2011年5月15日

俺的KFデビュー釣行記

(俺)



 カヤックを購入してから2ヶ月の間、釣り方や釣り場のシミュレーション重ねて装備を整え、ようやくこの日を迎える事になった 。

 俺が選んだ一艇はバイキングカヤックというオーストラリアの企業のもので、頑 丈さやメンテナンスフリーで10年保証付きという謳い文句が気に入っている。
  それに最近になって日本初上陸ということで出来た店舗が県内の牧ノ原市にあり、工場に至ってはこの藤枝市にあるというので身近に 感じるメーカーでもある。

  デビューの朝

 俺の記念すべきKF(カヤックフィッシング)デビューの地に選ばれたのは、某海岸の定置網周辺。いろいろと思うところはあっ たものの、大雑把に言えば釣り慣れた獲物で安泰な釣りにするか、未知なる釣りにTRYするかの2択から後者を選んだ形だ。

 出来れば普段の陸っぱりの釣りでは得られないような大きな魚・赤い魚なんかが釣れたら嬉しいが、なにしろこの釣りに関しては 経験も知識も無いのでボウズも覚悟している。

 そしてAM5:30頃、浜辺のエギンガー達の間から出港。見える範囲でこんな事してる奴なんて他に居ないので注目されていた んだろうけど、とりあえずいきなり波打ち際で沈没しなくて良かった。ボートやサーフィンの経験が生かされた感じだ。

 波打ち際を乗り越えた後はとりあえずひたすらパドリングで、まずは陸から距離をとる。出発して速攻でエギで釣られては敵わな い。
  パドリングも事前にバイキングカヤックの主催する講習や店舗内プールで体験させてもらっているので難無く進行出来る。あの時に単に KFの先駆けとかいうレベルではなく、カヤックのプロの指導を受けられたのは貴重な経験だ。

 そして間もなく、岸から300m程度離れたところで一休み。この位置ならば定置網のすぐ横なので、漁船等の動力船が勢いよく 突っ込んで来ることも無い。

 それにしても初めて海で実践したが、思い通りに進むしかなり安定している。これなら沖に出てからひっくり返るなんて事は無さ そうだ。

 プカプカ浮かびながら、事前にシミュレーションした通りに先ずは魚探を稼働させてみる。これは陸上では出来ない作業なので買 ってから初めて電源を入れてみたが、下準備がうまく機能したおかげで難なく設定完了。
  初めてのマイ魚探の作動にちょっとだけ感動した。

初めての魚探

 後は周囲に気を配りながら事故を起こさないように釣りを楽しむだけなのだが、魚探の画面を見ているだけでもなかなか楽しい。

 近くでは漁船が定置網の回収作業をやっている他、ゴムボートとプレジャーボートまで出てきたものの静かな環境だ。

 しかし俺は肝心な釣りは二の次といった感じで、魚探のモニターを見ながら反応を探して周辺を動き回ってみる。

 そのうち水面に1m程度の小型のマンボウを見つけて撮影してみた。どうやら定置網に掛かって捨てられたばかりのようで、弱っ てはいたが生きている。うーん、キモい。

 撮影後、一蹴して暫く経つと無事に海中へ帰っていったようだ。

 そして暫く生命反応を求めて彷徨ってはみたものの、生憎全般的に反応が薄いのでいよいよ諦めて竿を出す事にした。

 今回のメインの竿は一般的に真鯛を釣る仕掛けのテンヤというものに市販の冷凍エビを使う餌釣りである。魚探に生命反応は出な くても、海底の起伏くらいは判断出来る。
  良型の底物でも出てくれたら嬉しいが・・。

 しかし魚探に映る海底をピンポイントに狙い撃ちにするのは困難だった。
  自分が流れていく速度と仕掛けが沈む速度を調整し難いので、これでは潮止まりにでもならないとうまく出来そうにない。

 一応パドリングも交えて海底付近に仕掛けを流す事は出来るようになったものの、暫くやっても反応がないうえに落ち着かないの で別の釣りを始めてみることにした。

 もう一つの釣り方はサビキ&ジグという陸っぱりでもお馴染みの釣法ではあるが、これは魚群を見つけてからでないと意味が無い ので必死でモニターを見ながら移動する。
  なにしろ限られた積載量で未知の釣り場へ来たものだから、ボウズ逃れの為なら形振り構っていられないのだ。

マンボウ発見

 そして暫く探し回ってようやく、まとまった反応を見つける事が出来た。

 水深70m程のポイントの20m〜40mの間を覆い尽くす反応は間違いなく何かの群れだろう。ちょっと焦りながらもサビキを 投入してみる。

 基本的にこんなに深い場所ではあまり活動する予定ではないので、船釣り用のメーターが付いたリールは持ち合わせがないのだが、 これだけ生命反応のレンジが広ければ問題ないだろう。

 リールから出ていくラインを見ながら勘で30m付近に合わせて止めて、未知なる獲物に食わせるべく竿を煽ってみた。

 そして間もなく、遂に竿先に生命反応を感じ取った。
  弱々しいプルプル感がいかにも小魚を主張しているようだが、ここまで来てそんな稚魚に用は無い。

 狙うはそれらを喰らうフィッシュイーターである。オモリ代わりのジグと掛かった小魚をそのまま餌にすべく、仕掛けを巻き上げ ずにしゃくり続ける。

 しかしだんだん自分が流されて定置網の固定ワイヤーに近付いてしまい、仕方なく根掛かりする前に仕掛けを回収。

 サビキには18cm程の鯖が2匹針掛かりしていて、俺のKF初釣果を飾ってしまった。
  どうにかボウズは逃れたが、これはキープする気にはなれない・・。幸い水場が至近距離にあるので水中で針を外してやると、元気に 帰っていった。

 その後も移動してはサビキを投入して更なる獲物を求め続けたが、どうも大きな魚はついていないようで、鯖以外の魚を釣る事は 出来なかった。

 そしてAM10:00になったのを目途に記念すべきKF初釣行を終了。
  昼過ぎからは風が出る予報もあったし、慣れない体勢を続けたせいか異様に腰が痛くなってしまったのだ。

 陽が高くなってまばらになった釣り人の間から上陸して撤収。とりあえず腰痛にならないようにカヤックに慣れなければ・・。
  次はどこで釣ろうか。



KF初釣果



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