衝撃にカカシが感極まった声を上げた。我慢を強いられていたカカシの息子は、その鬱憤を晴らすように勢いよく白濁した液を放出した。ドクドクと噴出す精液に、避ける間も無くイルカは汚されていた。自分の手は勿論、パジャマ越しに腹も股間もぬるびしょだ。あんなに注意を払っていたのに、布団も結局汚してしまった。

はあー・・・無駄な努力だったな・・・・

イルカが乾いた笑みを浮かべながら、汁まみれな己の手をぼんやりと見詰めていると、

「さっきの・・・本当ですか・・・?」

カカシが小声でそっと訊いてきた。

続く

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