第49回

49. <内部圧力と減衰力の関係、例題>

式ばっかりだと分りにくいので例題を載せておきます。

ここにボディ内径(ピストン外径)が40mm、シャフト径が14mmのモノチューブダンパーがあります、これらの40mm、14mmはありそうな寸法だと思います。
このダンパーには1MPa (10bar) のガスが加圧されています、そしてリバウンド工程でピストン下室では3Mpa (30bar) の圧力が発生しているとしましょう。

減衰力計算に必要な数字はこれだけです。

まずはドーナッツ面積を計算しましょう、ピストンの面積からシャフトの面積を引けばいいんですから説明も要りませんね、結果は0.0011 m2です。

次は差圧ΔPです、ピストン上室圧(ガス圧)からピストン下室圧を引くので 1 – 3 Mpa で-2 Mpaです。

ここでもう一度言っておきますが単位はSI単位を使いましょう、そうじゃないと単位の換算がひじょーに面倒くさくなって間違いの元です。
この場合でも圧力はkgf/cm2 で面積はmm2 で力はN で出したいなんていったら換算と桁合わせでいやになっちゃいますがSIならそのまんまでOKです。

減衰力はドーナツ面積 x 差圧ΔP ですから0.0011 x -2x106 です、答えは-2200 Nです、だいたい220キロですね。

ガス圧10barからピストン下室が20bar上昇すると上記のサイズのダンパーで2200N の減衰力が出ることが分りました。 200キロ以上ですからすごい力ですね、人の力じゃとても支えられません、差圧が半分の1Mpaだと-1100N、またその半分の0.5MPaだと-550N。
大体5気圧の差圧で大体55キロの減衰力ですから結構な力持ちです。

このようにダンパーはちっちゃい体で高出力なのがわかりました。

Copyright(C) 2007-2014   富樫研究開発