2012年5月25日 |
謎の境界線 |
(俺) |
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渓流釣りシーズンとしては一番釣り易い時期になって、ようやく今年2回目の釣行が決まった。
今回は一年ぶりのポイントを目指して夜勤明けのまま現地へ向かったが、目的地が近くなってから入渓条件が思わしく ない事がわかって急遽予定を変更。
AM7:20頃になってしまったが、久々に人気河川であるI沢の車止めに一番乗りを果たす事が出来た。
今年はこの支流の魚影に絶大な期待をしているので楽しみでもある。
それに今年の解禁日が貧果だったので、今回は土産を持ち帰る事にも重点を置いていこう。
今日も日帰り釣行なので、曇り空の下で急いで支度を整えて早速入渓地点へ続く踏み跡に入る。
相変わらず傾斜がキツい山道だが暫く歩いて無事に河原まで到達すると、雪代のせいか水量はやや多めの流れが俺を迎 えてくれた。
今回は足元をウェーダーではなく渓流シューズを装備してきているが、気温は12℃ということで寒さは感じない。
・・と思ったが、最初の渡渉で水に浸かると脳天を突き抜けるような強烈な感覚で冷たさが身に凍みた。
しかしそれでもまずは渓相がある程度整ってくるエリアを目指す。
渡渉を繰り返していく間に体も徐々に水温に慣れてきて、序盤の渓相を軽快に遡行していく。
そして30分程歩いたところで渓相も安定してきたので、まずは餌捕りから敢行する。
時期的に川虫は安定して獲れるだろうとは思っていたが実際によく獲れるし、たまに勢い余って(?)イワナの稚魚ら しい小魚までタモに入ったりして出だしは好調な雰囲気だ。
餌を獲っている間に曇っていた空が限界に達した様で、ポツポツと小雨が降り始めたが風は無いので問題なく釣り始め る。
しかし期待と緊張の釣り始めから水深のあるポイントを重点的に攻めてみたが、なかなかアタリが出ない。
一つ一つの淵を入念に探りながらじっくりと釣り上るが、昨年釣れたポイントでも反応が無かったりして期待が空回り し続けていく。
この過疎っぷりは一体どうした事だろうか。
この支流は頭ハネ出来るような地形ではないし、仮に先行者がいたとしたらまだ濡れていない石の上に水を引いた様な足跡が
残されていてわかるはずなのだ。
何故ここまで生命反応がないのかを考えている間に、頭の中を黒い鳥の影が過る。いやいや・・やめてくれよ。
そんな事を考えながらも数々の好ポイントで粘る釣り方をしていると、なかなか先に進めないのでどこか割り切って先 に進むべきなのだが・・。
そして牛歩の様に2時間程掛けて某支流出合まで来た時、ようやく待ちに待った本日初HITがきた。
浅く広い、流れの緩い瀬の様なポイントで目印をひったくるような元気の良いアタリだ。
1発目なので慎重にやり取りして足元の河原に上げてみると、獲物は7寸程の痩せ気味なアマゴだった。
今日はこの1匹までが随分長かったなぁ・・と思いながら、撮影したりその姿を眺めたりしてちょっと一息入れる。
とりあえず釣れたことで一安心なので、コイツはリリースして次からはキープ出来るサイズを目指そう。
そしてその1匹を境に、ようやくアタリが続くようになってきた。
雨の勢いが若干増してサラサラと降り続く中、1発目と似たような状況から今度は8寸クラスのアマゴがHIT。
これもまた痩せているが、今度はしっかりノジメしてキープさせてもらう。
そこからは殆どのポイント毎に反応が出て、7〜8寸のアマゴが順調に釣れるようになってきた。
8寸クラスはキープしながら、釣り応えの出てきた沢をじっくり楽しんでいく。
単騎で釣っていると昼食を摂る事さえ忘れてしまう程熱中してしまう事がよくあるが、今日はまさにそんな感じだ。
そしてアマゴが連釣する中、そろそろ骨酒用のイワナも欲しいなーと思った頃、大きな淵に到達。
ポイントの後ろの方から少しずつ攻め始めてみると、淵尻の落ち込みギリギリのところで獲物が翻るのが見えた。
無事に釣り上げてみると7寸程のハイブリットで、望み通りの骨酒サイズGETで満足だ。
それにしても今日は釣れないエリアと釣れるエリアの線引きがハッキリしていたのは一体何だったのだろうか。
周囲の岩も雨で濡れてしまった今となっては先行者の跡も確認出来ない。
そういえば1年来ていない間に見慣れないガレ場が出来ていたところなどもあったので、釣れなかったエリアはたまたま 落石があって間もなかったとか・・?
どうしても黒い鳥の可能性を認めたくないので、ついつい強引に違う要因を予想したりしてみるが、まぁ釣れ始めた今と なってはもうどうでも良いか。
ひたすら降り続ける雨も弱いまま安定しているので、それほど増水の心配も無くまったり釣り上る。
イワナもアマゴも順調に釣りながらキープも増やすが、今日の獲物達は全般的にまだ痩せている感じだな。
もう5月も月末だというのに、未だに錆の落ちていない個体も居たり、型の悪さが少々残念だ。
真夏になればみんな栄養を蓄えて幅広になっているのだろうか。
そうして釣っている間に右岸側から再び支流が出合うと、細流ながら釣りになりそうな規模なのでちょっとだけ入ってみ る。
なかなかの急角度なので滝の連続で、ポイントがハッキリしているので壺を丹念に探っていくと間もなくアタリが出た。
狭いポイントなので場を荒らさない様に引っこ抜くと8寸程のハイブリットだ。
コイツも白点が多くてニッコウの血が濃い個体のようだが、型は若干マシになっている。
これなら刺身に出来るかな・・という事でコイツもキープしておく。
更に釣り上っていくと1つの狭い壺から複数のイワナが出てきたりして、魚影の濃さに嬉しさが込み上げてくる。
7寸程度のものはリリースしながら楽しんでいくと、この支流で一番大きそうな淵が出てきた。
期待しながら仕掛けを振り込むと間もなくアタリが出たが、アワせると思いの外重くて元気が良い。
少し泳がせて消耗させてから今日初めてのネットランディングをすると、獲物は9寸近いアマゴだった。
それまで上ってきた角度を振り返って見下ろすと、よくぞここまで溯ってきたものだ・・と、感心した。
そして時間を確認すると15:30という事で、腹も減ったし釣果にも満足した事なのでこの辺で終了する事に。
最後まで小雨は降り続いたが、今回はまともな釣果に恵まれて良かった。
次はもっと型の良い魚を釣りたい。