2005年7月09日

牛丼杯第32回戦

(俺・マッサ−・タイソン)



 前回のステーキCUP終了以来、約一ヶ月ぶりの勝負だ。久々の海釣りに感じる今回は、いつもの焼津の聖地で執り行われる運びとな った。
  前回のステーキCUPは接戦の果てに何とか勝利を収めた俺だが、その前(第一回)は無敗ならぬ無勝という惨敗を喫している。今回こそ はその借りを返すべく、無敗でステーキを勝ち取ってやる・・!

 

 久々の勝負に燃える俺達が釣り場に到着したのはAM5時。あいにく潮通しの良い馴染みのポイントには先客が数名入っていたものの 、意外とやり辛さはなさそうだ。
  空は曇っていはいるものの風は無く、港の外側は濁りもない。昨夜の天気予報では雨の確率も下方修正されたらしい。今日は夜まで満喫出 来そうだ。

 釣り場に着いてすぐに俺は、何年ぶりかの投げサビキの準備に取り掛かった。
  この時期なら青物が狙えるから、そいつで朝の勝負を賭けるのだ。ワカナゴ(鰤の若魚)や鯖が出れば30cmの規定サイズはクリア出来 るだろうし、飛魚なら25cmからポイントになる。
  そして日が高くなった後はいつもの根魚で頑張る・・というのが、今日の俺のプランである。

 タイソンは今回も牛丼杯並びにステーキCUPには参加しないが、3ヶ月ぶりの釣りということでジギングと投げ釣りと、根魚狙いの 3種目を準備してきた。やはり気合が入っているようだ。

 そして我が宿敵のマッサーは・・日中の投げ釣り&泳がせ釣りと、夜は●ビ釣りという予定らしい。なんと、いつものダンゴ釣りを封 印して、効率の良いキスやエ●に狙いを絞ってきたのだ。
  いくら鯛が釣れないからといっても、プライドまで捨ててはいけないよね〜・・。こんな男に負ける訳にはいかん!

 釣り始めて暫く経ってもなかなか俺のウキに変化が出ないので、表層狙いからタナを少し落として鯖狙いに変更してみた。
  するとようやくウキに変化が出た。・・が、ウキが完全に消し込むほどのアタリではない。とりあえず仕掛けを回収してみると、10cm 程の豆鯵が釣れていた。一応、本日初ヒット。

 そしてハイエナの如くマッサーが小走りで近寄ってきた。片手にはメッシュの蓋付きのバケツを持っている。

マ:「鯵、釣れたか?キープしとくか?」
俺:「・・・。」

 要は俺の豆鯵を生かしておくと言って、マッサーが自分の泳がせ釣りの餌に活用したいということである。

 無言で豆鯵をくれてやると、マッサーはダッシュで自分の竿の元に走り、準備だけ済ませてあった泳がせ釣りの仕掛けに豆鯵をセット した。そこからやっとマッサーの泳がせ釣りが始まったのだ。

 タイソンは少しの間だけジギングをトライしたものの、ノーヒットだったのですぐに投げ釣りに変更した。餌はチロリ(東京イソメ) なるものを使っているらしい。
  堤防の外側に遠投し、少しづつ仕掛けを引きずっている。

 釣り始めて1時間半程経過。豆鯵を量産する俺からちょっと離れたところで、マッサーとタイソンが仲良く並んで投げ釣りをやってい る。その脇には泳がせ釣りの竿が鈴をつけてアタリを待っている。釣れてはいないが、なかなか楽しげな時間である。

マッサー的初カンパチ

 しかし突然、その平和な時間をぶち壊すような鈴の音が鳴り響いた。
  なんとマッサーの泳がせ釣りの竿にアタリが!

 そして皆の注目の中でマッサーが釣り上げたのは、久々に見るカンパチだった。サイズは27cmと小ぶりではあったが、マッサー的 に生涯初カンパチということでキープ。牛丼杯の規定サイズにも満たないので、俺も素直に祝福した。

 その後泳がせ釣りは沈黙したものの、投げ釣りをやっている2人はぼちぼち中型のキスを釣っている。俺はアミエビと気力が切れたの で、本命不発のまま投げサビキ釣りを終了して、メインの根魚釣りに移行した。

 空は相変わらずのまま、俺は堤防際を探り歩く。キンギョやミナミハタンポ混じりで小型のカサゴやメバルが釣れてはくるが・・どれ も20cm以下。

 それから30分程探ってみたが俺は思い通りに釣れないし、投げ釣りの2人はまだ粘っているようだったから、心配になって様子を見 に戻ってみた。
  するとちょうどタイソンが根魚狙いにチェンジするところだったが、マッサーはまだ投げ釣りに執着していた。・・というより、今日のマ ッサーのメインは投げ釣りだから不思議ではないか。
  しかし何か怪しい匂いがする。

ラッキー鯖

 そしてマッサーの様子を気にしながら、俺が奴のクーラーボックスの近くまで近づいた時・・。

マ:「黙ってるのもなんだから、言っちゃおうかな〜。」

 俺の気配に気付いたマッサーが、近付きながら不審な発言をしてきた。そして俺の目の前でクーラーボックスを開けてみせると、なん と中に一匹の尺オーバーの鯖が入っていた!

俺:「Oh!!」
マ:「投げ釣りの仕掛けをゆっくり引きずってたら釣れたっけ。」

 ぐあああっそんなバカな!
  動揺しながらもサイズを測定してみると37cm。規定サイズを充分に上回る高得点である。何てことだ、これで俺的に25cmの根魚を 2匹分のリードを奪われたことになってしまった。非常にマズイ・・。

 11時を回った頃から小雨が降ってきたが、天気予報に裏切られた俺達はめげずに釣りを続ける。
  しかしそのうち風も強くなり、昼過ぎには少々過酷な状況になってきた。

 俺とタイソンは根魚を求めて堤防を歩き回り、マッサーは相変わらず堤防先端の投げ釣りで粘るが、だんだんアタリが遠のいてきてい るのを感じてきた。
  既に堤防内側は茶色く濁り、外側では向かい風が強くて殆ど釣りになっていない。

 

 そしてずぶ濡れになった俺達は、夜まで釣る予定を諦めて早めの撤収を決断。マッサーが何とか2匹目の小型カンパチを釣ったのを最 後に、16時半に釣り場から離脱した。俺はキープ無し・・。

 

 結局今回の勝負はラッキーな鯖一匹によって、マッサーに軍配が上がった。
  あああ、なんて事だ!新たなるステーキCUPの、大切な初戦でいきなり敗れるとは。しかも敗因はラッキー鯖。俺の無敗伝説は考えただ けで終わってしまった・・。

 

荒れる海でジギングをするタイソン



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