2012年5月19日 | 期待の行方 |
(俺) |
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予報通りに穏やかな天候になった土曜日の朝、俺は今年初めていつもの海岸へ行ってみた。
今回はとりあえず餌釣りをメインに、今までに釣った事の無い獲物を釣る事を目的としてみる。
AM4:50、日の出に合わせて出港。
浜辺からの出港は久しぶりとなるので波打ち際での出鼻が妙に緊張したものの、無事に定置網に向かって漕ぎ出す事が出来た。
そして朝焼けの中をパドリングしていく間に魚探を起動して、海中をチェックしながら目的のエリアまで蛇行しながら進む。
海底の様子は水深40〜70m程度で昨年と変わりがなく、魚影に関してもやはり殆ど見つけられない。
陸っぱりだけで釣っていると、沖にはそこら中に魚群が散らばっていると妄想し勝ちだが、実際は軽く探し回った位ではかなか 見つけられないものだ。
昨年のデビュー以来まともな釣果を得ていない俺は、身を以て思い知った次第だ。
そんな訳で今回はこちらから魚群を探し回るのは程々にして、獲物の方から寄ってきてもらう釣り方にTRYする。
定置網の東側で最初のポイントを定めて、俺が準備したのはカゴ釣りの道具とアミエビである。
陸っぱりでもここ一番という要所で活躍してきた釣法なだけに、今回は少しは期待しても良いんじゃないだろうか。
とりあえず片テンビンにコマセカゴと30号の錘、それに自作の2本針仕掛けを垂らし、餌はGクリルとイカの切り身を使ってみる。
最初に選んだこのポイントは水深60m程度のやや窪んだ所で、前回の経験から潮の流れに対して錘のサイズもちょうど良いものを選 択出来たと思う。
コマセもカゴに詰めて早速仕掛けを海底まで送り込み、餌が海底スレスレに浮く形をイメージしてアタリを待つ。カヤックでこんな釣 り方をしてる奴なんて他に居ないだろう。
潮は緩やかに東へ流れているので、竿先を見ながら時々自身の位置をパドリングで調整する。
一応今回ももう1本の竿を持ってきているが、アンカーでも打たない限りとてもサブウェポンまでは使いこなせそうにないな。
波で揺れる船体の煽りで勝手に竿がコマセを撒いてくれているが、それにしてもなかなかアタリがない。
まあ今回は魚を寄せることが大事だ。コマセが切れていては意味がないので頻繁に仕掛けを投入する。
何度か仕掛けの投入を繰り返した頃、竿先が心なしか微かに震えた様に見えたので仕掛けを回収すると、僅かだが仕掛けの重さ+αの 抵抗を感じる。
そして無事に仕掛けを巻き上げてみると、20cmに満たない様な赤い小魚がついていた。サクラダイの雄のようだ。
この魚は昔、船釣りで釣った事があるものの、完全な自力で釣ったのはこれが初めてという事になる・・が、何にしてもショボイ。
しかしそれよりも魚が寄ってきたという事なので、自然と気合が漲る。急いでコマセと付け餌を改めて仕掛けを送り込んだ。
周囲に気を配ってみると、ベタ凪の水面に時折小魚が飛び跳ねているようだ。
もしかすると気の早い青物が巡ってきているのかもしれない。
俺はカゴ釣りの竿先を見ながらも、ここでもう1本の竿にジグ&サビキをセットして、不意のナブラに備えておく。
そしてカゴ釣りの釣果が振るわないままコマセがだいぶ減ってきた頃、目の前の数m先の水面で何者かが小魚に襲い掛かるのが見えた。
40〜50Cm程の黄色っぽい魚が追っているようだ。
しかし即座にジグ&サビキを投入して狙ってみたものの、残念ながら捕える事は出来なかった。
7時を過ぎていよいよコマセが底を尽いてしまい、期待した釣果も得られないまま餌釣りは片付ける事になった。
仕方がない・・もう1本の竿からジグ&サビキを移植して、残りの時間はコレでやるしかない。
魚探を覗きながら定置網周辺を徘徊してみる。
ところが、徘徊している間に魚探の映りがおかしくなってしまった。あらら、電池切れが近いのか?
仕方がないので魚探は電源を落として、完全に闇雲で釣り続ける事に。
どうせ殆ど魚影が見えないのだから、海底に狙いを定めて単発の底物を釣ればいいのだ。
そして何度となくポイントを移動し続け、竿を支える左手が疲れてきた頃になってようやく微かな魚信を捕えた。
釣り上げてみると20Cm程のノーマルなカサゴがジグを咥えていたが、海底から一気に巻き上げられたせいか、内臓と目玉が飛び出し ていた。
小さいうえにまるで出目金のようなコミカルな格好に変わり果ててしまったので、とても持ち帰る気にはならない。
リリース(?)すると、潮に流されて漂っていく無抵抗な姿に哀愁を感じた。
その後、一度だけフォール中に何かがアタったものの、なかなかの引き応えを感じた瞬間に針外れでバレてしまう事態があって、結局今 回も貧果のまま潮時を迎える事になった。
またしてもしょっぱい内容を更新してしまったが、やはりKFデビューのこの地で何か、納得の出来る獲物を釣らないと気が済まない。
しかし自分なりに試行錯誤して、そのうち嬉しい獲物に出会える日を夢見ているのも悪くはないかもしれない。
とりあえず次の釣行が待ち遠しい。