第30回

30. <ダンパー部品、シム 2>

非線形ばね定数の説明です。
同じシムを重ねると減衰力特性はダイグレッシブになります、ダイグレッシブとは横バナナ形状ですから低速域の減衰力が盛り上がっていると言えます。
リニアピストンを使うとリニア特性に近づきますがまだ足りない、そこで非線形ばね定数という話でした。

リニア特性にするにはピストン速度の低速の盛り上がりを下げてやればいい訳ですからその辺りではばねが柔らかく、逆に高速はばねが固くなってくれればリニアになりそうです。
シムの積み重ね方を工夫することでそのような始め柔らかく後で固いばね特性を実現できます。 図のようにストレートよりピラミッド、ピラミッドよりホーンのほうが外周側のシムが薄くなるので柔らかくなり内周側は同じ厚みで同じ固さになります。
始めは薄いシムで開いていくとだんだん枚数が増えてくるのをイメージすると分かり易いかもしれません。

このようにシムの積み重ね方で非線形のばね定数を実現できます、さらに厚みも調整すると更に色々調整できます。
これがシム式の減衰力バルブの最大の利点です、シムの径と厚みの無限の組み合わせできめ細かく減衰力特性を調節できます。

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