2007年3月22日

I川で思った

(俺)



 今回も祝日を利用した日帰り釣行である。本来ならば数年ぶりに、初心者の頃にお土産キープ用に寄っていた沢に行くつもりだったの だが、前日夜から他の釣り人が車をつけていたので断念。あの沢の現在が気になるところだが・・次回にしよう。

 

 22日朝、誰も居ない車止めで目覚めて軽くパムを喰らい、支度を整える。
  空も晴れているし、気温も暖かい。ウェーダー装備での歩きは少々暑くなるくらいである。

 程なくして1年ぶりのI川に降り立った。渓相に変化は殆ど見られず、今シーズンも渓流魚が迎えてくれそうな雰囲気だ。早速タモを 使って川虫を捕り、竿を出してみる。

 細かなポイントから丁寧に探っていくと、暫く経ってから軽いアタリが出て本日初ヒット。10cm程度の白点が目立つハイブリット だった。小さなイワナだが、このI川で生まれたことを考えると貴重に思えてきた。

 今まで俺は日光イワナの血が混じったこのハイブリット達に偏見を持っていたが、最近では現在の大井川で生まれ育った天然イワナと いうイメージに変わってきた。大井川の生態系を狂わせたのは人間であり、勝手に移植されながらも何とか種を絶やさないように生きてき たイワナに罪はない・・と思ってやりたい。

 1発目を流れに戻して釣り上る。急勾配なのでポイントはハッキリしているが、全てのポイントで魚が出るほど魚影が濃いわけではな い。2~3箇所毎に1匹出る程度で、サイズも平均すれば6寸程度のハイブリットばかりだ。
  今日はキープする気はないが、このままのサイズが続くようでは物足りない。

 そのまま更に釣り上っていくと、今度は10cm程度のアマゴが釣れた。これもまた小さいが朱点の濃い綺麗なアマゴで、ちょっと気 分が満たされた感じになった。

 このI川はアマゴとイワナの混生だということは以前から知っていたが、一般的な知識としてアマゴよりイワナの方が上流に住み分け られるという概念は通用しないようだ。地元商店の常連客(?)の爺さんの話では、昔は岩魚なんてものは相当な上流まで行かないと居な いものだったらしく、現在のようにI川やその他の支流、この辺の本流域にはアマゴしかいなかったそうだ。

 暫く釣り上ってみたが、だんだん陽が高くなってきて魚影が薄く感じるようになってきた。これ以上は数も型も期待できそうにないの で竿を仕舞うことにした。

 なんだか大井川の生態系について考えてしまったが、混じってしまった血は戻らないので、現状の自然を認めて、これ以上の自然破壊 を進めないようにすることを考えたいと思うようになった。



ハイブリットこそ現在の天然?



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