2013年5月24日 |
鍛練と激流 |
(俺) |
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今回はO俣の上流部を日帰りで釣ってくるという予定で、今までのルートとは別の方法を選択してみる。
要は本来なら車止めから最寄りの水際へ降りて川通しで遡行していたところを、今回は初めて山越えルートで上流部へ降り立つ 方法にTRYするという事なのだ。
水から離れて歩くのは俺的に物足りない気分だし、ルートに関する情報も古い地図しか無いのでまさに手探りのアプローチとな る。
距離的には2時間も歩けば辿り着けるだろうか。激しいアップダウンが無いといいなぁ・・。
そして仕事帰りのまま一気に車止めまで直行し、他に誰も居ない環境の中で支度を整えて、AM8:00に車から出発。
気温は16℃という事で快晴に恵まれたので、足元はウェーダーではなく渓流シューズを装備していく。
今回は久々の山歩きに備えて渓流シューズを新調してみた。なかなか軽いが、早く馴染ませないといけないな。
見慣れぬ景色を進んでいくと、すぐに上り坂が始まった。角度はキツくもないが、どこまで上りが続くのか。
日頃の運動不足のおかげですぐにダルくなってしまったが、疲労感を騙すようにマイペースに進む。
本流の近くから出発したが、徐々に川のせせらぎが遠くなっていくのを感じる。
崩落しているところも多々あって、歴史から置いていかれている感じが伝わってくる。
そして見慣れない草花や鹿の食害を堪能しながら歩く事1時間半、ようやく入渓地点の川床へと到着した。
想定していた程度の道程&疲労感でまずは一安心・・と言いたいところだが、肝心の川の様子が厳しい。
だいぶ上流域まで来ているのに、雪代の影響で激流となっているのだ。
川の勢いに呆気にとられながらも遡行のシミュレーションをするが・・。
なんという事でしょう。水量が多過ぎて渡渉が出来ないところばかりだ。
炎天下の下、一気に疲れが押し寄せてきた。ダメだ、どう足掻いても上流へ行く術が見つけられない。
おいおいウソだろ〜、ここまで歩いてきて・・。
・・仕方がない、ここから行ける範囲で釣り下るか。
以前ここへ来た時は夏の渇水期だったので、更に上流へ行ってそれなりに魚影があったのを思い出す。
それに比べ、今日はこんな中途半端な場所にこんな激流で、おまけに行動範囲も極端に狭いという状況で釣りになるのだろうか。
心の空を絶望感が覆う中、とりあえずは激流の河原の端で川虫捕りから始めてみる。
しかし川虫的には盛期のはずなのに、まるで見つけられない。困った。
俺は毛鉤を使う趣味も無いので、このままでは釣り自体始められない。
雪代の影響で川虫の着き場が深い所へ変わってしまったのか?暫し手を休めて考え込んでいると、眠くなってきた。
とはいうものの、釣る前に寝てはいられない。おまけに日帰りなので時間的猶予も限りがあるのだ。
そんな時、素早く動くモノが視界に入ってきた。
小型のアブだろうか?他に蠅も飛び回っているようだ。
そうか、陸生昆虫を頼ればいいのだ。
道中でバッタの存在は気にしながら歩いてきたが、使えるものは居なかったのですっかり忘れていた。
俺は河原でタモを振り回したり陸上で石の下などを捜索した結果、なんとか釣りになる程度の数の昆虫をGETした。
さてこれでようやく釣りが出来る。
・・が、水量が多いので川幅は膨れ上がっていて、ポイントとなりそうなところは限られている。まあ適当にやってみるか。
まずは石の下で捕獲した小型のコメツキムシみたいな甲虫を餌に、仕掛けを放り込んだ。
そして何回か流すと早速アタリが出た。
アワせてから竿を煽るとなかなかの重量感だ。
下流に向かって仕掛けを振り込んだからとか、本日1発目だから感覚に補正が掛かっているのか?
奮闘の末にどうにか手元に寄せて、タモ入れしてみるとなかなかのイワナだ。
測定してみると29.5Cmの泣き尺サイズだが、厚みがあってだいぶ型が良い。これは刺身に出来るかな。
満足の1発目はキープ網を出して確保しておく。
そして一つ下のポイントに下って、何度か探っていると再びアタリ。
しかしアワせてから8寸程のイワナが宙に浮いた瞬間、仕掛けが軽くなってイワナが落下。食いが浅かったようだ。
それにしてもこんな状況ながらアタリが続くようで良かった。
激流とはいっても濁っているわけでは無く、単に流れが早過ぎるから魚が餌を見つけ難いのかもしれない。
その後も7寸程のハイブリットがポイント毎に釣れたので、骨酒用に2匹頂いておく。
そして昼を過ぎた頃になって、行動可能範囲を探り切ったので終了する事にした。
昼飯を喰らい、獲物のノジメ&下処理を済ませてから帰路に就く。
しかしこの時期の雪代を甘く見ていたなぁ。良い経験になった。
成り行き上釣果こそ少なかったものの、この狭い範囲でもそれなりの魚信があったので釣り場としての潜在価値は充分だろ う。
ルートとしても使える事がわかったので、いずれ泊まり掛け釣行で来る時にまた活用したいと思う。