第7回

7. <ダンパーとしての最小構成要素>

さあいよいよダンパーが出てきます。 ダンパーにはポンプ作用、空気だまり、圧力損失の3つが必要なことはこれまでに述べました。 これら3つの構成要素を盛り込んでダンパーの形にします。

方法は2つあります、1つはピストンをポンプ作用として使うものです、もう一つはシャフトをポンプ作用として使うものです、ポンプ作用についてはよろしいですね、オイルの流れを生み出すものですね。 図に2つのダンパーを用意しました、1つがピストンポンプ型、もう一つがシャフトポンプ型によるダンパーです。

まずはピストンポンプ型からです、ポンプ作用をつかさどるピストンがあります、ダンパーがストロークするとピストンが上下しそれに従いオイルの流れが起きオイルはピストンを上から下へあるいは下から上へ通り抜けようとします、ピストンにはオイルの流れを絞るオリフィス(小さい穴)があいています。
オリフィスをオイルが流れることによる圧力損失によりピストンの上側と下側には圧力差が生まれます。 この圧力がピストンに掛かります、 これが減衰力です。
前に説明したようにcafetiereと同じですね、Cafetiereも立派なダンパーです。 そしてダンパーに入ったり出たりするシャフトによる体積の変化を吸収するために空気だまりを設けました、ここはレース用のダンパーですからオイルと空気の間には2つが混じらないように隔壁となるピストンを入れておきましょう。 さあダンパーが出来上がりました。

さてもう一つのダンパーの作り方は図の右側にあります。
こんどのダンパーにはピストンはありません、その代わりポンプ作用を起こすのはシャフトです。 シャフトがダンパーに入り込むとその体積分のオイルが空気だまりへ流れます、これを絞るようにオリフィスを設けるのです。 ですからオリフィスはシャフトと空気だまりの間にあります。 そしてオイルが流れた先には空気だまりがあります。
簡単に言えば注射器の先にゴム風船が付いているようなものです、注射気の出口は小さいので中の液体を押し出すのに力が要ります、これが減衰力です、そして押し出された液はゴム風船に入り込んで風船を膨らませます。

ダンパーの基本は以上の2つです、そしてこの2つを両方使うことも可能です。 例えばピストンポンプ型をダンパーが伸びるときだけに使いダンパーが縮むときにはシャフトポンプ型だけを使うというようにです。
前に書いたスルーロッド以外のダンパーはすべてこれらの2つあるいは2つを組み合わせたダンパーを基本にしています、ですからここまでを覚えていればダンパーがどうやって減衰力を発生しているかの基本はOKです。

Copyright(C) 2007-2014   富樫研究開発