さてちょっと寄り道してフロントとリヤのタイヤ横力を求めてきたところでロールの荷重移動へ戻ります。
そこの学生フォーミュラさん! ロールの荷重移動は計算できないといけませんよ。
その手順は
1- 車両全体としてロール剛性とロールモーメントからロール角を算出
2- 前後軸位置でロールセンターまわりのモーメントの釣り合いからロール荷重移動を求める。
一度車両全体でロール角を求めておくのが大事なとこです。
ロール角の計算は第4回と第5回で出てきましたけどおさらいしときます。
(ロール角)=(ロールモーメント)/(トータルロール剛性)
です。
ロールモーメントは重心高からロールセンター(重心位置)までの長さのレバーに遠心力が掛けたものです。
単位は “Nm”です。
ロール剛性は?
求め方はいずれ説明しますがここではロール剛性の値は知っているとしましょう。
(トータルロール剛性)=(前軸ロール剛性)+(リヤロール剛性)
単位は “Nm/rad”です、ここではすべてSI単位で通します、他の単位を使うと単位換算しなきゃいけなくなるので間違いの素です。
ラジアンが出てくるととたんに後ずさりする人が出てきますが deg と同じ角度の単位です、心配いりません、ラジアンを使うと都合よく無視しちゃえるので便利です。
ロール角の単位 =Nm / (Nm/rad) ですから radian です。
ロール剛性も求められてないのにロール荷重移動を求めようとしているのには訳があります、荷重移動シリーズから入って来ちゃったからです。
ほんとはロール剛性の求め方から順序良く説明した方がいいかもしれませんがしょうがありません、まあここではロール剛性はただの“K“ですから大丈夫でしょう。
まずはロール角が求められました、では次回で軸位置の荷重移動を求めます。