2013年8月22日〜23日 |
お盆の後 |
(俺) |
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猛暑の今年は世間のお盆休みの後になってから、泊まり掛け釣行に行く事となった。
目的地は昨年良い釣りを楽しめたS河内に設定し、納涼&爆釣を期待して土産も持ち帰る気満々コースだ。
いつものように仕事明けのまま現地へ直行する。
AM7:30頃、車止めに到達すると釣り人の車は無い。
まだ涼しさの残る車止めで快晴の空がジワジワと暑さを稼ぎ出す中、急いで支度を整える。
ついでに車止め周辺の草むらでバッタも捕獲して、7:50頃車から出発した。
急角度の山道を進み、そのうち河原へ降り立った頃にはだいぶ暑くなってきた。
泊まり掛けの装備を背負いながらも、川上から来る微風のおかげでなんとか快適さは保てる感じだ。
昨年と変わらぬ渓相の中をマイペースで歩き続け、目的地のテンバ付近まで到達したのは10時頃だった。
テンバが見えた安心感から、荷を背負ったまま釣り始めてみる。
・・が、間も無く釣れてきたのは軽い手応えの外道だ。
やはり今年も居たか。以前まで居なかったのになあ。
その後も好ポイントからも外道ばかりが掛かって滅入ってきた。餌だって無限にある訳じゃあない。
もう少し大きなポイントに的を絞らないと効率が悪いかもしれないな。
テンバまで釣り上ったところで荷を下ろし、昼飯のパムを喰らって一息入れたら再び釣りに繰り出す。
薪集めやテントの設営等やる事は控えているが、現地に来て竿を出したのに未だ渓流魚が釣れていない事実が納得出来ない。
とりあえず本命の顔を見なければ。
外道をリリースしながら大場所の滝壺まで進むと、昨年と変わらぬ渓相で俺を迎えてくれた。
重低音と飛沫による独特の雰囲気に期待値も跳ね上がり、今回も仕掛けを改めてから餌を投入してみる。
そして間も無く目印が流れに逆らってHIT。
それまでの外道とは打って変わり、明らかにキープサイズの重みが竿先を絞り込んでくれる。
無事に取り込んでみると31Cmの♀ハイブリットだった。
ようやく本命の姿を拝んで一安心して獲物をキープし、更なる追加を目指す。
その後も8寸サイズのイワナとアマゴが釣れてアマゴはキープに追加。
しかしそれ以降は反応が止まってしまったので、獲物は2匹キープしただけでテンバへ戻る事にした。
テンバへ戻ったら竿は置き、薪拾い&釜戸のセッティングにテント設営と晩飯の準備に取り掛かる。
明るい時間帯のうちに出来る限り済ませておきたいのだ。
一通りの準備が出来た頃には夕方になっていたが、まだまだ釣り足りないし土産も必要なので再び釣りに出る。
先程とは違う流れに進み、刻々と陽の力が弱まる中を釣り上っていく。
しかしこちらも15Cm前後のウグイが多数釣れてきて厳しい。
そこそこ広いポイントの一等地からも真っ先に外道が掛かってくる様子から、先のお盆休みで大量の釣り人が流れ込んで釣
られてしまったのかもしれない。
実際にここまでの間にかなりの足跡が残っていた。
結局視界の限界になるまで釣り上ってみたが、リリースサイズのハイブリットを数匹放っただけで追加のキープは得られな かった。
テンバに戻って獲物を捌く。8寸アマゴは塩焼きに、尺イワナは刺身にするのだ。
焚火も難無く一発点火し、先程研いだ米もバーナーを使って炊き始める。
テンバ周辺には仄かな風が流れる程度だが、体感温度は適温・・だろうか?
