2012年6月1日 | 鮮やかな鰭 |
(俺) |
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そろそろ梅雨が来そうな気配の静岡県中部地域だが、朝は連日穏やかな様子なので今週もラッシュを掛けるべくKFに
のめり込む。
時期的には渓流も行きたいし黒鯛も簡単な頃合いになってきたとは思うのだが、今はカヤックでの餌釣りが俺的にアツい。
AM5:40。仕事帰りのまま訪れたのは某海岸。
最近は少しずつトビウオや青物の釣果も聞かれるようになってきた釣り場だが、今回も先週に引き続きカゴ釣りにTR Yする。
ここは昨年も2回程来ているが、その時はジグ&サビキで鯵やカマス位しか釣れなかった。
しかし今回はGクリル(オキアミ)&アミエビという強力な餌釣りなので、新たなる獲物を期待したい。
空はどんよりと曇っているものの風も波も静か過ぎる位で、久しぶりの浜辺から難無く出港。
ちらほらとプレジャーボートや漁船クラスの船も出てきているようだが、何を狙っているのか行ったり来たりと落ち着 かない。
そんな周囲の状況を見回しながら俺は昨年来た時よりもやや南のエリアへ向かってみた。
ベタ凪の海面を暫し漕いで、とりあえず最初に目星をつけてみたポイントは水深28m。浜辺からは300m程度の沖 合だろうか。
魚探には凸凹の無い砂地の(・・と思われる)海底がひたすら映し出されているが、焼津と違って至る所に魚群の反応
が映し出される。
よしよし、何かが居る。良い感じだ。
早速テンビンにカゴと20号の錘をセットし、自作の2本針仕掛けを仕込む。
そしてコマセと付け餌をスタンバイして、海底付近の小規模な反応に目掛けて仕掛けを流し込んだ。
仕掛けの着底後、餌が海底の魚の層に合う様にイメージしながらリールを数回巻いて竿をロッドホルダーに掛ける。
穏やかな波の動きで竿が煽られ、コマセ籠からアミエビがこぼれ落ちていくのをイメージしながらパドリングで仕掛け の真上の位置をキープする。
そして待つ事1分。
凝視していた竿先に明確なアタリが出て即座にアワセると、なかなかの引き応えに胸が躍った。
何だろう、今までにない引き応えだ。
しかし前回の海岸に比べれば浅いので、獲物が水面まで来るのはそれほど時間が掛からなかった。
天秤とカゴを回収して緊張しながら海面を覗き込んでハリスを手繰ると、尺近いサイズのピンク色の魚体が上がってき た。
「イトヨリだっ!」
驚いた事に、なんと俺的に生涯初イトヨリダイGETだ。
これまで図鑑での知識しかなかった獲物だが、水面に寄せられた魚体を眺めてその美しさに感動した。
サイズは30Cm程度だが、尾鰭の上端が黄色い糸のように伸びているので他の魚の様に測るのは少し違和感を覚える。
しかし食えるサイズだし美味しいと評判なので迷わずキープだ。
初めての獲物に浮かれて撮影したりしている間に、潮の流れで自身が流されていくので同じ群れを狙うのは困難を極め たが、魚探は小規模な魚影も明確に映し出してくれていた。
更に数投後、やや控え目なアタリから釣り上げたのは、またしてもイトヨリだ。
今度はサイズダウンして22Cm程の小型だったが、口からも内臓が飛び出していたのでリリースは無理な気がしてこれもキ
ープ。
2匹続いたという事は偶然ではないかな。
今まで陸っぱり専門で釣っていた俺の感覚ではイトヨリがレアな魚だというイメージがあったが、実際はそうでもないの か。
その後徐々に魚影が見つけ難くなってきて、ノーマルなトラギスがHITした頃から魚信が遠のいてしまった。
そういえば前回の釣行で釣れた明るい色のトラギスはやはり別種のようで、オキトラギスとの事だった。
俺の保持している図鑑には「美味」と書かれていたので今となっては惜しい気もするが、今回釣れたトラギスには何の未 練も無くリリースだ。
そして釣り始めて1時間半が経過してそろそろ場所移動をしようかと考えていた時、ロッドホルダーに掛けておいた竿が やや強めに絞り込まれた。
喜んでアワセをくれてリールを巻き始めてみると、これがなかなか引きが強くてドラグからラインを引き出してくれる。
KF経験値の少ない俺には間違いなく過去最高の引き応えの相手だろう。
その引きの強さを堪能しつつもバラさないように慎重にやり取りを続ける。
そしてようやく仕掛けが水面まで上がってきてハリスを手繰ると、40Cm位のピンクの魚体が見えてきた。
獲物はなんと、3匹目のイトヨリだった。
これは最早レアでも何でもない。
しかし大きくて耐久力があるのか、水面まで寄せても内臓が飛び出す事も無くかなり元気に暴れ回る。
ここまで来てバラす訳にはいかないので久々にランディングネットを使用して無事に確保。
「よっぽぇ!(?)」
なかなかのサイズにこの美しさ。とりあえず取り込んだ事で安心と感動だ。
コイツは刺身にするしかないな。
こんな時の為にノジメ用のナイフまで準備してあって、備えに抜かりは無い。
良型も無事にクーラーBOXへぶち込んでからは、コマセが切れるまで仕掛けを投入し続けたものの、それ以上の追加の 釣果は得られなかった。
そして気がつけば時間はAM8:00頃となっていて、空は雲が流れて快晴になっていた。
撒き餌が終わったので餌釣りは終了だが、せっかくだから帰り際に青物にTRYしておくか。
頻繁に映る表層〜中層の大きな魚群に想いを馳せていた俺は、仕掛けをジグ&サビキに交換して群れの反応へと投入した。
しかしコマセが無いせいか、未知なる獲物達はなかなか誘いに乗ってはくれない。
暫く粘ってはみたものの、どうにか針掛かりさせられたのは20Cm程の鯖とナマコ、それに23Cm程のオニカサゴだけ だった。
それらの釣果から察するに、群れを作っているのは恐らく鯖の稚魚だとは思うものの、さすがにそのサイズでは狙う価値が ない。
昨年もこれくらいの時間でアタリが遠のいていたような気もするが、今回はカマスが居なかったのだろうか。
ちょっとした追加の土産を期待していただけに、少々残念だ。
そろそろ引き上げるか。
10時近くなって仕掛けを片付けて出港ポイントまで帰還。
陸っぱりにはまだチラホラとカゴ釣りやジギングの釣り人が居たが、岸近くは魚群の反応が無かったので彼らの徒労が目に 見えたような気がした。
そういえば鯖やワカナゴ等のナブラは見られなかったな。
とりあえず今回は3時間半程度の釣行で獲物の数こそ少なかったが、初めてのイトヨリダイを得られたので俺的には充実の 釣行だった。
手や艇がコマセで汚れたり餌の手間が掛かるとはいえ、魚釣りとは餌釣りが基本だと思うし俺は餌釣りが好きだから今回も
結果を出せて良かった。
さて、晩酌が楽しみだ。