大魔王クッパとの戦いに勝利をおさめ、ピーチ姫を救出したマリオは、キノコ王国の復活を見
届けると別れを告げ、他の世界で同じく魔族に苦しめられる人々を救うために、新たな冒険を 求めて旅立った。
時が流れ・・・ある山間の村を妖魔使いの毒牙から解放したマリオは、村人から贈られた不
思議な水晶の球の中に、見覚えのある風景を見て驚いた。なんと、その風景こそ今は復活し、 平和な国となっているはずのキノコ王国の荒廃した姿だったのだ。マリオは早速、その真偽を 確かめるためキノコ王国へ向けて馬を走らせた。
国境近くに着いたところで、逃げるように走ってきたピーチ姫の侍女キノピオに出会った。軽
い傷を負っていた彼女は、ピーチ姫の婚約者でポテト王国のアンドレ王子にやられたという。
純真な心と正義感を持ったキノピオは、王子の行動に疑惑を感じて、ポテト城に忍び込んだ
ところ、彼の部屋にあった魔界文字で書かれた手紙を発見したのだ。その時、城兵に見つか り、やっとの思いで国境まで逃げてきたところだった。
キノコ王国の眺めは一見、平和な姿をしているように思えたが、水晶の球を通して映して見る
と、その眺めは一変し、荒廃した大地となり、城には黒い渦が幾筋も巻いていた。
マリオとキノピオは城へ向かって急いだ。王国は、アンドレ王子の希望で拳式が早まり、しか
も、式場の一方的な変更でピーチ姫がポテト王国へ向かったためざわめいていた。おそらく、 キノピオに魔界の手紙を奪われて、結婚を急ぐ理由があったに違いない。二人は、すぐさまピ ーチ姫の馬車を追いかけた。
ポテト王国へ向かったピーチ姫の馬車の跡は国境を越えると大きく方角を変え・・・岩山とわ
ずかな草木しかない大地をぬけて、ブローダの森へ続いていた。
馬車の跡は、三方向に分かれる道の手前で、突然消えていた。
この後、読者は三方向のいづれかの道を選択し、ゲームを始める事になります。
感想 評価:★★
このマンガはロールプレイングの要素を取り入れたゲームコミックとなっていて、読者はマリ
オと一体になって冒険を楽しむことができます。そこで、決められた戦闘システムに従い、魔界 時間という制限時間内にピーチ姫を救出しなければなりません。宝を集め、魔族と戦って経験 をつみながら話しを進めていくのです。途中、妖精狩の魔獣兵団、魔獣王ケモダス、妖精のキ ノバ、などの個性あふれるオリジナルキャラクターが登場します。しかし、あまりにゲームとは 関係のないキャラクターの出演と、奇抜なストーリー展開のため、本当にマリオの物語なのか と疑ってしまうほどマリオコミックの中では異様な存在です。特に、沢田ユキオさんのマンガに 登場するオオボケマリオになれてしまった人には、このマンガのマリオはとてもまじめに見え、 まるで別人だと思うでしょう。
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