2005年11月20日 | 牛丼杯第40回戦 |
(俺・マッサ−・ナオキ) |
---|
いよいよ第3回ステーキCUPも決勝の時を迎えた。ここまでの俺とマッサーの戦績から、今回俺が勝利しなければステーキ権をマッ
サーに奪われてしまう。更に厳密に言うならば、俺達的な規定で30ポイント以上の差をつけたうえでの勝利でなければならない。
今回もナオキを含めた牛丼杯だが、俺は何よりも勝ちに拘った釣り方で勝負に向かった。
AM8:00。晴天&ベタ凪である。
マッサーとナオキが堤防の外側で並んでダンゴ釣りを始めた頃、俺は1人で堤防のヘチを覗きながら歩く。
いつも通り、堤防沿いの水面直下には良型の黒鯛達が数m間隔で群れている。
そう、今回俺はこの見える黒鯛を釣る為に秘密兵器を携えてきたのだ。
暫く様子を見ていつも通りの魚影を確認した俺は、いつもの根魚用タックルに長めのハリスを取る。そして落とし込み専用の、ガン玉を噛
ませた針を結んだ。コレは俺的に生涯初の仕掛けである。
そして餌は、昨夜のうちに新小川港で捕獲してきたイソスジエビだ。即死しないように、脳を避けて針を刺す。
過去何度も根魚用の仕掛けでTRYしてみたが、短いハリスとオキアミの餌では全く相手にされなかった。しかし今回の仕掛けならば 奴等が釣れる可能性も充分あるだろう。
高鳴る期待を抑えて、奴等の真上から仕掛けを静かに下ろしてみる。
すると一番近くにいた奴が反応して近づくの見えた。・・が、餌の落下が止まると、プイッとそっぽを向いてしまった。
何回かTRYしたものの、食わせるまでは至らない。しかし過去の仕掛けよりは全然反応が良いことから、なんとか釣れそうな予感がして
ならない。魚はたくさんいる。もっと慎重に攻めてみよう。
そして40分程粘った頃、1匹の鯛が沈んでいく餌をゆっくりと追いかけて・・遂にHIT!
針掛かりするところまでしっかり見届けた後だけに、かなり興奮する。この強烈な引きの主は間違いなく本命なのだ。
絶対にバラさないように慎重なやり取りをして、何とか水面まで寄せることが出来た。そしてマッサーにランディングを要請し、無事 釣り上げたのは41cmの良型黒鯛。
俺の黒鯛レコード更新でもあるが、何よりも見える黒鯛を釣ったことで大満足である。
ふははっ、これで一気にマッサーに差をつけることが出来た。このまま何事もなく時が流れれば、今回の牛丼にステーキまで俺の物と なる。とにかく今は、更なる追加点を狙おう。
しかしその1匹で警戒されたのか、それ以降は思い通りに餌を追わなくなってしまったので、一服がてらにダンゴ釣りの様子を見に行 ってみた。
するとマッサーのスカリが海にぶら下がっており、尺前後の鯛が2匹見えた。イカン、油断できない奴だ。なんとか追加点をあげて得
点差を保たなければ。
そして意外なことにナオキはまだキープがない。あいつが朝の1発を外しているという事も珍しい。
俺は再び自分のポジションに戻って鯛を狙ってみるが、相変わらず警戒されているようで、おまけにフグの猛襲も始まってしまった。
とりあえずイソスジエビの残量も減ってきたことなので、次の必殺仕掛けを投入した。
俺の必勝釣法Aは、ずばりサビキ釣りである。別に何の変哲もない普通のピンクスキンのサビキだが、侮ってはいけない。そろそろ尺鯵が
釣れるシーズンなのだ。
しかし昼近くなったためか、アミエビを撒いても撒いても鯵は釣れない。たまに掛かるのはフグかキタマクラ程度で、俺のテンション は下がる一方だ。
そして昼飯を食って眠気が襲ってきたのを機に、俺は軽く睡眠を取る事にした・・。
目が覚めたのは15時半頃だ。天気は特に変わっていないので、再びサビキの竿を手に持って歩き出すとナオキと目が合った。
隣にいるマッサーは黙々と釣りに勤しんでいるが、ナオキはしきりに目で何かを訴えている感じがした。
更に俺が近づくと、今度はジェスチャーで何かを訴え始めた。どうも隣にいるマッサーには内密に、俺に伝えたいことがあるようだ 。
ナオキのサインを解読してみる。
ナ:(5・・)
ナ:(1・・)
ナ:(・・マッサー)
5・・1・・マッサー・・?何だ・・?何か釣ったのか?
嫌な予感増量中・・!
そして恐る恐る海の中を覗くと、俺達のキープの中に1匹だけ巨大な魚影が見える・・!ま、まさかこれをマッサーが・・??
こっそりナオキに聞いてみると、どうやら間違いないようだ。
あの巨大な鯛が・・51cmだとぉ・・?
ドキドキしながらマッサーに詰め寄ると、奴も俺の気配に気付いたようだ。
俺:「おっさん・・海、落ちるか?(笑)」
マ:「ふはは・・ステーキ頂きだぜ。(笑)」
なんてこった!!こいつ、この大事な時についに黒鯛の50cmオーバーを釣りやがった!!
この1匹の得点はもはや手に負えないものがある・・どうしたものか・・。
俺はポッカリと心に風穴を開けられたような気分になってしまった。
俺は暫くの間、ストリンガーのロープに刃で傷を付けてみるとか、むしろそのまま海に解放してしまう等、ダークな妄想に更けていた
が、結局再びサビキ釣りを始めた。
釣ってやる。ソレ以上の得点の獲物を釣ればいいんだろうっ!
俺は半ば自棄クソの気構えだったが、日没と共に鯵が釣れ始めた。サイズは22cm程度だが型は揃っている。
そしてここまで貧果のナオキも竿も曲げ、35cmの良型メジナを釣り上げた。
更に視界が限界に近づく中、鯵を量産する俺の竿が一際強く撓った。
慎重に獲物を水面から抜き上げると、ついに尺鯵をゲット。ここから追撃なるか?
しかし間もなく視界が限界に達し、大切な一戦の幕は閉じれられた。
今回、俺は41cmの黒鯛と32cmの鯵が規定を満たした釣果で、ナオキは35cmのメジナのみ。そしてマッサーは厳密な測定の
結果52cmを記録した黒鯛の他、29、30、32cmの黒鯛も釣っていた。
マッサーは当分先の運まで使い果たしてしまったのかもしれない。
こうして牛丼杯第40回戦と同時に第三回ステーキCUPは終了してしまった。今回のステーキCUPもなかなか伯仲したが、最後の
最後で派手にやられてしまったせいか、少々清清しいのが情けない。
次こそ俺の完勝でステーキを勝ち取りたい。(まだ言うか・・。)