2014年1月25日

鰯はお預け

(俺)



 近頃御前崎港では鰯が釣れているとの情報を受け、久しぶりの遠征とする事になった。

 今回の決意の元となった理由として、今日は朝から西風が強くてカヤック日和ではない事と、現地で釣れているという鰯がマイ ワシだという事が挙げられる。

 近年焼津で釣れるのはウルメやカタクチばかりで、マイワシは随分長い間釣っていないので俺的に貴重なのだ。

 もし釣れればHP初登場の魚種になるし、鮮度保持に気を配って持ち帰れば小魚とはいえ間違いなく美味しく味わえるのだ。こ れはもう行くしかない。

久々の遠征

 そんな訳でAM8時過ぎに御前崎へ到達し、比較的栄えている某釣り具屋へ立ち寄った。

 アミエビを購入し、この広大な御前崎港のどの辺で釣れているのか、情報も仕入れておく。
  どうやらその釣具店から比較的近いエリアの外洋向きが良いようだ。

 とりあえず噂の釣り場へと移動し、まずは様子を見てみる。

 するとコンテナターミナルの両脇のエリアはかなりの盛況で、皆頻繁に竿を曲げていた。

 よく観察してみると、殆どの釣り人は投げサビキ若しくはジギングに勤しんでおり、コマセ籠やウキを付けた仕掛けは殆ど見当 たらない。

 そして皆が頻繁に釣り上げているのは30Cm程の銀白色の魚のようで、随分長い時間で広範囲で入れ食いになっている。
  獲物の正体はどうやらコノシロのようだ。

 よく釣れているが誰の様子を見てもコノシロは針を食っておらず、ほぼ確実にスレ掛かりで釣れていた。これは相当魚影が濃いな。

 しかし俺の目的はコノシロではなくマイワシなので、鰯狙いらしき仕掛けの釣り人を捜索して話を聞いてみる。

 皆が一心不乱に遠投してはコノシロを釣りまくっている中、大人しく近場で小物狙いに徹している人はあまりに少なかった。

 しかも話を聞くと、今日はまだ群れが回ってきていないようでまだ一匹も釣れていないそうだ。もしかすると午後じゃないと釣れ ないかもしれないとも言っていた。

 なにやら鰯の期待値は低そうだが仕方が無い、とりあえず開始してみるか。

 巨大な風車の麓の岸壁に釣座を構え、磯竿にトリック仕掛けを組んで準備は素早く整った。あとはアミエビの解凍を待つだけであ る。

周囲は祭りだった

 俺が支度を整えている間にも後から釣り人は増加し、徐々に釣り場は混雑してきた。

 アミエビのブロックに海水を頻繁に掛けて解凍を急ぎ、端の方の溶けた部分からトリック仕掛けに丁寧に餌付けして釣りを開始し た。

 今日はウキを使わずに竿下で群れが回ってくるのを待つスタイルでTRYしてみる。

 そして間もなく、軽い手応えで竿先を曲げたのは小型のヒイラギであった。速攻で海へ送り返す。

 更にはサッパかコハダのような小魚も掛かったが、キープする価値のある獲物は釣れないまま時間が流れていく。

 少し沖の方では凄い数の海鳥たちが集まっていて、何かを期待させる雰囲気は伝わってくるものの、それらが陸に寄ってくる事も 無さそうだ。

 そんな中、釣り方を試行錯誤していた際に根掛かりが相次ぎ、トリック仕掛けを失ってしまった。

 イカン、今回は仕掛けのロストなど計算していなかったので持っていたトリック仕掛けは現品限りだ。まだまだ解凍しきれていな いアミエビのブロックを横目に考える。

 これだけ混雑してきた釣り場で釣座を留守にして仕掛けを買いに行くのは現実的ではない。

 しかし道具箱の中にある使えそうな仕掛けは・・カマスや大物用に使うゴツいサビキ仕掛けだけである。

 ・・暫し考えた結果、小物狙いは諦めて周囲で爆釣し続けているコノシロを土産に釣っておこうという事になった。

 ゴツいサビキを半分に切って、遠投仕様に調節して釣り始めてみる。

 すると間も無く竿先に大きな抵抗が掛かってHITしたようだ。

 使い慣れない胴調子の磯竿で道糸も太くはないので、竿を大きく曲げて弾力をフル活用してやり取りをする。

 30Cm程度のコノシロ相手とはいえ、これだけ引き応えを楽しめれば儲けものだな。

 無事に釣り上げたコノシロは案の定スレ掛かりではあったが、思いの外身が厚くて食べ応えがありそうだ。

 更にその後も連釣し、26〜30Cmを3匹キープしたところで早めの退却とした。

 マイワシが幻となってしまって残念だが、次の機会があったら予備の仕掛けを充実させてリベンジしたいと思う。

 

釣果




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