2011年4月15日 |
消化不良 |
(俺) |
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今回も朝出発で山を目指し、陽が昇った大井川沿いの県道を北上する。目指すは3年ぶりとなる名渓だ。
前回の釣行では魚影が復活していて楽しめた記憶があるので今回も期待したいが、暫く訪れていないだけになんとも読めない。
そして猿やカモシカに遭遇しながら車を走らせて3時間後、車止めに着いてみると無事に一番乗りを取れたようだ。今日も日帰り釣行なので 急いで身支度を整える。
快晴の中久々の踏み跡を辿って暫くの山歩きを経て河原へ降り立つと、前回よりもやや荒れた渓相が俺を迎えてくれた。どうやら入渓地点周 辺の左岸側が崩壊しやすくなったらしい。奥の方は平気だろうか・・。
とりあえず釣りになりそうなエリアまで遡行してから餌捕りを敢行する事に。
今回もまだ周辺の日陰には残雪やツララがあるものの、気温はだいぶ暖かくて10℃程以上ある。しかし川の水に触れると半端なく冷たい。
幾つかの淵を見送って日当たりの良い瀬の隅で餌捕りに掛る。
すると今回は大型のオニチョロがモリモリ捕れて、すぐに任務は完了した。
よし、思いの外早く釣りを開始出来る。俺は餌を捕ったすぐ先の大きな淵の淵尻に仕掛けを振り込んでみる。
そして2、3回仕掛けを流したところで目印に変化が出た。
アワセを喰らわせると元気の良い引き応えで本日1発目がHIT。
足元へ寄せてみると7寸程のアマゴだ。
よしよし、期待通りの魚影は維持されているだろうか。1発目は撮影後にリリース。
しかしそこからは少し間が空いて、3つ程ポイントを外してから訪れたのは前回良型をバラした大場所だ。
今回は慎重に忍び寄り、淵尻から少しずつ探っていく。
ここは淵尻に小型は居なかったようだが、少し深いところへ仕掛けを振り込むと穂先にまで伝わる明確なアタリが出た。
しっかりとアワセを喰らわせるとなかなかの引き応えでキープサイズのアマゴが上がってきた。
そして無事にランディングすると、やや痩せ型の9寸アマゴだった。時期的に型は仕方がない。とりあえずキープだ。
更に同じ淵の流れ込みを攻めてみると、8寸クラスのアマゴがHIT。
しかし引っこ抜いてからキャッチする直前に空中で針が外れて逃げられてしまった。でも魚影は問題ないようでなによりだ。
ところが、次に狙った淵を攻めていた際に悲劇が起きた。
ポイントの上に邪魔な樹木があったのだが、それをうまく交わして仕掛けを振り込んだ際に水面で出たアタリをバラしてしまい、外れた仕掛 けが上空に跳ね上がって枝に引っ掛かってしまったのだ。
複雑に引っ掛かってしまったので強引に引っ張るしかなかったのだが、案の定仕掛けは切れて作り直しとなった。
しかし新たに仕掛けを作り直してから振り込んだ瞬間、突風に襲われて再び同じ枝に仕掛けが引っ掛かってしまったのだ。
「おおーいぃいい・・。」
仕掛けを作り直す作業は3〜5分程度だろうが、実際に現場でそれをやっているともっと長い時間に感じるものだ。
俺は同じ過ちを繰り返した自身への苛立ちと、そこに生える木に対する怒りで竿を煽る手に力が入った。
“バキャッ”
「オゴッ!」
なんと今回はラインが切れずに竿の7番が折れてしまったではないか。
俺の竿の7番といったら全体長さのの1/3で、穂先から2m程度の位置である。ぐああ、これはイカン。真っ二つに折れた竿を両手に持ち暫 し考える。
渓流竿を折ったのはどれくらいぶりだろうか・・。本来ならば予備に同ランクの竿を一本携帯しているのだが、実はここ最近は油断していて 予備竿は自宅に置いてきてしまってあったのだ。
釣り始めてまだ2時間も経っていない序盤での悲劇に絶望感が支配した・・。
そして撤退するにはさすがにまだ早過ぎるので、泣く泣く折れた竿先に仕掛けを作って釣りを再開する事にした。
しかし2mとなった竿でのアプローチは困難を極めた。
迂闊にポイントに近付けば魚に感付かれて台無しにしてしまうし、遠くからでは仕掛けが届かないし目視もままならない。
俺はどうやってこの仕掛けで獲物に近付こうかと考えながら数あるポイントの殆どを潰しつつ、落差のある落ち込みや滝だけに狙いを絞って攻 めるようになった。
そしてそんなやり難い状況ながらどうにかぽつりぽつりと釣果を重ねたが、某支流の滝で7寸のハイブリットを釣ったのを機に本日の釣りに幕 を下ろす事にした。
結局竿を折った影響で日帰り釣行の際の納竿の目安となるエリアまで辿り着けなかったが、折れた竿でもなんとか釣果を出して、トータルでは 10匹程度釣る事は出来た。
これは竿が健在であれば、もっと釣果が伸びていたという事は言うまでもない。
しかしまぁ、久々の人気河川を一番乗りで釣って、限られた部分だけでも現状を体感する事が出来たから良しとしよう。とりあえず竿のパーツ を注文しておかなければ・・。