2007年10月7日 | 牛丼杯第52回戦 |
(俺・マッサ−) |
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今回は新規開拓も兼ねた牛丼杯ということで、俺達は御前崎港へ来た。以前も来た事はあったが、広大な御前崎港にはまだまだ未知な
る好釣り場が秘められているはずだ。
AM6:40頃、俺達は御前崎港の一角にある堤防に到着して、釣りの準備に取り掛かった。初めて来たこの堤防は外側にテトラ帯があり、
内側は何も無い。俺的に好きなパターンの釣り場だ。
空は快晴のようだが、台風の影響か港の外はやや荒れているようだ。遠くに見える堤防は波が被っている。
とりあえず俺はサビキ釣り&泳がせ釣りのコンボをメインにして釣る予定だが、根魚用の竿も予備で持ってきた。マッサーはダンゴ釣り一
本の予定である。
堤防先端に陣取った俺は、隣で支度に手間取るマッサーを尻目にサビキ仕掛けを投入。水深は7m程で、前回のような失態は免れそう だが、潮の流れが少々速いのが気になった。
しかしあまりメジャーなポイントではないせいか、暫くアミエビを撒いても殆ど魚の反応が無い。潮が速くて、しかも潮の流れる方向 もしょっちゅう変わる為、アミエビが一定方向に流れていかないのだ。
そんな状況の中、第1投目から20分程経った頃にようやく15cm程のベラが釣れたが、泳がせ釣りの餌としては期待出来ないので リリースした。
泳がせ釣りの餌としては、やはり豆鯵が欲しいところだ。しかし初めての釣り場で情報も殆ど無いまま来たので、予定通りに釣りがで きるのか不安だ。
そしてマッサーもようやくダンゴ釣りを開始した頃、不毛だった俺のサビキ竿に鯵がHIT。単発で終わってしまったが、やっと泳が せ釣りが始められる状況になった。
しかし、GETした豆鯵をバケツに放り込んだ時、マッサーの竿が早くも弧を描いていた。
俺は一瞬目を疑ったが、竿の曲がり具合からしてそこそこのサイズの獲物が掛かっているようだ。
マッサー的に開始早々のやり取りの末、水面に浮かせたのは規定サイズあるかな?位の黒鯛だった。
うわっ、なんて事だ!いきなり本命GETとは。早くも俺のステーキCUP無敗勝利に暗雲が漂ってきた。
とりあえずは測定は後回しにして獲物をスカリにぶち込むマッサー。測定していないだけに規定サイズの30cmに達していたのか否 か、気になって仕方が無い。
しかしその事ばかりに意識を持っていかれては、俺のテンションに大きな支障が出てしまう。
無心だ・・気持ちをゼロにして自分の釣りに集中しよう。
色々と考えるところはあったが俺は気持ちを切り替える為、マッサーの隣で泳がせ釣りをやるのはやめて敢えて予備として持ってきた 根魚用ロッドを出した。
この釣り方は最近良い釣果を出していなかったが、俺的にここ数年間続けてきた思い入れの深い釣法だ。この釣り場にも適しているし
、移動しながら集中する釣り方なので雑念を振り払える。
ただ、予備として持参したので餌のオキアミの量も少々心許無い。
俺はダンゴ釣りに勤しむマッサーから離れ、根魚用ロッドを手にテトラ帯へ向かった。
そういえば今年の海釣り自主解禁からはこの釣り方の出番が少ない。今までの勝率を考えると、正直効率が良くない気がして控えてき ているのだ。今回の勝負で活躍出来るだろうか・・。
割と長い距離を歩き、テトラ帯と堤防の際を覗きながら適度な穴から探り始めた。
しかし暫く探り歩いても魚信は少なく、ここでもベラとフグを釣ってしまった。まだまだ外道達の活性が強いということだが、それに しても本命であるカサゴやメバルはまだ出てこない。
そして更に歩を進めて堤防が屈曲する大きなポイントに差し掛かった頃、ようやく良型を思わせる獲物がHITした。
明らかにカサゴとは違うスタミナとキレのある引き具合から、良型メバルを連想して釣り上げる前から顔が緩んでしまったが、実際に釣り
上げてみたら28cmの黒鯛だった。
テトラの穴から黒鯛を釣ったのは初めてだったので驚いたが、同時にコイツがメバルだったら規定サイズクリアの得点になったと思う とやるせない。
針を外そうとしたが飲まれていたので、手間取っている間に獲物は瀕死になってしまった。仕方が無いのでスカリに入れて海へ放り込 んだ。
そして次に隣の穴を攻めた時、2回連続で微妙なアタリを捉えきれずに餌を取られる事態となった。
なにやら神経質な良型の気配がする。
三度目の正直とばかりに3回目のアタリは慎重に食い込ませてからアワセを喰らわすと、一気にラインを引き出す強烈なHIT。
狭いテトラの穴に続く道糸が水面で右往左往して、俺は根ズレによるラインブレイクを激しく心配しながらのやり取りを強いられた。
かなり鋭くて強烈な突っ込みをギリギリでいなしながら、せめて水面までの道糸だけでもテトラや付着しているカキ等で擦らないように操
作する。
コイツがメバルだったらとんでもないサイズの筈・・!