例年この時期は寝袋が要らないくらいだが、今年はもしかすると暑くて寝られないかもしれないな。
しかしそのうち米も炊けたので恒例のレトルトカレーで頂こうとした時、不意に顔の周りに虫が集まってきて驚いた。
暗くなったのを機に、ヘッドランプの明りに小さな羽虫が集まってきたようだ。
しかもその数がかなり多くて参った。焼いている途中のアマゴにまでくっついてしまう程集まっているようだ。
あまりにもウザいので飯も食っていられない。
仕方が無いので焼き魚は遠火で保温しながら、俺は晩飯をテントの中へ運び込んで、焚火から離れた空間で食事を摂る事と した。
夏場の泊まり掛け釣行は毎年の事だが、こんな事は初めてだな。
その後、ヘッドランプをつけない様に外へ出て、焼き途中のアマゴを点検しながらじっくりと焼き上げ、焚火から離れた所
でかぶりついた。
美味い・・が、なんとも落ち着かない。
そして暗闇の河原で焼酎を呷り、腹が満たされたところでテントに潜り込んだ。
一夜明けて23日、AM5:00。目覚ましを掛けたかどうかは覚えていないが、自然と目覚めると時間の割に辺りは薄暗
い。
若干曇っているようだ。
それにしても昨夜は予想以上に暑くてなかなか寝付けなかった。深夜の間に気温が下がったので朝となった今では快適だが、 真夏の夜の過ごし方も考え直さなければいけないかな。
幸い夜梅雨は無かったようなので釜戸をセッティングし直して焚火を熾す。
お湯を沸かしながらテンバの片付けを進めて、カップ麺で軽い朝食を摂ったらコーヒーも淹れる。
そうこうしているうちに空に晴れ間が広がってきた。今日も暑くなりそうだ。
全ての片付けが済んで最後のコーヒーも飲み干したら、軽装で土産を釣りに行ってみる。
なんとかキープが欲しいところなので、今回は支流の未知なる領域へ踏み込んでみよう。
前回来た時はその迫力に圧倒されてとてもその先へ行こうとは思わなかったポイントだが、今回もその傍に行ってみるとや はり迫力がある。
行けるかどうか半信半疑だが、進んでみないとわからないので急角度の崖を登り始めてみた。
凄い角度の岩場だが、岩がもろいうえに湿った泥も被っているので体勢を保つだけでも気が抜けない。
途中で下を振り返ってみると、あまりのスリルに笑えてきた。コレは仮に上まで登り切ったとしても今度は帰りの下りが恐 ろしいな・・。
しかしそこで諦めて戻っては意味が無いので最後まで登ってみた。
するとそれまで見えなかった反対側の未知なる景色がすぐ下に迫ってきていた。
なかなかの渓相である。よし、土産は約束された様なものかな。
難関を一つ乗り越えた後なだけに気が緩んだ俺は早速竿を伸ばして初めての渓相を釣り始めた。
・・が、アタリが無い。
まだまだ下流過ぎるのか?いや、本来であればよく釣れるポイントの更に上流なのだから釣れて当然くらいの場所のはず。
やはりお盆の連休で釣られ過ぎてしまったのか?
様々な疑問が沸く中をゆっくり釣り上っていくと、再び難所に行く手を阻まれた。
今度はゴルジュ状の中を3m程度の滝が連なる形で渓がカーブする形だが、側壁がまた急角度で高い。
暫し手を休めてルートを捜索してみたが、今度は先に進む術が見つけられずに諦める事になった。
せっかく未知なる領域に入ったものの、ろくに釣らないまま断念する事になるとは残念だ。
来た道を慎重に戻り、どうにか無事にテンバまで戻ると陽が高くなっていた。
仕方が無い、帰りながら大場所だけ竿を出して土産を拾っていこう。
しかし重荷を背負って川通しで下りながら竿を出してみると、案の定釣れてくるのは外道ばかりだ。
餌もバッタだけでは表層しか狙えないので、時期的に希少な川虫も使って幅広く攻めてみるが、根本的にウグイが多過ぎるのだ と思う。
何度か竿を出す間にだんだん状況の悪さを悟るようになり、昼近くなった頃には諦めの境地になっていた。
そして竿を仕舞って歩きに専念し、14:30頃になってようやく車止めまで帰還。
暑さと貧果に打ちのめされて疲労困憊の中、荷を降ろして体を拭いて着替えてみると若干心地良い。
今回の失態の原因はやはりタイミングが悪かった事だろうか。目的地の選択肢としてももっとマイナーな所にする事でここまで の貧果は避けられたかもしれないが。
結局この夏の泊まり掛け釣行は納涼でも爆釣でもなかったうえに土産も無いという残念な結果となったが、これも一つの経験と して今後に活かしたい。