2006年4月8日 |
ついてないね |
(俺) |
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今回は職場の上司の為にイワナを釣ってくるという事になったので、俺達的にボウズ知らずのI川に行くことにした。
前日夜から車を走らせ、I川の車止に着いたのは25時過ぎだったのだが・・なんと既に他の車が停まっていて、事実上のアウト!
うーむ・・さすが人気河川。俺的に目的の川に一番乗りで着けなかったのも久しぶりである。
しかしどうしたことか、I川の車止めには4台もの車が停まっていて、とても全てが仲間内とは思えない。浜松ナンバーの車もある。
普通は一本の川を攻める際に先客がいれば諦めそうなものだが、ここで朝を待つ彼等は一体何を考えているのだろうか。
一番初めにここに車を停めて朝を待つ釣り人と、後から来て先客がいても構わずに車を並べる釣り人・・。
先に車をつけた釣り人にしてみれば、「先に車をつけた=翌日の一番乗りで入渓」と、考えそうなものである。しかし後から来て車を 並べた釣り人の考えは、「何番目に車をつけようが、要は朝、誰よりも早く起きて先に入渓してしまえばよい」って感じなのだろうか?
川の規模が大きな本流ならばどうとでも考えられるだろうが、このI川は数ある支流のうちの一つに過ぎない。同時に釣りをするのも 2〜3人までが限界だろう。
このような支流を一番乗りで釣るのなら、やはり車止にも一番乗りで着いておく必要があるだろう。自分が翌日にこの川に入るという ことの意思表示を、先に到着して待つことによって表すことが大事であり、優先されるべきだと思う。
そんな訳で本命のI川を諦めた俺は、深夜の川沿いを暫く物色する。上司に「間違いなく釣ってきます!」と豪語しちゃった手前、ど んな状況でも釣らなければならないのだ。
そして本流脇にようやく他の釣り人の居ない釣り場を見つけて車を停めることが出来た。
翌日。目が覚めると、空はどんよりしている。しかし幸い他に釣り人は来ていなかったので、軽く朝食を済ませてから本流に降り立っ た。
本命の釣り場は逃したものの、本流のこのポイントもまた渓相がよい。この付近もそれなりに釣れるという話は聞くので、期待も膨ら
む。
俺は基本的に本流釣りはあまりやらないので、実はここで竿を出すのは初めてなのだ。
早速餌獲りをしてみると、キンパクがワサワサと獲れる。数分で餌箱を満たして釣り始めた。
しかし渓相と期待に反して、釣り上ってもまるで魚信がない。雨も降り始め、腹も痛くなってきてしまった。
仕方がないので軽く野糞を済ませ、釣れる気配のない本流を諦めた。そして本流の脇から入ってきた細い支流を攻めてみた。
暫くの間は何の気配もなかったものの、雨が強くなった頃に目の前で魚のライズを目撃した。8寸以上ある白っぽい魚体だった。いる じゃないか。
ライズの起きたポイントに仕掛けを振り込むと、再び魚が水面に出た!
しかし魚は目印に襲い掛かり、針に刺したキンパクには目もくれないようだ。
何度も何度も仕掛けを流して粘ったものの、ついにその魚を針掛かりさせる事は出来なかった。
イカン、時間は既にAM10:00になろうとしている。上司に土産を持って帰るには13時までにキープを得て山を下らなければなら
ない。
今から釣り場を物色している時間もない。何としても昼までにキープサイズを出さなければ。
雨が降りしきる中、舗装もない山道を急いで車を走らせる。そして辿り着いたのは数年ぶりのH沢である。
以前はよく時間潰しに入ったお手軽な沢だが、最近はより奥地を攻めるようになったのと、工事を行っているということで敬遠していた沢
だ。
魚影はそれほど濃くはないものの、釣れれば8寸前後は出るイメージがある。
相変わらずの雨の中、カッパとウェーダーを装備してH沢を釣り始めた。
しかし今度は雷が鳴り始めた。だいぶ近いようだ。
俺は雷が苦手なわけではないが、魚が掛かった瞬間に落雷を喰らって魚と心中するのは嫌だ。
結局このH沢でも1匹も釣らぬまま車に引き上げることになってしまった。
いよいよマズイ時間帯となってきた。とにかくすぐに別の釣り場に行くしかない。ウェーダーを装備したまま車に乗り込んで走り始め る。
「!?」
走り出して間もなく、ハンドルが妙に左にとられるのを感じた。まさか・・。
雨の中で車外に出てみると、案の定左前輪がパンクしていた。
なんてこった、万事休す。
舗装道路までゆっくり車を移動させて、暴風雨の中でタイヤ交換をしながらタイムアップを迎えてしまった。
そして最寄の商店まで移動し、店の電話を借りて会社で待っている上司に電話した。
『お疲れ様です〜・・あの・・すみません、どうぞ帰っちゃってください・・。』