2006年4月28日 |
約束の為に |
(俺) |
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今回も前回入り損ねたI沢にTRYすることにした。人気の沢とはいえ、GW前の平日であれば何とか一番乗りで行けるだろう。
前日、仕事を無理やり定時で切り上げた俺は真っ直ぐ大井川に向けて車を走らせた。
途中で野生の鹿が俺の車に体当たりしてきたりもしたが、21時頃には無事にI沢の車止めに一番乗りで到着することが出来た。明日 朝までに他の車が来なければ難無く俺が一番乗り達成だ。
28日の朝が来た。AM4:50に目覚めたが、幸い他の車は来ていない。よかった、これで今日は落ち着いて釣りが出来る。
天気も晴れているようだ。軽い朝食を済ませた俺はウェーダーとカッパを装備して悠々とI沢に向かった。
この川も去年は来ていないから2年ぶりとなるが、素晴らしい渓相は相変わらずで嬉しい限りだ。暫く遡行してからの餌取りも滞りな く済ませ、早速久々のI沢を釣る。
しかし渓相と天気は良いが、魚の反応がなかなか無い・・というか、気配が感じられない。
暫く釣り上って行くと、まだ雪を被った某山が見えてきた。山頂は白いが気温は特に寒く感じないので、渓流の春を感じた気がした。
陽が高くなってきた10時頃、ようやく本日初HIT。釣れてきたのはまだサビの残る7寸ハイブリットだ。久しぶりのI沢の魚との
再会に浸る間もなく、リリースして釣り上る。
今日こそは職場の上司に渓流魚を献上したい。その為には納得の出来るサイズを数匹キープして、迅速に下界に帰らなければならないのだ
。
しかしその1匹も単発に終わってしまい、反応が無いまま先を行く。
俺は割と辛抱強い方だと思っているが、さすがにこの状況には参ってきた。本当にキープサイズを数匹釣ることが出来るのだろうか?
・・というか、数匹って何匹だ?
上司の家族分・・いや、せめて夫婦分・・最低でも2匹・・って、既に4時間近く釣っているのにまだキープが無いんだぞ!?
・・このまま諦めて帰還して謝った方が早いか・・?
そんな考え事をしているうちに、ある淵で魚影が見えた。
本日初めて泳ぐ魚が見えたのだ。サイズは8寸程度で、岩魚らしい。よし、コイツを釣れば1匹目のキープに出来るだろう。
活きの良いオニチョロを針に付け直し、淵底付近で泳ぐ獲物に目掛けて流し込む。
・・が、何度も何度も餌を目の前に流しても、一向に食いつく素振りを見せてくれない。
時の経過を忘れて長らく粘ったものの、いい加減に諦めがついてしまった。俺が考え事をしながら釣り上って来た時に、既にこちらの
気配に気付いてしまったのだろう。
残念ではあるが、おかげでやる気も出てきた。
間もなく別の淵で2匹目の7寸ハイブリットを追加して、またもリリース。何とかして8寸以上の獲物を釣ってやる。
そして更に釣り上ると、右岸から比較的水量のある枝沢が出合ってきた。I沢本流からは少し落差があるものの、魚が遡上出来ないと
いう程ではない。
こういった細かなポイントは場荒れしていないのだろうか。
魚影の薄いI沢本流から枝沢に入って釣り上ると、早速アタリが出た。
竿を立てると、久々に重量感のある手応えを感じて興奮した。
狭い釣り場ながら慎重に泳がせ、獲物が疲れてきたところで無事にランディング。釣れたのは痩せてはいるが29.5cmの泣き尺ハ イブリットだ。
やっとキープサイズを釣ることが出来た。もう1匹・・せめてあと1匹は欲しい。
泣き尺をノジメして腰クーラーにぶち込み、細流化した枝沢からI沢本流へと釣り場を戻して釣り上る。
しかしその後は再び竿を曲げることなく昼を迎えて、無念のタイムアップ。キープ1匹という、なんとも中途半端な結果になってしま った。
結局散々考えた結果、たった1匹の釣果でも献上しようとしたが、上司と時間の都合が合わなくて今回も約束を果たせなかった。
うーん・・夏のボーナス、大丈夫かなぁ・・?