第10回

10. <バルブのオイルの流れ>

次はシムタイプの説明します、図にシムタイプのバルブがリバウンド工程にいるときのシムの動きとオイルの流れを示しています。

原理はポペットバルブと全く同じです、コイルスプリングの代わりにシムと呼ばれるばね鋼でできた円盤を使います。 バンプ用のシムとリバウンド用のシムがピストンを両側から挟んでいます。 シムの下のピストンには穴が開いていてオイルが流れるようになっています。

ダンパー速度がゆっくりの時はリバウンドシムは閉じていてオリフィスのみからオイルが流れ、速度が上がってくると油圧が高まってシムを押し開いてオイルを逃がします。 ポペットバルブ型と同じですね。

バンプ用の穴はリバウンドの時にはバンプ用のシムに塞がれてオイルが流れないようになっています、シムがワンウェイバルブの働きもしているのもポペットバルブ型と同じです。
一方リバウンド用の穴の入り口には切り欠きがありオイルが流れ込めるようになっています。

シムタイプはシムのばね特性により開き具合が変わりますからシムの厚み、径や枚数によっていろいろな減衰特性を出すことが出来ます。
ばね特性の選択の自由度が高いですから色々な減衰力特性を出すことが出来ます。 減衰力を出す仕組みがピストンに集約していますからダンパーがコンパクトになり、最も一般的なダンパーのバルブ機構です。
まあそのコンパクトさがあだになってレース用のダンパーのアジャスターがつけにくくなってしまっているのですが。

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