2002年9月27日
〜29日

のんびりパック

(俺・ナオキ)



 前日夜、ナオキと家を出た。今回は過去の経験を元に、寝袋を装備して2泊3日の小屋泊まり釣行だ。

 

 車を走らせること2時間半、本流沿いの林道の脇に車を停めてからビールを飲んで睡眠。

序盤の釣り

 27日。AM4:30に起きた。幸い他に車は来ていないので、ゆっくり朝食を喰らって5:30に車を出発。

 本流を渡渉してK川に入る。

 川沿いに上っていくと間もなく釣り場に差し掛かり、いつも通りエサ捕りから始める。

 雨の後のせいかオニチョロに混じってミミズも捕れたので、こいつ等もエサ箱にぶち込んだ。

 曇り勝ちな天気の中釣り上っていくが、なかなか釣れない。

 出てくるのは20cm位までのイワナとアマゴでイマイチサイズが出ないのだ。

 それでもゆっくり釣り上るが、4時間程経ったところで山小屋を目指して歩きに専念する。

 車を出て約5時間で山小屋に到着した。
  初めて訪れたこの山小屋は18畳程の立派なもので、今まで見た山小屋の中でも間違いなく一番キレイで快適そうだ。

 今日は他に誰も居ないが、小屋の隅にある小部屋には布団やらマットがある。マットをありがたく借りておく。

 小屋を物色し終わり荷物を置いて釣りに出るが、雨が降り始めてビデオ撮影は中断された。

岩魚を焼く

 しかし、それでも釣り続けて8寸級のハイブリット岩魚を3匹キープする事が出来た。

 17時を回ってから小屋に戻り、夕食の支度だ。火を熾してやかんとハンゴウ、魚をセットする。

 雨は相変わらず降っているものの、木炭を持ってきている為薪は足りそうだ。それに9月ということもあって寒くはない。

 暫く経って晩飯ができた。米の炊き方が身に付いてきたのか、炊飯ジャーよりも出来の良い飯になった。

(俺):「どうだ・・?」
(ナ):「・・・。・・うまい!成功だ!」

 魚も中火くらいでじっくり焼いて、いい仕上がり具合だ。

 今回のお供は焼酎だ。ちょっといいヤツ。焼きたての岩魚での晩酌は最高だな。

 雨が屋根を叩く音しか聞こえない中、寝袋に潜り込む。入り心地がすこぶる良い。今回こそは安らかに眠れる・・。

  

 しかし・・。

 

 意識が遠のく中、雨の音より近くで何かが聞こえてきた。

 テンッ・・カサカサ・・テンッ・・カサカサカサ・・

(?何だろ?)

 そして次の瞬間、俺の顔の上に何かが飛び乗った!ビックリして飛び起きてライトで照らすと、そこには4 cm程のカマドウマが居た。

 「マジかよ〜・・。」

 ・・と、周りを照らすとなんといたるところに奴らが見える。特別嫌いではないものの、寝ている時に顔面に張り付かれるのは気分が 悪い。

 ナオキと共闘して、見える範囲の彼等を棒で弾き飛ばす。そして持参した頭部用の防虫ネットを被って眠りについた。

 

 28日。AM5:00に起きた。よく眠れたが、雨は止んでいない。昨夜から続く雨だから川の様子が心配だ。

会心のアマゴ

 朝食もそこそこにして俺は近くの水場へ朝マヅメを釣りに行く。

 川を見ると増水はしていないものの、見事に濁っている。とりあえず竿を出してみよう。

 滝の落ち込みから仕掛けを流してみると、目印が止まった。軽くアワセるとなかなかの引きだ。

 朝の1投目からのアタリに心をときめかせて引っこ抜いた。8寸程のアマゴで体高が高いというよりも背っぱり気味で黒ずんだオスだ。
  とりあえずクーラーに水を張って活けキープにした。

 そして今度はナオキが雨の濁流へと向かったが、キープサイズは2つ、両方ともハイブリット岩魚だった。

 その後も雨は止まず、小屋で薪を割りながら待機する。雨のせいか今日もまだ他の人間は来ない。

 昼が近くなってきた。今日は時間にゆとりがあるから昼飯に2匹焼いた。

 暫く経って雨が小降りになってきた。この隙に急いで下の方を釣りに行く。

 遡上止めの滝まで戻り、小雨の中4時間程釣り上って小屋に戻る。

良型イワナGET

 ナオキの良型8寸ヤマトイワナとハイブリットを2匹キープした。

 小屋に戻っても人が来た形跡はない。とりあえず小屋の近くでも夕マヅメを釣って、昨日と同じメニューで晩飯だ。
  やはり魚は炭火焼きで食すのが一番だ。

 降ったり止んだりの雨の中、防虫ネットを被って寝袋に入った。

 

 29日の朝が来た。いつの間にか雨は止み、晴れ間が見える。

 コーヒーを飲み、カロリーメイトで朝食を済ませた。

 ナオキは25歳の誕生日を素敵な場所で迎えて複雑な表情をしている。今日は午前中に山を下るだけだ。

 帰りの身支度をしている時、クーラーで活かしておいたはずのアマゴが逃げていたことが発覚。かわりにアケビを採って帰路に就いた。

   



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