2011年3月18日

氷の支流

(俺)



 先週の釣行に続き今週も朝出発で渓流へ向かった。
  事前の天気予報では県内山間部の予想最低気温が−7℃とされており、厳しい寒さと渋い活性が予想される。

 しかし前回も吹雪の中でさえ魚が口を使ったので、案外どうにかなるんじゃないかと楽観的に考えていた。

 そして今回の目的地は俺達的に初心者向きの支流として評価の良かったK川に定めてきたのだが、ここも昨年・一昨年と来ていな かったのでやはり久しぶりの釣り場である。

 幸い今回も車止めには他の車両が来ていなかったのですんなり一番乗りを獲得し、ウェーダーにカッパという俺達的シーズン初期 のスタイルで遡行を開始した。

快晴のK川出会い

 記憶の中に残っていた見慣れた渓相はそれほど大きな変化も無く、快晴のK川を進んでいくと無事にいつもの餌捕りポイントに到 着。
  とりあえず例年に違わず今回もここで餌捕りを敢行したが、今日はなかなか捕獲に手間取って思いの外時間を食ってしまった。

 どうにか数匹のオニチョロをGETしてからは、程良いポイントを物色しながらの遡行だ。今日はどこから竿を出そうか。

 しかし暫く歩くと木々が覆い被さるような薄暗い渓相となり、K川らしさが出てきたと思っていたら、至る所に雪や氷が目立つよ うになってきた。
  嫌な予感が過る。

 とはいうものの、不安ではあるがとりあえずはやるしかない。
  餌を確保してから30分程ゆっくり遡行し、毎度竿を出し始める淵に着いたのでそこから竿を出してみた。

 たいして大きくもない淵ではあるが、開けた場所なので日当たりも良い。どうにか期待したい心情と不安が交錯する中で仕掛けを 流し続ける。

 そして何も釣れないまま10分程粘り、そろそろ諦めがついた頃になってようやく目印に変化が現れた。

 充分に食わせる時間を与えてから軽くアワセを喰らわせると、なかなかの重量感の獲物が鈍い動きで魚体を翻した。

 ところがそのまま竿を煽ったら獲物が暴れて仕掛けが跳ね上がってしまった。

 不安の中でのHITだっただけに痛恨のバラシである。さすがにあの様子では数時間は隠れてしまうだろう。

周囲が凍りついていた

 仕方が無いのでそのポイントは諦めて次のポイントへと歩を進める。次は大場所が控えており、更には落差のある渓相が続くので にわかに期待が盛り返してきた。

 しかし実際はなかなか期待通りにいかないもので、3m程の滝が流れ込む滝壺周りはどこを攻めても反応が返ってこない。

 それにここは完全に日陰になっているので、滝の脇から壺の周辺の水辺まで一面を氷が覆っていた。

 そういえば以前も解禁日にこの支流へ訪れた際、雪が残る状況でボウズをかました事があったな。やはり寒さが魚の許容範囲を超 えてしまっているのだろうか?

 大場所では程ほどに諦めて更に上流へ移動すると、相変わらず以前と変わりない渓相が俺を迎えてくれた。

 ポイントを移ってもやはり雪と氷まみれの渓相なので、もはやあまり期待しないで粘らずにサクサク釣り上る。

 そしてそのうち某ポイントの淵で本日2度目のアタリがあったものの、じっくり喰わせたつもりだったのに再びバラシ。

 もし次にアタリが来たら・・と、入念なイメトレをしながら釣っていただけに情けない。

 それにしても反応が渋い。体感温度はそれほど厳しくもないと感じるが、魚の方には辛い環境なのか。

 普段は水温など気にした事も無いが、一体この水が何℃で流れていてこんな反応なのかを知りたくなった。

 更にその後も凍り付いた流れをサクサク釣り上り、たまたま陽の当たる浅い淵を見つけてようやく1匹のイワナを釣り上げた。

 どうにかボウズは逃れたものの、半日程掛けて7寸ハイブリット1匹では割に合わないかな。まぁ今日は久しぶりのK川を体感し たという事でこの辺りで良しとするか。

 しかしそれでもルートを戻る途中で、今日1発目をバラしたポイントに立ち寄ってもう一度だけ仕掛けを流し込んでみたが、やは り反応が返ってこなかったので完全に諦めて帰還に徹する事とした。

 ここはもう少し暖かくなってからの方が良い釣りが出来るだろう。次回に期待したい。

   

辛うじて1匹



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