2013年4月26日

回復の兆し

(俺)



変わらぬ渓相

 今回は長時間割けない日程なので、比較的楽な釣り場であるO沢へ行ってみる事にした。

 AM7:00。車止めに一番乗りを果たし、やや曇り気味の空の下で支度を整える。

 気温は暖かい方だとは思うが、今回の目的地は日差しが届き難い地形なのでウェーダーを装備していこう。

 そしていつもの日帰り装備を整えたら急角度の踏み跡へと歩き出す。

 遠目に見ると新緑の山でも、林の中はまだまだ枯れ葉や枝ばかりで視界は広い。

 距離的にはたいした事はない道程だが、釣り始める前に消耗するのも嫌なので焦らずにゆっくり進む。

 そして30分程かけて今年初のO沢に降り立ってみると、例年通り変化が見られない渓相が俺を迎えてくれた。

 サクッと川虫を漁り、序盤から丁寧に釣り始める。

 このO沢は本流からの遡上は無い地形で、魚影も型もイマイチな支流なのだが、上流部は俺的に未だ未踏の小渓である。

8寸♀アマゴ

 今回はどこまで釣り上れるかな。

 暑くも無く寒くもない快適な環境を探っていくと3つ目のカーブで本日初HITを得た。

 なかなか元気の良い引き応えに思わずタモを出して回収してみると、1発目は8寸クラスの♀アマゴだった。

 以前ここで同じ位のサイズのを釣った時はガリガリに痩せた魚だったのだが、今回の獲物は対照的になかなか型の良い魚体だ。

 今日もキープするつもりで来たのだが見惚れているうちに情が移ってしまい、1発目はついついリリースとした。

 いつも小型が居るポイントだっただけに嬉しい獲物だったな。

 1発目を放った後はアタリが続かず、魚影の薄さを感じながら釣り上っていく。

 そして暫く経つとこの支流にしては大場所となる淵に到達した。

 期待を抑えて下流から探っていくと、2匹目がHIT。なかなかの重みが竿先に乗った。

渓相

 しかし1発目を凌ぐ引き応えについつい慎重になってしまい、足場の悪さもあって回収するタイミングが難しい。

 結局チャンスを窺いながら落ち込みを一つ二つ・・と下っていく最中にラインが石に挟まってバラしてしまった。

 逃がした獲物は9寸程のアマゴだったようだ。ここでは今までにないサイズだったな。

 数少ないチャンスを逃してしまって落胆は大きいが、何故かどこかに充実感もあるような気がする。

 気を取り直してもう一度同じ淵で粘ってみたものの、さすがに場が荒れてしまったようで追加の反応は無かった。

 その後も反応が少ないまま釣り上り、だいぶ陽が高くなった頃になってようやくHIT。

 落ち込みから流れる仕掛けに向かって、白泡の下から矢のような勢いで魚が飛び出してきて目印が溯った。

 久しぶりの魚信はインパクトのある捕食シーンだ。

 竿を煽ると今度の獲物もまたなかなかの手応えで期待が高まる。

9寸♂アマゴ

 そして充分に引き応えを堪能して盤石の態勢でタモ入れに成功してみると、先程バラしたものと同様の9寸アマゴだった。

 よしよし、恐らく俺達的にO沢史上最長寸を記録出来ただろう。

 錆も取れた魚体はなかなかの身の厚さで、土産にするには良い獲物だ。

 撮影を済ませ、河原に池を作って活けキープして先を行く。

 この辺りから荒れた渓相になってきたが、最近は以前ほど崩壊が進まなくなったようで、水の色も何かを期待させるものがある・ ・ような気がする。

 幾つもの滝と淵が交互に連なるが、足場が不安定なので進み辛い。

 そんな中、6寸程のアマゴを2匹釣り上げ、更に小型も1匹バラしがあって、以前よりも反応は良くなっていた。

 魚影が復活している事を示していると思っていいかもしれない。

 そして間もなく、いつもの遡行の限界に達して竿を納める事に。

 よく見ると最後のポイントは泳ぐ気になれば先に行けるようだ。今まで気付かなかったが、これは良い発見だ。
  暑くなってきた頃に、再びTRYしてみたいな。

 今回はこの支流にしては型が揃ったのでそれなりに満足だ。次に繋がる発見もあって、また来る時が楽しみになった。

 

現在の遡行限界エリア




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