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俺は一体何をしているんだ…?

カカシはのぼせ上がった頭で朦朧と考えた。耳にはちゅぱちゅぱと心地の良い水音が響いている。しかも自分は何時の間にか何かを美味しそうに頬張っていた。あれえ?とカカシは一生懸命口の中のものを味わいながら首を傾げた。

おかしいな…どうして俺は棒つき飴をしゃぶっているんだろう…
これは新商品のカルピスヨーグルト味かな…?それともマンゴー味…?
大人なのに棒つき飴をしゃぶっているなんて恥ずかしい…恥ずかしい…あれ…?そういえばもっと恥ずかしい事をしていたような…?

その時、ううっと何ともいえない甘美な呻き声がカカシの鼓膜を震わせた。

い、今の天上の調べとも言うべき声音は…?

カカシがハッと正気に返ると、ぼやけた視界が一気に明確な輪郭を取り戻した。

こ、こここ、これは…!?

そこに現れたのは信じられない光景だった。何と目の前には謎の手術台に乗せられ、鋼鉄製のベルトで体を固定された全裸のイルカ。その完成度の高い拘束美の在り方に、カカシは激しく心を揺さぶられた。

いい仕事ぶりだ…芸術点も技術点も高い…

しかもそれだけではない。あまつさえ自分はその股間に顔を埋め、イルカの愛らしいものをちゅうちゅうと鍛えているではないか。しかしカカシはそれを認識しても特に驚きはしなかった。なんだ、またいつもの妄想か、と思ったくらいである。というのもカカシはイルカを覗き見ては始終淫猥な妄想に耽っていたからである。その妄想は長いストーカー生活の間に、遂に映像の3D化まで進化を遂げていた。

ここに来て更に、リアルな感触まで。カカシは己の口の中でぷるぷる震えるイルカの感触に内心感嘆の声を上げた。

…俺の妄想も進化して、遂に体感型デュアルショックバージョンになったのか…

何の疑問も無く、カカシはあっさりとそう結論付けた。よく考えるとカルピス味などといった味覚まで感じている。

俺の妄想力ってすごいなあ…でもどんなに精巧な擬似イルカ先生であっても、俺は本物がいいんだけど…

カカシは少しブルーになりながらも、取り敢えず妄想を満喫する事にした。ちゅうちゅうれろれろと先端を舐めまわしながら、右手で肉幹を指の輪で絞るように上下に扱く。すると先端から甘美な汁が溢れ出す。それにあわせて、
「あ…あぁ…っ、も、もう止めてください…す、ストーカーがどんなに恐ろしいか…っわ、分かりましたから…っあぁっ…」
イルカが何ともそそる声ですすり泣いた。

ああvv今日の妄想は一味違う…ってゆーか、味付って初体験…

調子に乗って、苦しげに口を開ける先端にグリグリと舌先を捻じ込んでやったら、
「あっ…あぁっあああぁあぁっ!」
固定されて動かす事のできない体をただビクビクと震わせて、イルカが悩ましい声を上げる。カカシは夢中になってイルカの熱棒を刺激しながら、空いた方の手をするりと双丘の狭間に滑らせ、硬く閉ったそこを指先で揉む様に撫でた。

今日の妄想は本当に興奮するなあ…!

カカシがはあはあと息を乱し、目を血走らせていると、
「て、天下の上忍写輪眼のカカシにこんな事をさせてしまうなんて…!俺なんかにストーカーの恐ろしさを教える為に…こんな変態ちっくな行いを、高潔なカカシ先生がするなんて…!!やめ、止めてください…!だ、第一俺は…俺は…っストーカーなんかとはできてはいな…っ…」
イルカが男泣きに泣き出した。
「イ、イルカ先生…!?」
カカシはここに来て様子がおかしい事にようやく気付いた。
妄想の中では、イルカは自分の欲望を萎えさせるような泣き方を決してしない。ということは。

そ、そうだ、俺はストーカーの恐ろしさをイルカ先生に教えようと…秘密のアジトに連れ込んで…そ、それで…
ああっ!?じゃ、じゃあ目の前のこの人は本物のイルカ先生…!?

嫉妬と憤怒に我を忘れて暴走してしまった。全くどうしてこんな突飛なことをしてしまったのか。カカシは全身から一気に血の気が引いていくのを感じた。それでも昂ったアソコが中途半端に熱い。いまやカカシは脳ではなく下半身で物事を考えていた。
「いいえ…っイルカ先生、あなたはまだまだストーカーの本当の怖さを分かっていません…!こんなのは序の口です。俺がもっと早くストーカーをどうにかしていればこんなことにならなかったのに…俺の責任です…!俺が責任を取ります!!!!」
カカシは指先を自分の唾液でぬらすと、躊躇う事無く後孔に当てた。
「ぎゃーーーーー!?ななななな、なにをするつもりですかーーーーーーー!!!!???」
イルカが悲鳴を上げた瞬間。グルッポーとカカシの体内時計が鳴った。
時間切れの合図だった。

続く

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