2012年9月07日

鉛筆狩り

(俺)



小魚の反応

 今回はいつもより軽いノリで疑似餌による小物狙いだ。

 今では定番となったカゴ釣りは封印して、穏やかな午後の海でのんびり浮かびながらジグ&サビキのみで遊んでみる。

 空は曇り勝ちだがベタ凪の浜辺から出港して少し漕いでから魚探を起動すると、それほど深くない海中には頻繁に反応が映 る。
  恐らくカマスや鯵のものだろう。

 暫し巡回しながら海中の様子を伺い、適当なポイントで仕掛けを組んで釣り始めてみる。

 どうやら魚群は小規模ながら随分多いようだ。第1投目から20Cm程のカマスが入れ掛かりとなった。

 しかしジグにもサビキにもよく掛かってきて楽しいのだが、このサイズではキープする気になれない。

 コマセを使わずにこれだけ釣れるのも安上がりで良いのだが・・もう少しサイズが欲しいところだな。

 今回は少々潮が速くてパドリングで忙しいので、一か所に止まる事無くキープサイズを求めて探り回る。

 しかし時の経過に比例する事無く、数も型も変化がないままマヅメが近付いてきた。

カマス

 そして気がつくと何時の間にか東の空から黒い雲が迫ってきていた。

 更に空気は急に湿り気が出てきて、何処からともなく“サ――・・”っと音も流れてきた。嫌な予感だ。

 釣りながら周囲に気を配ってみると、数百m東の海面の様子がおかしい。ついには東の風も出てきて・・。

 間もなくバケツの水をひっくり返したような豪雨に包まれてしまった。

「ぶああっ、またかよ!」

 どうもこの釣り場ではよく雨に祟られる。畜生、こんな予報じゃなかっただろ。

 俺の他にも2艘の小型船が出ていたが、どちらも慌てて港へと帰還していく。

 まだキープを得てもいないのに帰る訳にはいかない。通り雨である事を祈りつつ、俺は土砂降りの中を強引に釣り続けてみ た。

 とはいうものの、風はともかくこの雨の勢いは厳しい・・。

 そしてなかなか弱体化しないし、眼鏡まで濡れて視界が悪いので程々に諦める事に。

 結局20Cm未満のカマスは多数リリースしたものの、土産は得られなかった。次はもっと獲物が大きくなってからだな。

 

数だけは出た



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