しかし薄氷を踏む思いでようやく水面に浮かべた獲物は、なんと再び黒鯛だった。メバルじゃあなかった事に落胆しつつも、明らかに 得点になるサイズの獲物に喜びが込み上げてきた。
が、喜ぶ前に取り込めない。水面までの高さは2m程度だが、テトラの穴は狭くて外海のうねりの影響で水面の動きも激しい。とても 引っこ抜いたり、水面際まで降りて手で捕らえるような真似は出来ない・・。
仕方が無いので獲物を水面に浮かせたまま片手で携帯電話を取り出して、数百m先にいるマッサーにランディングのお願いを申請した 。
重い獲物を片手で水面に保ちながらマッサーの到着を待つ時間はすごく長く感じたが、なんとかランディングまで持ち堪える事が出来
た。
ようやく堤防に引き上げられた獲物を見て、改めて喜ぶ事が出来た。サイズは40cmを超えているだろう。遠路はるばる他人のランディ
ングに駆り出されたマッサーもただただ感心していた。
マッサーに感謝しつつも測定はせずにスカリに放り込む。これでお互いキープを得た事がわかったものの、サイズまでは計っていない
ので得点の差はわからないままだ。
釣座まで戻っていくマッサーの後姿からは奴の本当の心理を量り取る事が出来なかったが、とりあえずは勝負が成り立った事に安心した。
とりあえずは一安心出来る状況にはなったが、何時の間にか餌の残量が残り僅かになっていた。そろそろ本命をによる追加点が欲しい ところだ。
しかしその後も探り続けた結果、キープを得る前に餌切れになってしまった。根魚は18cm程度のカサゴを2匹釣っただけだった。
堤防先端に戻りながらマッサーを探すと、なんとマッサーは釣座の後で昼寝をしているようだ。むぅ・・これは一体どういう事か?
マッサーに近付きながら、とりあえず奴のスカリを確認してみる。すると、スカリには朝方釣った獲物しか入っていなかったが、近く にさり気なくストリンガーが降ろされていて、40cm近い黒鯛が1匹つながれているではないか。
むぅう・・やはり追加点を得ていたか。奴なりのこの復調・・どうやら本調子に戻ってきたようだな。しかし既に昼寝ということは、 潮が悪くなっての事なのか、それとも俺の40オーバーの鯛を見たうえでの勝利の確信なのか・・?
今日の終了予定時刻は12:30に設定してある。残り時間も約1時間で、今から新たに竿を出すには微妙な時間だ・・。お互いに測
定していないので獲得ポイントは曖昧だが、目測では俺の釣果が若干上回っている気がする。
俺は自分の勝利を信じて、時間まで寝て過ごすことにした。
そして終了時刻を迎え、こんな所でも寝坊したマッサーを叩き起こす。ちょっとしたハプニングもあったが、各自の釣果を晒して運命 の測定に掛かった。
その結果、俺のキープの黒鯛は28cmと41cmで、大きい方がポイント対象として規定クリア。マッサーのキープも黒鯛2匹で、
33cmと37cmだった。
俺達的な規定により、俺の41cmがマッサーの2匹の合計ポイントを僅かに上回る結果となった。
今回も俺が勝利し、一食頂く権利を得た。そして第5回ステーキCUPとしても俺の2連勝という事で無敗ロードも順調に滑り出した
。
ふははっ!根魚狙いの俺が、ダンゴ釣りのマッサーから鯛で勝ってやったぜ。
・・根魚の規定サイズは無いけどね・・。