2007年5月3日〜4日

俺的GW釣行

(俺)



 今年のGW釣行は誰も都合が合わないので、久々の単独泊り掛け釣行である。連れがいないのは物足りない気もするが、歩行や釣るペ ースをマイペースに定められるから、誰にも気兼ねなく振舞える。
  目的地は久々の川に定め、俺は前日夜から某車止めで朝を待った。

 

 3日早朝、薄明るくなった頃に起きて支度をしていた時、ある異変に気付いた。なんと目的の川の入渓条件が芳しくない模様なのだ。

 なんてこった、今頃気付くとは・・!
  仕方がないので急遽予定を変更し、少し離れた別の支流に行く事にした。

 暫く車を走らせて着いたのはS河内だ。時間は既に5:40を回っている。しかも車止め付近には既に3台の車が停まっていた。
  さすがGWの人気河川だ。出遅れた分だけハンデを負った気分になった。

 仕方がないから初日の釣りは諦める覚悟で車を出発する。このS河内は毎年来ている馴染みの川だが、魚影の濃さはなかなかのものだ 。今回は今年初という事にはなるが、例年通りに期待に応えてくれるだろう。

S河内下流部

 重いリュックサックを背負って暫く歩いていくと、竿を出している釣り人が現れた。どうやら先の車止めで見た車の持ち主らしく、話 を聞くと日帰り釣行とのことだ。しかし他の二組は既に先を行き、どちらも重装備(泊り掛け装備)らしい。
  うーむ・・今回はこの先にある山小屋で一晩過ごすつもりの装備に換えてきたから、他の二組と被ったら大変だ・・。
  とりあえずはその釣り人に先を譲ってもらい、目的地の山小屋へ向かった。

 暫く歩いて10時を過ぎた頃に山小屋へ到着した。結局小屋には誰も居なくて、どうやら俺が一番乗りのようだ。もっとも時間もまだ 早いから、後から他の釣り人が来る可能性も否めない。
  とりあえず一服しながら小屋を掃除したり、薪拾いに精を出す。

 ここまでの間、空はずっと快晴だったが、だんだん曇ったり晴れたりするようになってきた。体感温度は快適だが、この後の展開に少 々不安が残るので落ち着かない。

 そして昼近くなった頃、掃除や薪拾い等、夜を過ごす支度が整ったので竿を出してみる事にした。
  小屋付近の本流は、最初に出会った日帰り釣行の人の為に放置し、最寄の支流を攻めてみよう。

 暫く歩いて着いたこの支流は、比較的規模が小さいので俺は入った事は無かったが、噂では魚影があるとされている。
  しかし小渓だけにブッシュがうるさく、仕掛けは提灯状態にしないと釣りになりそうにない。仕掛けを調節し、餌捕りを敢行する。

 餌は豊富なようで、あっという間に餌箱が満たされた。こんな小さな支流だが、もしかしたら魚影は濃いのかもしれない。早速鮮度の 良いオニチョロを針に刺して釣り始める。

 すると1投目で本日初HIT。7寸程のハイブリットだ。サイズはともかく幸先が良い。ハイブリットをリリースして次のポイントを 攻めると再び7寸ハイブリットが釣れた。
  その後も7寸程のハイブリットが連続HITし、リリースを繰り返しながら上っていく。確かに釣れる。それもかなり魚影が濃い。しかし サイズも均一で、7寸以上は出てこない。

 だいぶ釣り上ってきた頃、だんだん渓相が荒れてきた。水量はまだ釣りになる程度あるものの、土砂崩れの跡が目立ってきて遡行し難 くなってきた。

 そろそろ限界を感じ始めた頃、比較的広めのポイントが現れた。・・とは言ってもそれはこの支流の基準の話であって、実際は2m四 方程度の淵である。ここを釣って竿を仕舞おうと決めて仕掛けを振り込んだ。
  すると早速細かなアタリが出た。軽くアワせると意外と重い。ついに7寸超えか?

