これは機械仕掛けで減衰力を変化させてやろうというデバイスです。モーターとかソレノイドをつけた方が今の時代簡単なのにわざわざ機械式にするのはレースの場合電子制御が禁止されてるからです。
図のダンパーはフォーミュラカーのギヤボックスの上に前後方向に水平に置かれるリヤダンパーでスペースシャトルの補助ロケットのようにG感応バルブが乗っかっています。
バルブの中には重し(マスとか言った方がプロっぽい)が入っていてブレーキの時の減速Gで動いてバイパスを閉じます、そうすると減衰力が上がるというわけです。
図の形式はチャンプカーでニューマンハースがオーリンズやダイナミックと共同開発して使っていたものです。
90年代後半には振り子を使って横Gで減衰力が変わるようにしたF1ダンパーなんかもありました。
もう一つのG感応ダンパーとしてラリー車のジャンプ時のタイヤ離地減少のためのデバイスがあります。
フランスのドネアというメーカーはダカールラリー用に90年代中ごろからG感応ダンパーを作っていました(DETRA)、各輪のダンパーのシャフトの先にスライドするマスを置いてばね下のGに感応してバイパスを開いて凹路面でのタイヤの追従性を向上するっていう物です。
その後同じ目的でBOSというメーカーがマス内蔵のダンパーをWRCなどのラリー用に作っていました(CAS)、これもジャンプなどでタイヤが離地した時にリバウンドのバイパスを開いて早くタイヤを地面に着けてやろうというものです。
http://www.donerre.fr/innovation.detra.php?langue=en
http://www.bos-engineering.com/english/technologie.html#anchorE