2010年5月22日

遡上モノ探索‘10

(俺)



 今回は中途半端に時間があったので、予てから興味のあった下界の流域へ調査に向かってみた。目指すはこの時期に海から遡上してく るというサツキマスの情報である。

 サツキマスといえば言うまでもなくアマゴの降海型の個体であり数も多くないようだが、県内の他の河川では案外普通に釣れているよ うで、大井川でも結構釣れているようだ。

 とりあえず今まで関わったことのない獲物なので人伝に聞いた情報を集約して、今回は自力での手掛かりを探しに行こう。

 土曜日の午後ということで混み合う大井川沿いの県道を遡り、実績があったという噂のエリアを2時間程物色。川周辺の地形や流れ等 を考慮した結果、16時30分過ぎに理想の条件と思わせるポイントへ辿り着いた。

 一応渓流用ルアーロッドは持ってきてはいるが、いきなり簡単に釣れる訳はないだろうからボウズ覚悟の暇潰し用である。しかし竿を 出すからにはこの流域を管理する漁協の日券は購入してきた。
  あとはその辺の人に聞き込みでもしながら、マヅメの捕食行動なんかを確認出来れば御の字である。

 ・・しかし日暮れが迫る広大な河原に通行人などは来る気配も無く、かといって通行人を探し歩いてポイントから目を離す訳にもいか ず・・。

 情報の自力GETを優先した俺は聞き込み情報は諦めて、ポイント周辺の水面に神経を尖らせながらルアーをキャストし続けた。

 かつて得た知識ではこの時期の遡上モノは秋の産卵時の遡上とは違って食欲はあるという事。そして主に一緒に遡上してくる鮎がその ターゲットになるらしい。
  という事で、俺は鮎カラーのミノーを使う。

 徐々に薄暗くなっていく河原で、俺の投げるルアーにはまるで反応が無い。しかしゆったりと流れる水面には小魚のライズが見られる ようになってきた。

 ひたすらキャストし続けるのも疲れるので休憩を入れながらも水面から目を離さない。小魚の単発的なライズよりも、もっと何かに追 われる時のような激しい動きは出ないものか。
  祈るような気持ちで何かが起きるのを待ち続ける。

 そして辺りが真っ暗になった頃、ついに目立ったアクションを見つけられないまま諦める事となった。やはり手掛かりの一つでも自力 で・・となるとそうそう簡単にはいかないものか。
  毎日通えるような環境ならば年券で購入して通っていれば手掛かりくらいは得られそうなものだが、無いものねだりをしても仕方がない。

 俺が遡上モノの手掛かりを直接確認し、そしていつかそれを釣り上げるまでに、一体どれだけの期間と労力が必要なのかは想像がつか ない。
  ただ、とりあえず今回は自力で一歩踏み出してみた・・だけ。



どこに居るのだろう



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