 ポイントが狭いせいか、割とすんなりランディングしたのは25cm程のハイブリットだ。本日の最長寸とその重量感に満足して、キ ープすることにした。

 竿を仕舞い、支流を川通しで下って本流出会いまで戻って来た時は既に15時だった。
  この時間なら、日帰り釣行の釣り人もそろそろ下り始める頃だろう。餌も残っていることだし、少しだけS河内本流を釣ってみようか。

良型アマゴGET

 もしかしたら既に攻められた後かもしれないが、先程の小渓とは比較にならない渓相の良さにつられて大淵へ仕掛けを放り込む。

 何回か仕掛けを流していると、ひったくるようなアタリが出て餌を取られてしまった。渓流釣りをやっていて餌を盗られるなんて事は 滅多にない事なので心が躍る。アタリの出方からアマゴである事は間違いないだろう。

 そして餌を付け直して数投後、同じアタリをアワせてHIT。

 良型を思わせる引きっぷりの末、引っこ抜いたのは8寸クラスのアマゴだ。先程までの支流での感覚が残っていたせいか、もっと大き な獲物かと思ったが・・本日初アマゴに満足。活けキープ確定だ。

 その後、7〜8寸のハイブリットも数匹釣れて、晩飯用に8寸を1匹キープに追加した。

 17時近くなって小屋に戻ると、幸い誰も来ていない様だ。早めに晩飯作りに取り掛かり、小屋の出入り口からまだ薄明るい外を見な がら晩飯を喰らう。そして岩魚を焼きながら持参した芋焼酎を呑み、20時半頃には早々に寝袋に収まった。

 

 4日の朝が来た。昨夜早く寝ただけに、二度寝する気にもならなかった。外は軽く降っている様で、時間の割りに薄暗い。
  昨夜は暑くて一枚脱ぎ捨てた覚えがあるが、さすがに朝は冷え込む。息が白く見える中で、焚き火を熾してコーヒーを飲む。

 そしてパムで軽い朝食を済ませた後、荷造りを整えて小屋を出た。先程まで降っていた雨は何時の間にか止んでいて、空は青空が広が っている。
  河原に降り立って荷物を置く。今日はこの周辺を軽く釣ってから下山という予定だが、この時間帯ならばまだ下流から釣り上ってくる釣り 人とは被らないだろう。

 昨日は満足に出来なかったS河内本流をゆっくり釣り始めた。丁度日が昇り始め、朝日を背に受けながら仕掛けを振り込む。
  透明度の高い川だけに、深淵の底まで綺麗に見渡せる環境が実に心地良い。

 釣り始めて間もなく、本日1匹目が釣れた。7寸強のハイブリットだ。美しい環境なので、ついつい必要以上に泳がせてその魚体を眺 めてしまったりした。魚にとってはいい迷惑だろうけど、ちょっとくらい我慢してくれ。ちゃんとリリースしてやるから。

 泳ぎ疲れてしまったハイブリットをリリースした後も7〜8寸のイワナとアマゴがコンスタントに釣れてくる。
  時の経過を忘れ、ゆっくり丹念に探りながら釣っていたら何時の間にか10時を過ぎていた。少々早いがそろそろ下り始めようか。

 今回はキープを持ち帰る事にしているのだが、実は携帯用の保冷剤を忘れてきてしまった。だからキープ用の網に魚を入れたまま下り 続け、渡渉や休憩の度に魚を水に浸けて、ギリギリまで活かしておく作戦を考えついた。

 しかし重荷を背負いながら生きた魚を気遣って歩くのは想像以上に難しかった。結局、1km程下ったところで魚の息が絶え絶えにな ってきて、鮮度保持の為にノジメを余儀なくされてしまった。

 釣果の下処理を済ませて再び歩き始め、車に着いた頃には14時半を回っていた。車に積んできた氷とクーラーボックスで、なんとか 獲物の劣化は止められたものの、いつもより疲れの溜まった帰路になってしまった。



釣果



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