2007年8月14日

自主解禁

(俺・ナオキ)



 海釣りから長らく遠ざかっていたが、ようやく俺的に自主解禁することが出来た。
  今年初の釣り場となったのは小川の堤防である。ここは過去に大物を数回捕り逃がしているポイントがあり、当然俺はその主を狙って根魚 狙いでの釣行だ。

 

 AM5:00直前に釣り場に到着した俺は、懐かしい海の環境に酔いしれる暇もなく仕掛けを作る。数か月程度のブランクでは海釣り の勘は衰えるとは思っていないのだ。
  ナオキはいつものダンゴ釣りは封印し、前日に捕獲したカラス貝とイワガニを餌に落とし込みに挑戦している。最近ナオキは新たなる釣り 場を開拓し、そこで落とし込みの釣果が良かったのでハマりつつあるようだ。

 快晴の下で根魚狙いの仕掛けをサクッと作った俺は、拠点(荷物をまとめてある場所)の近くから竿を出してみる。
  真っ先にあの主が居るポイントに向かう事は無い。幸い釣り場は他に人が居ないし、まずは今年初の根魚を狙っての試運転である。

 いつも通りの釣り方と餌で第1投目を沈めると、早速小気味良いアタリが来た。・・が、最初のアタリ以降ほぼ無抵抗で上がって来た のは丸々としたキンギョだった。キンギョにしては異様に型が良いが、キンギョには変わらない。あ〜ぁ、今年は幸先が良くないなぁ。

 今日は大潮で、朝方が満潮である。潮止まりだろうが潮が動き出そうが、奴等の食い気にはあまり関係ないようで、2投目以降も百発 百中のキンギョカーニバルだ。

 恐ろしい勢いで減っていく餌箱の中を見ながら、俺は早くも焦り出した。
  釣り始めてから30分程度でキンギョ20連荘である。どうしたことか・・本命のカサゴやメバル達は縄張り争いでキンギョに敗れて追わ れてしまったのか・・?

 そんな事を心配しながら釣り歩いて1時間程経った頃に、ようやくあの主のポイントに到達した。ここは堤防の屈曲部で、割と大きな ポイントになっている。

 キンギョの難に遭いながらもやっと辿り着いた本命ポイントだ。自然と気合も入る。今日こそここの主を仕留めてやる。
  水面を漂うゴミの隙間に仕掛けを静かに下ろす。

 すると早速いい感じのアタリが出て、やっと本命の引きを味わうことできた。
  釣り上げたのは21cm程の今季初メバルだ。うーん、美しい。でも俺的にキープ出来るサイズじゃあないな。堤防の反対側の海へリリー スする。愛知県民に釣られていたら命は無かったな。

 その後同サイズのメバルを数匹釣り上げてから、ついにあのアタリが出た。
  穂先をグッと押さえつけるような感覚の後、暫く動かないという動作が、あの主のアタリに間違いない。

遂に捕った!

 今回こそは何としても捕る!中途半端な聞きアワセはカットして一気に竿を煽ってリールを巻き上げる。

 奴も重くて鈍い引きで抵抗し、途中で何度かリールを巻けなくなったりもしたが、なんとかテトラの穴に逃げ込まれずに済んだようだ 。遂に水面まで上げる事が出来た。

 足場がやや高いうえにゴミが漂っているのでなかなか正体が見辛いが、30cm位の赤っぽい獲物のようだ。
  とりあえず引っこ抜けそうに無いのでナオキにランディングを要請する。

 水面で暴れる獲物を片手に、だいぶ遠くに居たナオキを呼ぶのに苦労したが、なんとか無事にランディング成功。
  ようやく釣り上げた主の正体は、なんと25cm程のエ●だった。

ナ:「おぉ、コレが主か?」
俺:「おお。間違いない。意外だったな。」
ナ:「まさか君に先にタモ使われるとはな。(笑)」
俺:「ハハ・・ホントだな。(笑)」

 約3年近くかけてようやく捕った獲物に満足しながらも、俺は本命のキープを求めて再び探り歩いた。

 しかしアタリはあるものの、そのうちの95%程がキンギョばかりで、相変わらずカサゴやメバルはなかなか出てこない。ちょっと根 魚の確率が低すぎるんじゃないか・・?

 そのうち落とし込みを続けているナオキに追いつき話を聞くと、鯛の影は殆ど見られず、カラス貝の餌にも一度しかアタリが出ていな いと言う。やはり最近開拓した釣り場と同じようには事が運ばないようだ。

 結局、だいぶ日が高くなった9:30時頃にはやる気が萎えてきて、二人共本命のキープには至らないまま撤収する事になった。俺的 にはそれなりに満足出来る結果になったが、ナオキは久々のボウズを喰らってしまった。



「釣れねぇ〜・・」



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