壁量計算書
(へきりょうけいさんしょ)
 壁量計算書とは、建物に建築基準法で定められた必要な耐力壁の量と実際に設計し、配置した耐力壁の量が建築基準法よりも越えているかどうか、あるいはどの程度の余裕があるのかを表した図面で、このページ自体は説明用に簡略化していますが、次のような構成となっています。
 A図のようにその建物に配置された耐力壁の種類と位置が記された図面があり、風圧力算定用の立面図の略図が設けられ、建物の見付面積(正面の面積)を算定する図があります。
 そして、B表でその建物に必要な耐力壁の量が地震力と風圧力の両方を計算して、高い数値の方を、その建物の必要壁量としています。
 さらにC表で、その建物に配置された耐力壁を合計する計算表があり、最後にD表として、その建物に必要な壁量よりも、設計壁量が多ければ、建築基準法はクリアしたことになります。


注:A図、B表という表現はわかりやすくするための便宜上の名前です。図面にこの名前が付いているわけではありません。
  また、3階建て住宅の場合は壁量計算ではなく、数十ページ以上にわたる構造計算が必要です。

 


  
a.b:地震力の定数
 地震力の算定は1階、2階の床面積(a)に、屋根材の種類に応じて(b)の係数を右表から選ぶだけです。
 この例題では瓦以外の屋根として計算しています。


c.d:見付面積と風圧力の定数
 風圧力に必要な必要壁量は、右図のように1階の場合は、1階の床から1.35mから上の部分の建物の外壁、屋根などの見付面積に50を掛けると1階の必要壁量が計算され、2階は2階の床から1.35mから上の部分に50を掛ければ、その階の必要壁量を計算することができます。
注:X方向、Y方向それぞれに計算します。


e.f:耐力壁の種類と倍率
 C表で使用する耐力壁の種類や倍率は法律で定められており、ほとんどの場合は右表から選ぶことになります。
 筋交いと構造用合板などを併用している場合は、5.0まで倍率を加算できます。たとえば片筋交いの倍率2.0と構造用合板の倍率2.5の併用では、この壁の倍率は4.5となります。ただし、たすき掛け筋交いの倍率4.0と構造用合板の併用で倍率6.5になっても、計算上の倍率は5.0とします。



g.h:壁長と箇所数
 壁長は耐力壁の長さです。(cm)そして箇所数は単純に数えれば終わりです。


 軸組工法 (在来) 壁量