2008年4月22日

初物尽くし

(俺)



 今回は丁度2年ぶりとなるI沢の釣行である。前回ここに来た時はキープを得る為に焦ったうえに貧果だったが、その後の魚影はどう なっただろうか?
  いつものように前日夜から車を走らせ、色々な野生動物に遭遇しながら深夜になって某車止めに到着。車内で仮眠して朝を待った。

 

 22日。携帯目覚ましが鳴る20分前に鶯の鳴き声で目覚めると、周囲は予想外に明るくて快晴のようだ。
  周辺には他の釣り人の車も無く、軽くパムを喰らって支度を整えて車を出発した。

 山肌を暫く歩いてから河原に降り立ったのはAM5:40頃だった。本来は魚影の濃かった川なので、自然と前回の事を忘れて気合が 入る。

 とりあえずは餌の捕獲だ。川の中に歩を進めてみると、雪解けの影響なのかいつもより5cm程水位が高いようだ。渡渉出来なくなっ て困る事がなければいいが・・。

日陰にはまだ雪が・・

 餌捕りも無事に完了し、3cm近い大型のオニチョロを適度にキープ。時期が時期なだけに餌に困ることは無さそうだ。
  早速竿を伸ばして釣りを開始した。

 すると最初の淵を探り始めて間も無く、目印が細かく動いて本日初HIT。6寸程のハイブリットだ。サイズはともかく、いいスター トだ。

 そして次の淵でも7寸ハイブリットが釣れた。前回の貧果はたまたまだったのか?その後も要所要所でイワナが釣れて、ついつい細か なポイントまで入念に探っていく。

 しかしここまでイワナばかりの連釣で未だにアマゴの姿は拝めていない。居ないことはないはずだ。

 俺的に今年はまだアマゴを釣っていないから、なんとか今日中にご対面したいものだ。

 暫く釣り上っていくと、細長い淵に到達した。既に谷間に陽が差し込み始め、淵尻の浅瀬には6寸付近の魚が見える。深い部分はよく 見えないが、良型が潜んでいる事を期待して、まずは見える獲物を釣ろう。

 俺は体勢を低く保ち、仕掛けが届く範囲までジリジリと近づく。そして獲物の上流に仕掛けを振り込んで、ナチュラルドリフトで獲物 の前へ仕掛けを運んだ。

 すると見えているその獲物は俺の仕掛けに反応して近寄ってきたが、食いつく前にそっぽを向いてしまった。こちらの気配は気取られ ていないようだが、数投しても隠れることも無く食いついてもくれない。

 よく観察してみると淵尻の水面には小型の昆虫が飛び回っている。そして獲物はその昆虫を狙ってライズしたりしてる。

 中層を泳ぐその姿から、どうやら獲物はアマゴのようだ。しかし川虫の餌では厳しいようだ。ここはテンカラがあれば1発だろうな。

 仕方が無いので見える獲物は放置して前進し、深場を攻める。それなりに流れがあるので、大きめのガンダマを1つ追加して底を流し てみた。

今年初アマゴ

 すると今度は1発でアタリを感じ取った。良型を思わせる重いアタリだ。俺はついつい聞きアワセからそのまま竿を煽ってしまった。

 獲物が走り出すとなかなか引きが強い。充分に泳がせながら引き味を楽しむ。場が荒れてしまうが、ポイントは山程あるから取り込む 事に専念する。

 獲物が弱ってきたようで、水面近くまで浮いてきた。なにやら赤っぽい。とりあえず浅瀬まで引きずってランディングの準備に掛かる 。

 ところが浅瀬まで寄せた時、獲物は最後の力を振り絞るような大暴れを展開。そして9寸程のアマゴの姿を確認した瞬間、俺の仕掛け は上空へ跳ね上がり、獲物は深淵へ逃げ込んでしまった。

 痛恨の針外れである。しっかりアワセを喰らわせておけば取り込めたものを・・自分のイージーミスにガッカリだ。

 しかし上流へ移動するとすぐにまた好ポイントが現れた。魚の活性は良い様なので、流れの速い流芯も攻めながら探っていく。

 すると間も無くアタリが出て再び良型がHITしたようだ。今度はガッチリアワセを決めてやり取りして、無事にネットランディング 。
  タモを覗き込むと、8寸程のアマゴが入っていた。

 少々痩せ気味で良型とは言えないが、ようやく今年初アマゴをGETすることが出来た。

今年初ヤマト

 初アマゴの余韻に浸りながら更に釣り上ると、その後も細かなポイントから7〜8寸クラスのハイブリットが数匹釣れてきて、魚影が 復活してきた事を感じる。

 そのうち某支流の出合付近の淵でまた良型がHIT。結構な重さで水面に寄ってきたのは尺近いイワナだ。

 測定してみると29.5cm。尺には約1cm及ばないが、白点の無い良型・・。あっ、これヤマトイワナだ。

 放流された個体が野生に帰化したものかもしれないが、さすがI沢。俺的に今年初ヤマトを飾ることが出来た。

 気がつけばとっくに午後を回り、陽の光も少々弱まってきていた。食い物を持たずに出てきた俺は昼飯をカットして支流へ竿を出して みる事にした。

 支流は本流からの落差があるものの、いつも良型イワナの実績を叩き出す好ポイントがある。時間的にここがラストか。

 I沢本流の河原から山へ駆け上がり、支流の脇から回り込む。前回よりも若干渓相が荒れてはいるが、魚は充分に生活出来る広さが残 っている。

 支流の中でも大きめな淵へ仕掛けを振り込んでみるが、アタリはない。数投して粘るが、どうやら今日は留守のようだ。本日最後のつ もりで入渓しただけに少々残念だが、その下の狭くて浅い淵へ狙いを変えてみた。

 すると流れていた目印が止まり、逆に遡行し始めた。
  アワセを喰らわせるとなかなかの引き応えだが、水深がないだけに獲物はあっさりと水面に出た。しかしスタミナを消耗し切っていないの で暴れ回り、その下の落ち込みを1つ2つと下ってしまう。

 そして3つ目の落ち込みまで下った所で無事に確保。体高はないが、妙にお腹が弛んだハイブリットだ。
  測定してみると33.5cm。本日最後のポイントで俺的に今年初の尺イワナをGET出来た。

 今日も全ての獲物をキャッチ&リリースしたのでキープは無いが、今年に入って初となる獲物に恵まれて満足のいく釣行となった。
  前回来た時よりも魚影が濃くなっているようだし、再び期待出来る川として認識することが出来るのも嬉しい。



俺的今年初尺イワナ



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