ダンパーあるいは流体力学の肝の圧力損失について3回で解説します。
基礎編でも解説したように流れを絞ると絞りの上流と下流の間に圧力差が生じます、これが圧力損失です。
ΔP(デルタピー)とかいうとカッコよいですね。
ダンパーを図のように水鉄砲に置き換えるとシャフトを押したり引いたりするとシャフトの体積分の流れが生じます。
これを先端のオリフィスで絞ると圧力差が生まれます。
外の圧力は大気圧で変わりませんから圧力差は水鉄砲の中の圧力の変化として現れます、シャフトを押し込むと内部圧力は上がり、引っ張ると内部圧力は下がります。
まあここまでは基礎編の復習ですがここは上級編ですので式が出てきます。
ベルヌーイの式です。
式は2つの位置で圧力と速度による項の和は一定で等しくなるということを表しています。(高さに変化がないとします)
各記号については次回説明しますがP1とP2が圧力です。 2つのそれぞれの位置をオリフィスの前後とすればP1とP2の差がΔPになるわけです。
実際はベルヌーイの式は粘性のない流体に対しての理論なのでダンパーオイルのようにいろいろな粘度のオイルには適応しないのですが、オリフィスの面積が流路に対して非常に小さく流速が速いため乱流となりオリフィス内の速度分布が均一であるとしてこの式を適用します。
というわけで次回ΔPを式の展開をしながら導いていきます。