2004年6月4日〜6日 |
ナオキ初の単独2泊釣行 |
(ナオキ) |
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このレポートはナオキが作成したものです。単独釣行だった為、現場での写真がないのでご了承ください。
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今回も大井川の支流にいくつもりだが、アニキと休日が合わないため、初の単独2泊をすることにした。1人での泊り掛けを経験した かったし、これから梅雨入りすれば暫く泊りは無理そうなので、いい機会だと思った。
6月4日
AM4:30。ザックを背負い、ヘルメットを被って車を出発。直後の小さなガレ場から小石が降ってきている。暫く様子を見て降っ てこなくなったので渡りだすとまた降ってきたので走って通過したが、自分の方に跳ねて足に当たりそうになった。上を見るとカモシカが ・・。オマエかよ!
長い河原歩きが始まった。去年の台風で埋まった淵がまた掘れていて驚いた。何日も雨が降っていないのに随分水量が多くて渡渉がキ ツいところが何箇所もあった。
今日はまず目的の小屋まで行き、薪集めをしてから晩飯のオカズを釣る予定だ。時間に余裕があるから一服しまくりである。おかげで
なかなか進まない。景色を楽しみながら行くと渓相が険しくなってきた。
大きな高巻きはないものの、小さなミスで怪我をしそうなところがいくつもある。1人なので事故に注意して、たいした難所でもないのに
ザイルを使うようにして進む。余計にペースが落ちる。
いかにも魚が居そうな抜群の渓相の中を我慢しながら歩き、昼過ぎに目的の小屋に到着。中を覗くと結構使われているらしく一安心。
とりあえずバルサンをセットして薪拾いをする。
しかし一人だとなかなか薪が集まらず、じきに嫌になってついに竿を出す事に!
川虫は大漁ではないが、ボチボチいる。ワクワクしながら第1投するといきなりヒット!27cmの混じりイワナ。すぐに2匹目も釣
れた。これは29cm。なかなか型も良く、魚影も濃い感じだ。次のポイントもすぐにヒット。
「おっ!これはデカい!?」
引きを楽しみながらタモで掬うと、なんと32cm!いきなり尺を釣ってしまった。直後に再び32cmを釣り、その後も尺近いのが次々
と釣れる。うおー天国だあ!!
オカズ用に9寸程のイワナを2匹キープし、ほどほどで竿を納め、小屋に戻ってカマド作りをする。もう一度薪を拾い、早めの晩飯。
早すぎて飯を食べ終わったのにまだ薄明るい。一人だと話し相手もなく、焚き火に薪をくべながらインスタントコーヒーを飲んでタ
バコを吸う以外、何もすることがない。
22時頃熟睡。zzz..
6月5日
AM4:30頃目が覚める。しかしまだ眠いので普段出来ない二度寝をして5時過ぎから動き始める。
6月だってのに朝はかなり寒い。焚き火をしながら軽く朝飯を食う。なかなか焚き火から離れられず、7時近くになってから釣りに出 る。
今日は昼飯とザイル、予備竿だけの軽装備で足取りが軽い。最初の滝場を越えてから釣り始めようと思っていたが、あまりの渓相の良
さについつい竿を出してしまう。やはり入れ食い状態!
魚に針を飲まれたり、仕掛けを木に引っ掛けて切ったりで全然先に進めない。
今回は滝の上を釣りたくてこの沢に来たので、「滝の上は楽園のハズ。」と自分に言い聞かせて先へ進む。
滝は意外とすんなり登れたのだが、降りるのは大変そうなので帰り用のザイルをかけておいた。この先は穏やかなハズなので、ここ以 外ザイルは必要ないだろう。
いよいよメインの釣り場へ!思った通りの楽園状態!入れ食いは今まで何度も経験しているが、こんなにサイズが良いのは初めてだ。
平均サイズは9寸を超えているんではないだろうか?8寸以下なんて殆ど釣れてこない。小さなポイントや浅いところからも尺が釣れてく
る。だんだん感覚が麻痺してきて、小さなポイントを通過してしまったり、尺くらいの魚をサイズも計らずにリリースしてしまったり。
夢中になっていると腹もすかない。しかし食料を消費しないと帰りの荷物になるので、渓相の良いところで昼飯の準備。
お湯を沸かしていると、浅いところで魚のライズが目に入った。昼飯を食った後も天国が続く。途中少し魚のサイズが落ちてきた。と言っても8寸くらい。時々尺くらいのも釣れてくるが、もう全然 サイズなんか計ってない。
ある淵尻の浅いところでいつものようにヒット。一瞬魚体が見えたが、落ち込みに向かって走り出す。デ、デカイぞ!全然手前に寄っ
てこない。しばらく引っ張りあいをしていたら“プチ!”
「あ゛っ・・。」
心臓が暫く止まった気がした。ラインはいつもより太くしてあって、切れる訳がないとおもっていたのに。木に引っ掛けた時、強引に引っ
張って外したりしていたから、ラインが傷ついていた可能性が高い。黒鯛釣りで何を学んだんだろう。
「次の一投で大物がきたら・・。」って心を忘れていたことを反省する。皆さん、ラインのチェックは大事ですよー!
結局この日計った魚の中で最大は尺一寸。しかしラインを切った奴は引きからしてそれよりはるかにデカかったはず。心が痛む。
小屋に戻って再びバルサンをかけ、晩飯を食って今日も早めの就寝。しかし昼の興奮から覚めないのか、なかなか寝付けない。
やっと眠りについた頃、ほっぺたの上に何かが“ボテッ”と落ちてきて飛び起きた。ヘッドランプをつけてみるとデカいクモが丸くな
っている。バルサン効果で今頃力尽きたみたいだ。
あと10cmずれていたら口の中に入っていたと思うと、ゾッとして眠気が吹っ飛んでしまった。
6月6日
昨晩のクモのせいで睡眠不足。今日も二度寝してしまい、予定より1時間寝坊。
今日は帰るだけだから急ぐことはないと思い余裕こいていると、外で雨が降っているのに気がついた。「増水」の二文字が頭をよぎる。 雨は小降りだが、山の上の方はどうなっているのかわからない。慌てて荷をまとめ、急いで小屋から下り始める。
雨は霧のようになったり、、時々強くなったりしている。降り始めから1時間くらいで水が増えたことを経験しているので、数え切れ ないくらいの渡渉を考えると気が気じゃない。
休憩せず急ぎ足で、1時間の寝坊を後悔しながら下る。
水は少し濁ったかな?ってくらいで、最後の渡渉を終えて一安心。
短いが落ち葉の上を歩くと、シューズに無数のヒルが尺取虫のようにみんな上に向かって登ってきている。うおお!このやろー!
ターボライターで次々と落とすが、止まっているとキリがなく群がってくる。
逃げるように車に到着。ヒルをチェックして乗り込みゆっくり一服しながら旅の無事と大漁を喜び沢を後にした。