===このページのまとめ===
ピストンとシャフトの両方のポンプ作用の両方でバンプ減衰力を出す場合、総減衰力はピストンによる減衰力とシャフトによる減衰力の合計
1つのダンパーにピストンダンパーとシャフトダンパーの2つが入っていると 考えれば良い。
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ちょっと込み入ってきますが細かく説明しますのでしっかりついてきてくださいね。
今回は2輪のリヤやその他のカテゴリーでよくあるピギーバック型のダンパーになります、前回の2つの合体したものといってもいいでしょう。
ちなみにこの解説はバンプ限定になります、リバウンドはピストンだけで発生せさせますから。
差圧を発生させる所が2か所になりますよ、ピストンとタンクについたバンプ用減衰バルブです。
ちょっと複雑になってもやることは同じです、ピストン、シャフトに掛かる力が減衰力です(例によってガス圧による力は後で引いてやります)。
シャフトに掛かる力は下向きの力(Fdown) から上向きの力(Fup) を引いた物です --(1)
Fdownはピストン面積(Ap) にピストン上室圧(P1)を掛けたものです、そしてFupはドーナツ面積(Ad)にピストン下室圧(P2)を掛けたものです、これを(1)式に代入します --(2)
ここでピストン面積(Ap)、シャフト面積(As)、ドーナツ面積(Ad)の関係は(3)の通りです --(3)
(2)のピストン面積に(3)のAd+Asを代入します --(4)
AdとAsで整理します --(5)
さてまた前と同じようにガス圧力による静的な力を引いてやります 、この力はシャフト面積(As)xガス圧力(Pgas)ですね --(6)
(6)のFに(5)で求めたFの詳細を代入します --(7)
もう一度AsとAdで整理します --(8)
ここで差圧の定義をします、ΔP1
をピストン上下の圧力差、ΔP2をバンプ減衰バルブ前後の圧力差とします、減衰力バルブ後の圧力はガス圧力ですね。 --(9)
ΔP1 、ΔP2を(8)に代入する --(10)
ほーら簡単になりました、よく見ればさらに簡単です、前半はまるっきりモノチューブの減衰力の式です、そして後半はまるっきりシャフトによる減衰力の式です。
つまりピギーバックダンパーでピストン部とタンク部の両方でバンプ減衰力を出している場合、合計の減衰力はピストン部の減衰力とタンク部の減衰力を足したものなのです。
1つのダンパーに2つのダンパーが入っているのと同じじゃないですか? そうです2つ入っているのです、そしてそれらは独立しているので影響しあうことはないのです。
結果は簡単明瞭でめでたしめでたし。