2009年4月4日 |
支流と本流 |
(俺・ナオキ) |
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今年2回目の釣行はいつもの源流域に目標を定めて、俺達は前日夜から車を走らせてO俣の車止めを目指した。
そして多数のカモシカや野良兎等に遭遇しながら、無事に車止め一番乗りを果たす事が出来た。
4日の朝を迎えて俺達は薄暗い中で支度を整えて車を出発した。目的地は昨年末に俺が失策しまくったO俣で、今回は最下流部から釣 り上ってみるという予定である。
俺もナオキも今年はまだまともなサイズの渓流魚を釣っていないので、今日はキープサイズを出す事にも拘りたい。
まだ薄暗い空は晴れているようで、今日の豊漁を夢見て入渓地点を目指す俺達には体感温度もそれほど寒くは感じなかった。
そして暫く歩いて本流との出合地点に到達し、まずは餌捕りを敢行する。
時期的に餌も沢山いるようで、この辺りではオニチョロよりもキンパクの方が濃いようだ。
充分な量の餌を確保した俺達は、出合ポイントから竿を出してO俣を釣り上る。
・・が、O俣に入る直前の本流でナオキの本日第1投目に早速HIT。
解禁日に釣った稚魚とは明らかに異なる引き応えを堪能し、無事に引っこ抜かれたのは7寸クラスのアマゴだった。
俺にもアタリは出るが、どうもうまく針掛りさせられずに2匹連続でバラし、3匹目のHITでようやく本日1匹目のアマゴを釣る事 が出来た。
リリースを繰り返してO俣を遡行し始めると、すぐにアマゴの反応は無くなり、かわりにイワナが釣れるようになってきた。
しかしイワナ達はみな白点混じりのハイブリットばかりで、おまけにサイズも6寸程度までのチビばかりだ。
なかなかの渓相のO俣下流部ではあるが、少々大きめの淵でさえ特等席からチビイワナが釣れてくるという事は、7寸付近より上のサ イズは相当数が少ないという事だろう。
完全に陽が昇り、キープを得る事が出来ないまま先を行くと特徴的な大場所に到達した。
ここは大きな淵が目立つが、ナオキが普通に仕掛けを流しても反応はイマイチなようだ。
しかし淵の流れ込み部分の大きな抉れに目をつけると、ここで得意技の矢引き振りが炸裂。
見事に抉れの最深部に仕掛けを放り込む事に成功した。
そして間も無くナオキの竿の穂先が生命反応を感じ取って何かがHIT。
本日初とも言える重量感たっぷりの引き応えを楽しんでから無事にランディングされたのは8寸のハイブリットだった。
技ありの1匹は越冬の証のサビを纏い若干痩せているが、今日はキープさせて頂く。
しかしその後、遡行が進むにつれて徐々に魚信が遠のいてきた。
かつてこのO俣の源流域に行った時にはそれなりに魚影はあったが、中流部・下流部ではこれほど差があるとは思わなかった。
そこで、考えた結果O俣の釣行はそこで終了にして、本流まで戻ってからそちらを攻めてみる事になった。 俺達的に今まで本流での釣りはあまり良い思い出が無いが、それらは何れもここよりだいぶ下流での事。
土産をキープする為にも、本流での新たな実績を作りたい。
本流との出合付近まで戻ってから再び竿を出して2人で釣り上る。
だいぶ陽が高くなってきたが、新しい足跡も見られるものの、幸い今日はまだ他の釣り人は入っていないようで安心だ。
そんな状態の中、まったりと休憩していると不意に足元で動く物体に気がついた。
よく見ると3cm程の見慣れない昆虫が1匹、徘徊している。
なんだろう、下界では見たこともない虫だ。
頭部は蟻で、ボディは細長い甲虫といった感じか。しかし羽はなく、メタリックブルーの体色がなんともグロい逸品である。
2人で暫し観察したものの、正体はわからないので撮影だけ済ませて再び釣りに戻った。
徐々に先へ進むと、まるで某支流並みの落差と渓相の中、随所にある大場所からは適度に7〜8寸程のアマゴが釣れてくる。
特に今日はナオキによくアタるようで、やや苦手意識のあったアマゴを順調にHITさせている。
時間の経過と共にこの付近の渓相と魚達の居場所のパターンを読めてきたのか、だんだんと攻め方が変わってきて、過去の本流での釣 果を大きく上回るペースで釣果が出ている。
そのうちナオキは某大淵で、本日最長寸となる9寸アマゴと無班の8寸アマゴを立て続けに釣り上げた。
始まったばかりとはいえ、現状では今季最大クラスとなったアマゴをGETしてナオキは満足気である。
好調なナオキとは対照的に、俺の方は7寸以上の獲物をなかなか得られない。
アタリ自体はそれなりにあるが、全般的にどうも食いが浅いらしくてバラシの連発である。バラした中には8寸クラスもいたように感 じたが、釣り上げられなかったのは痛い。
なんとか俺も8寸クラスの獲物を叩き出したいところだが、焦り始めてピッチを上げているうちに時間も程よい頃合になってきたよう
だ。
気付けば快晴だった空も何時の間にか雲が覆い尽くし、予報通りの雨がパラパラと降り始めた。
そして最後の大場所でもバラしてしまった俺は竿を仕舞い、ナオキも最後に蛙の死骸を釣り上げて納竿とした。
今回は俺的には満足なサイズを出せずに残念ではあったが、ナオキが釣果を稼いでくれたのでまぁ良かったかな。
特に支流よりも本流での釣果の方が多いという事を踏まえれば、なんとか納得できる内容だったと思う。
次は何時になるやら。