第25回

一度出してしまったら、カカシはなんだか度胸がついてしまった。
幸いな事にイルカも全く気付いていない。となれば、一度も二度も、三度も四度も同じだと、少し、いや大分大様な心持になってきた。イルカの生肌の誘惑に頭の中が霞がかかったように曖昧になっていく。最早まともな判断力は微塵も残っていなかった。

写輪眼のカカシとして、恐怖とともに近隣諸国にその名を轟かせる俺を…
その体を無防備に晒すだけで、こんなにも骨抜きにする罪深き人…
イルカ先生、あなたの前では俺は骨のないクラゲも同然だ……ただクラゲ同様、チクッと刺すものを持っていますけどね…ふふ…いつか俺という毒に痺れてくださいね…!

恋する男は詩人だ。カカシはそんな事を至極真面目に考えながら、一人照れたように笑った。

はっ、そんな事よりも背中を擦る手が止まってるぞ…!
怪しまれないように背中を流しつつ、俺も楽しませてもらおう…!!!!

カカシは泡立てたボディタオルで、自分の吹きかけた白濁した液体をイルカの背中に塗り広げ恍惚とした。綺麗にしている筈の行為で、実はイルカを穢している背徳感に背中がゾクゾクとする。熱心にゴシゴシと垢を擦りながら、自分のモノもごしごしと扱いてしまう。今イルカに振り向かれたらという危機感が、しかし更にカカシを燃え上がらせていた。
「すごい垢でしょう、カカシ先生…それに俺、臭いますよね…すみません。」
不意にイルカに声をかけられて、ぎくりと心臓が縮み上がる。瞬間危うく飛び出てしまいそうになった精液をきつく根元を押さえつけて堪えながら、
「いやあ、そんな事ないですよ…っは…あっ…あの…でも、後は…っ見ないで、くださいね…すごい惨状です、から…。」
カカシは熱い吐息混じりの声で何とか返事をした。

あ、危なかった〜…っ!

カカシは額の汗を拭いながら、ほうと溜息をついた。とりあえずイルカの背中からすごい垢が出たので、それをシャワーで流して「背中を流し中」である事を尤もらしくアピールする。そしてイルカが大人しく前を向いたままであるのを確認すると、性懲りもなく己の息子を扱き始めた。走り始めた暴走列車は燃料切れまで止まらないのだ。

イ、イルカせんせい…っ

すぐに爆発しそうになって、
「ま、またボディーシャンプーをつけますからね〜…っ!」
カカシが慌ててそう言うと、次の瞬間にはもう堪えきれずにイルカの背中に精液をぶちまけていた。

自分の吐き出した精液に白く汚れるイルカの背中。

それを見ると喩え様のない満足感と、尽きる事のない下半身の疼きとを覚える。

もっと汚したい…もっと…もっと触れ合いたい…

一方的なその行為を「触れ合い」と思えるカカシの頭は、相当発酵していた。高まるばかりの欲望に歯止めを利かせるものは何もなかった。
「今度は少しボディーブラシで擦りますね…!」
カカシは宣言すると躊躇う事無く、自分の下生えを泡立てた。銀髪なので目立たないが、案外ふさふさとコシのある豊かな下生えを泡立てると、簡易ボディたわしの出来上がりだった。
普段ならば決してこんな危険は冒さない。冒さないのだが、抗いがたい誘惑にどうでもいいような気持ちになっていた。

このチャンスを逃したら…二度とイルカ先生と触れ合う時は来ないかもしれないんだ…!
い、いや、ばれたら絶対に二度とこないんだけど…
ああ、慎重に、そうっと…気付かれないように、頑張れ俺!!!!!

ばれたら木の葉一の業師の名折れだと、間違ったプライドが刺激される。
それ以前にその行為にどうしてそんなに隠密に頑張らねばならないのか、何等疑問に思わないところが、カカシを真の変態だと決定付ける所以だった。
カカシはゴクリと唾を飲み込むと、恐る恐る自分の天然たわしをイルカの背中に押し付けた。

あ…っvv

途端にふわーとなんともいえない幸福感がカカシを包む。甘く柔かい綿菓子で胸が一杯になったような感じにカカシは頬を緩ませた。そしてすぐに熱いものが瞳に込み上げてくる。生きていて良かったとカカシは心から感じていた。

あの時、俺に殺されてくれた敵さん、ありがとう…
生き延びろと俺を逃がしてくれた古参の忍仲間も、俺を強く鍛えてくれた四代目も、皆皆ありがとう…俺はこの瞬間の為に生きてきたんだな…!苦しかったり悲しかったりしたけど、生きていて良かったって心から思えるよ…!

体を巡る熱き血潮が、その中心に集結する。
カカシは感動しながら緩く腰を使い、イルカの背中にMYたわしを滑らせた。

イルカ先生を綺麗にしながら、俺も気持ちよくなれるなんて、なんて素晴らしいんだ…!

はあはあと息を乱しながら、カカシは慎重に、しかし段々と大胆に腰を上下させた。気持ちよさについつい夢中になって擦りつけていると、
「うちのボディーブラシはもっとハードだと思っていたんですが…草臥れたたわしみたいな感じがしますね……」
イルカに訝しがられてしまった。

草臥れたたわし。

言い得て妙だ、とイルカの喩えに感心しながらも、
「ハードな毛先をソフトに感じるほど…垢の層が厚いんですよ…」
冷や汗を流し流し言い訳する。今までのどんな極秘任務よりもドキドキした。

ドキドキするけど…こんな気持ちいい任務なら死んでもいい…!

カカシは三度発射しながら、生きたまま天国を味わっていた。


続く

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