第十七回

 

もう大賀の事はどうでもいい。

蓮池でイルカが潤んだ瞳をして、口付けを強請るようにカカシの口布を下げた時、そう思った。

イルカが黙っていたいなら、もうこれ以上聞くのをやめよう。

もう少しで過去の事にこだわり過ぎて、イルカとの今を駄目にしてしまうところだった。

今、俺達が思い合う気持ちが一番大切なのにね…

イルカが自分から口付けを強請るほどに焦れているのに気付かないで。

初めてでも初めてじゃなくても。ヘンな癖がついちゃってても、意外に淫乱でも。なんでもいい。

泣いて喘いでよがりまくって。気持ちよくってぐちゃぐちゃに身体が溶けちゃうくらい、愛してあげる…

あんたも俺にやらしいくて可愛い顔いっぱい見せてね…俺を気持ちよくして…

執拗に口付けながら、泥の味のする下唇を甘噛みするとイルカが小さく震えた。

ゾクゾクと堪らない気持ちになる。

ギュウッとイルカの体をきつく抱き締めながら、

…イルカ先生、いますぐボクのお嫁においでv…な〜んてね!ハハ、

カカシは心の中でひとり浮かれた。

今すぐここで喰っちゃいたい。泥だらけのまま転がって獣のように交わり合いたい。

いいんじゃないの?誰に見られても。それもまた一興だ〜よね…

カカシが至極真面目にそんな腐った事を考えていると、

「あの…ずっと蓮池に浸かっているのもなんですし…ここから俺のうち近いんで、泥の汚れを流していきませんか…?」

イルカがおずおずと誘い文句を口にした。

どうやらイルカも我慢できないらしい。

それもそうだよね…初めて会った時に「犯してください」ってお願いされてから、十年も経っちゃったんだもん…もう俺の事欲しくて堪らないよね…

待たせてごめ〜んねと心の中で謝りながら、カカシは一も二もなく頷くと、イルカの家へと急いだ。

十年分、まずは十回頑張ろうと決意しながら。

決意通り、カカシは十年分頑張った。

イルカが泣いて喘いでよがりまくって。気持ちよくってぐちゃぐちゃに身体が溶けちゃうくらい、舐めて揉んで擦って挿れて。滅茶苦茶に突き荒らした。

始めの内は照れ臭いのか、抵抗するような素振りを見せていたイルカだが、すぐに与える快楽に従順になった。

硬く閉ざされた尻の狭間も、埋め込まれる熱い質量を欲しがるように淫らに口を開くまで、ぐずぐずになるまで丹念に解してあげた。

カカシが己の滾る欲望を一気にイルカの中、奥深くにまで押し込んでも、体を強張らせるような苦痛はなく、お互いそこにはもう、眩むほどの快楽しか見つからなかった。ぐちゅぐちゅと淫液の泡立つ音を聞きながら、激しく己を打ち込む。逃げる腰を引き寄せ、深くを犯す。

イルカはカカシの想像以上に、やらしいくて可愛い顔いっぱい見せてくれた。

「あ…ッあぁ、は、ぅあっ」

今もイルカは獣の姿勢で、カカシの滾る熱棒を尻の狭間に埋め込まれている。もう何度か放っている下半身は、お互いの精液でびしょびしょだ。淫猥な臭いがまた興奮を煽る。

カカシが後ろを掻き混ぜながら、イルカの前を根元から軽く扱いてやると、

「あっ、あぁっ!」

ひくんひくんとイルカが震え、甘い喘ぎを漏らした。もっとというように尻が揺れる。

だからもっと突いてやる。イルカが欲しがるままに、太くて硬いものをずぶずぶと押し込んでは引き抜く。

「あぁっ、あっ、んぁ…や…っ」

引っ切り無しに上がる甘い声にカカシは頬を緩めながら、

「ん。気持ちいいねえ…もっと気持ちよくしてあげる。」

うっとりと囁き腰を揺らすと、

「うぁ…っ、も、駄目、です…」

イルカが心にもない事を言う。

「駄目って、ここをこんなにしたまま、止めちゃってもいいの…?」

カカシはだらしなく淫蜜を零す、濡れたイルカの先っぽを指の腹で意地悪くくりくりといじくってやると、

「ああ…っ、あ…っ、」

止めないでというように後孔がきゅうっとカカシを締め付けた。身体の方はずっと正直で、カカシのモノをこんなにも咥え込んで離さないというのに。

本当はこんなに欲しい癖に。

「そんなに焦らなくても止めない〜よ…ほら、もっとあげるから。」

もっともっと、俺を欲しがって。

カカシは腰を抱え直し、解放の為に重く激しくイルカを突き上げ始めた。繋がった部分から感じる蕩けるよな快楽に眩暈がした。気持ちよくて堪らない。

俺も当分止められそうにない〜よ…

荒い息を吐きながら、カカシは幸せな笑みを漏らした。

 

 つづく