2015年10月31日

月>ツキ

(俺)



 今回は久々に、ホームの海岸で夜釣りにTRYする機会が巡ってきた。

 当日深夜、無人の駐車場に車を停めて海の様子を見ると、月明かりの海辺は異様な程穏やかな環境だった。

 

 こんな理想の条件が揃うのを待っている間に随分と時が経ってしまったが、まさに待った甲斐があったというものだ。

 一人のギャラリーさえも居ないので、隠密行動も余裕だ。浮かれながら急いで支度を整える。

 そしてAM1:30頃、まるで清水の海岸並みのさざ波の間から出港。

 満月の月明かりは偉大で、以前の真っ暗闇での出港とは比較にならない安心感だ。

 夜間の航行自体には慣れているが、今宵の視界はかなり良いので全く不安を感じない。

 しかし魚探を起動しながら少し進むと、西風が少々吹いている事に気がついた。

 支度をしている時は陸で風裏になっていて気付かなかったな。

 釣り自体にはそれほど支障は無いとは思うが、万一流されると沖方向になるので特に危険だ。

 念の為、普段より少し陸寄りのエリアで釣る事にしよう。

 今回は餌釣りで普段釣り慣れていない獲物を狙う。

 魚探には普段よりも多く生命反応が映し出されて色々と期待を膨らませてくれるが、土産に出来る獲物はこの中の何割くらいだろうか。

 とりあえず水深35m程度のポイントで、海底付近の反応目掛けて仕掛けを投下する。

 餌は鯵の切り身で、今回の為にタチウオ釣り用の発光器なんかも用意してきたのだ。

 幸い潮は適度な速度で南方面へ流れているようだ。アタリを待ちながら、周囲の海面や魚探のモニターを観察し続ける。

 少し沖の方では風の影響で少々波立っているようだが、この辺は波までは立たないので釣り続けられる。

 しかし吹き晒す風は強くはないものの、日光も無いので徐々に体温を奪っていく感じだ。

 思い通りにアタリが出ないので、狭い範囲で転々と移動していく間にようやくアタリが出た。

 期待しながら竿を手持ちで待ち、頃合いを見計らってアワせてみたが、残念ながら針に乗せられずにバラしてしまった。

 ようやく出たアタリなので暫し同じポイントとタナを維持して粘ったが、単発で終わってしまったようだ。

 昼間よりも反応は多く見られるのに、実際アタってくる率は昼と変わらないのか。

 とりあえずこの機に経験を積むべく、様々な反応に仕掛けを直撃させてみる。

 ・・が、餌の切り身には一向にアタリが無いまま、かなり体温が冷えてきた。

 せっかくの理想の環境だが、ここまで反応が渋くて寒くなってくるとは予想外だ。

 そしてAM3:30頃、とうとう寒さに負けてボウズで撤収する事とした。

 結局2時間程の短時間で土産も得られなかったが、次に繋がる良い経験にはなったと思う。

 

出港時のときめき





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