2012年1月7日

2012初釣り

(俺)



初釣りの舞台

 年が明けた静岡県中部では連日穏やかな天候が続き、俺は正月休み後初めての週末も同様の快晴を期待して今年の 初釣りへ行ってみる事にした。
  ここ最近は根魚ばかり相手にしていたので、今年は少し趣向を変えた釣りをしてみたい。

 そんな訳で土曜日のAM9:30頃、磯竿とアミエビを持って向かった先は大井川港の北堤から少し焼津寄りの某 堤防(?)。

 ここは昨年投げ釣りに来た場所でもあるのだが、今回は俺自身未だに釣った事のない獲物に数年ぶりのTRYとな る釣行だ。

 予想通りの快晴と微風程度というありがたい環境の中、まずは先客の釣りの様子を見てみる。

 すると4~5人の地元のオッサン達がカゴ釣りのような仕掛けを操って、次々に細長い魚を釣り上げていた。
  よし、今回こそ当たりのようだな。

 俺は急いで支度を整えて常連らしきオッサンの隣に入らせてもらい、磯竿に市販の仕掛けをそのままセット。

 コマセのアミエビを強引に融かしながら、常連さんの付け餌を少し頂いて針に刺し、僅かに融け始めたアミエビを 仕掛けのカゴに入れて釣り始めた。

 表層を狙うこの釣りは遠投用の玉ウキの下にカゴと、更にアタリを取る為の小型の玉ウキがあって、他の釣りでは あまり見かけない仕様だ。

 常連さんのアドバイスに耳を傾けながら、自分の仕掛けのウキに集中している間にも、他の常連達がぽつりぽつり と銀色に輝く魚を釣り上げている。

今年は外道スタート

 群れが居なくなってしまう前になんとか1匹釣ってみたい。
  焦りながらもなかなかアタリが出ない状況がどうにももどかしい。

 そして釣り始めて20分近く経った頃、ついに俺の玉ウキが消し込んだ。

 ハリスは0.6号という渓流釣り並みのものなので細心の注意を払ってやり取りを始めると、思いの外強烈な引き 応えだ。

 ・・しかし何か違和感を感じる。

 目的の獲物のサイズや体形からはあまりに釣り合わない引き応えだ。そして・・。

常連:「あー、ボラだねー。」

 なんと、やはり獲物は外道だったのだ。
  足場が高いので仕掛けをを引き寄せている間に、尺程度の魚雷の様な魚が暴れ回っているのが見えた。

 なんとか釣り上げてみると、丁度30cm程のボラだった。うぁあ、俺の今年初モノがボラに化けてしまった。

 しかしめげずに次の仕掛けを投入して間もなく、再びウキに変化が出た。今度のアタリは消し込まずにピョコピョ コと左右に動いている。

常連:「おー、今度こそ来たぞ!」

生涯初サヨリGET

 俺の仕掛けにも気を配ってくれていた常連さんが、声を上げた。

 先程のボラとは比較にならないような軽い引き応えだが、細い仕掛けだから無理は出来ない。ついにこの時が来た か。
  俺は興奮を抑えながら必要以上かと思う程、慎重に仕掛けを巻き上げていく。

 そして足元まで寄せてみると本命の姿を確認し、無事に堤防上へ抜き上げた。

 よし、ようやく今回の本命である俺的に生涯初サヨリGETだ。

 記念すべき獲物はサイズこそ25cm程度だったが、平均的なサイズとの事。初めて手にした生きたサヨリに感動 し、暫し観察したり撮影したりと感傷に浸る。

 よくよく見ると図鑑で覚えた知識通りに下顎の先端は赤く染まり、尾鰭はサンマやトビウオのように下の方が長い。
  しかし実際に触ってみると側面の鱗は剥がれ易く、引き締まった魚体は硬い感じもした。

 とりあえず刺身で喰いたいので氷で冷えたクーラーへぶち込んで、釣りを再開する。

 なかなか融けないアミエビを強引に削り取って使いながらも、その後もぽつりぽつりとアタリが出ては22~30c m程度までの本命が釣れてくる。

 しかしウキに出るアタり方に慣れていないせいか、バラシも多い。まぁこれは俺だけに限らず常連達も結構バラして いたが、とにかく回収率が低いのだ。

 それに普段の根魚狙いとは違って、極小の針にアミエビを刺す作業にも手間取るので、一度仕掛けを巻き上げた後の リロードも時間が掛かって効率が悪い。

初めて手にした感動

 これについては自動ハリス止めという小道具を使って1匹釣る毎にハリスごと換えていくという方法もあるらしいの だが、今回は市販の仕掛けなので普段通りに釣っている。

 それにしても今日は釣り始めから・・否、俺が竿を出す前からここまで2時間近くの間、コンスタントにサヨリが釣 れ続けているところを見ると、今日は慢性的なジアイになっているのだろうか。

 回収率が低いので時間の経過の割にはなかなかキープが貯まらないが、昼を過ぎても魚信に陰りは見えない。

 しかし13:30頃まで粘っているとさすがに常連達も竿を仕舞い始め、後から来てここまで粘っている釣り人達 もアタリが減ってきたようだ。

 徐々にアタリが遠のいてくる現状に、諦めの空気が漂ってくる。

 そんな中、暫くぶりのアタリを捕えた俺の竿は今日一番かと錯覚する程の引き応えを演出し、慎重に寄せて釣り上げ たのは37cmの大型だ。

 おお~、コイツは充分立派なサイズと言えよう。よしよし、食べ応えがありそうだ。

 その後も少し粘ったものの、追加の釣果は得られないまま潮時を感じたので終了。

 結局今回は3時間余りの釣りで、22~37cmのサヨリを7匹しかキープ出来なかったが、初モノを得られたとい う事で満足だ。

 数年前にも初釣りでサヨリにTRYしてボウズだった事を思い返せば、今回は事前に得た情報の鮮度と、実際に現地 をリサーチした事が実を結んだのだと思う。
  いろいろ情報を教えてくれた常連さんにも感謝だ。



満足の初釣り



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