2011年11月19日

暴風雨パラダイス

(俺・タイソン)



 先日の大井川港釣行でタイソンと作戦を練ってから一週間が経ち、ようやく2人での伊豆遠征という目標に漕ぎ着いた。
  以前からイベント釣行等で伊豆方面での釣行を重ねながらも、なかなか都合を合わせ難い彼とも一緒に釣りたいと思いながら何年掛か った事だろうか。

 今回は先日のイベント釣行での様子に触発されたという事もあって、その時と同じ西伊豆の某港へ2人で向かった。

 金曜の19時頃にタイソンのお迎えに甘えて自宅を出発し、少々寄り道しながら目的地の港に到着したのは23:40頃だった。
  残念ながら天気予報では翌朝早くから雨・風が出始めて徐々に強くなってくるという予報ではあったものの、港に着いた時点では曇り 空&無風という穏やかな環境だ。

疑似餌マスター!

 とりあえず雨が降り始める前に釣り始めて釣果を出してしまおうという事で、軽く港内を物色した後急いで釣り場へと移動する。

 そして真夜中の岩場のトラバースも無事に通過して、ようやく今回の釣り場へと降り立ったのは日付が変わった後だった。
  今回の場所は厳密に言うと前回来た時の岩場よりも少々岸寄りのポイントで、俺的にも初めて竿を出す所なので根掛かり等が心配と言 えば心配だ・・。

 しかし悪天候が予報されているものの、現状の環境の良さと予報が良い方向に外れてほしいという願望によって、ポジティブなテ ンションでそれぞれの釣りを開始する。

 今回も俺はカゴ釣りでイサキや底物を狙い、このエリア初上陸のタイソンはワームやジグ等の疑似餌によるタチウオ狙いから開始。

 素早く仕掛けを作って探り始めたタイソンに遅れて俺も仕掛けを放り込み、ウキに付けたケミホタルの明りを凝視する。

 すると程なくしてタイソンの疑似餌に本日初HITが来たようだ。
  本命のタチウオとは違う引き応えだと言うので、ムツかもしれないな〜と思っていると、無事に釣りあげられたのは案の定22cm程の ムツだった。

 前回釣ったムツが美味しかったのでタイソンにムツのキープを促し、更にその後にも同様の魚を1匹追加。

 俺の方はというと、前回のポイントよりも微かに浅いようだが釣りとしては成立するのでキンギョを釣っては放ってタイソンの釣 果に期待していた。

 しかしようやく俺もムツを1匹釣り上げたところで、予想以上に早い雨がポツポツと降り始めてしまった。

フエフキダイ幼魚

 まだ2:40頃ではあったものの最初は降ったり止んだりの雨が段々とピッチを上げ、そのうち向かい風まで吹き始めた。

 テンションが急降下する中、本命を諦めたタイソンが疑似餌からぶっ込み釣りに移行。俺も根掛かりで仕掛けをロストしたのを機 に、本命不発のままぶっ込み釣りに転職してみた。

 2人共仕掛けを投げ込んで間もなく、頻繁に何かのアタリを感じ取るもののなかなか針掛かりまで持ち込めない。俺は吹き込む雨 で眼鏡が濡れてしまい、かなりストレスの貯まる状況になってしまった。

 そしてそれから何匹かキンギョを釣り上げた頃、ようやく違う魚をHITさせたのはタイソンだった。

 すんなり釣りあげられたのは23cm程のフエフキダイの幼魚だった。しかし喜んだものの、ますます雨風が強くなってきてしま った。

 某天気予報の予測よりも早い段階で天気が崩れ始めたようだ。日の出までまだ時間があるが、なかなか釣れない状況で酷くなって くる天候の中を耐え続けるのは如何なものか・・。

 結局AM4:30頃、強い風雨の中で撤退。カッパを纏っていたものの下着まで浸水してしまって戦意も喪失し、ゆっくりと帰る 方向で車を走らせた。

 

 仮眠や休憩等を絡めて海岸沿いの道路を移動しながら、明るくなった釣り場の物色をしていくと徐々に釣りの意欲が復活してきた。

 そして昼頃、相変わらず雨風が強く吹きつける中でなかなか良さ気な釣り場を発見して再び竿を出してみる事になった。

木負堤防のカワハギ

 岸壁に駐車して濡れたカッパに再び袖を通し、この辺りでは比較的長いと思われる堤防へ歩を進める。

 俺達的に初上陸となったこの堤防は木負堤防という所で、この過酷な風雨の中でも3組の釣り人が竿を出していた。

 とりあえず滅多に来られない地域なので気合を入れ直してカワハギを狙うべく、堤防先端まで歩いて釣座を構える。

 すると釣り始めて早々にキンギョやベラ等の外道に弄ばれてしまい、なかなか本命の反応を感じ取れない。やはり普段から攻めら れていてスレているのだろうか。

 相変わらず休まらない風雨の中でなんとかカワハギの反応を得るべく、釣り方を試行錯誤しているとようやく俺の竿にそれらしい アタリが出た。
  外道のそれとは重さが違う。

 そして上手く針掛かりさせて釣り上げてみると、18cm程で白っぽい体色の本命が現れた。

 よしよし、なんとかカワハギGETだ・・が、イマイチ小さい。本来ならば25cmクラスがパカパカ釣れる予定で家を出てきた だけになんとも物足りない。

木負堤防のカサゴ タイソンも外道達に悪戦苦闘しながらカワハギを狙うが、なかなか難しいようだ。

 そのうち一段と雨風が強まり、近くで釣っていた1組も撤退。俺達の周りは完全に人気が無くなったが、靴も服も冷たく浸水して 視界も悪いので快適さは無い。

 これは風邪を引くかもしれないなぁ・・と、思いながらも更に強引に釣り続けていると、小型の石鯛が連釣するようになってきた。

 仕掛けを投入する度に手の平サイズの石鯛がアタるようになり、外道ばかりを相手にしていた俺達にはなかなか楽しい引き応えだ。

 群れが回ってきたのだろうか?この連釣は暫く続き、暴風雨で押し倒されそうな精神を支えてくれる。

 どうにかギリギリの精神で釣り続け、23cm程のカサゴや小型のトラギス等で外道の幅も広げた。

 しかしその後、徐々にアタリが遠のいてきて、タイソンがようやく18cm程のカワハギを釣った頃に撤収する方向となった。

 

 天候さえ穏やかであればどこを見てもパラダイスに感じる伊豆半島だが、今回は残念な内容になってしまった。
  しかしこんな状況でも幾つかの釣り場も物色して竿を出し、また探りに来てみたいと言ってもらえたのがせめてもの救いか。

 いつになるかは全く不明だが、再びタイソンが時間を捻出出来る日を待ってリベンジしたいと思う。



暴風雨



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