第35回

35. <減衰力の測定 –減衰力特性図>

前回はいくつかの速度でダンパーを加振してそれぞれの速度での減衰力を計測したところまで、力-速度グラフのナメクジ曲線の胴体部分はヒステリシスにより一つの速度に力が二つ存在するので話がややこしいというところまででした。

グラフのナメクジをもう一度見ると頭と尻尾は一点しかありません、そこでそれぞれの速度での計測データから頭と尻尾の点を抜き出してきてもう一つのグラフを作ることにしたのです。
各速度での減衰力のピークを読み出してその時の速度と共に別の紙にプロットします、これが減衰力特性図です。 速度は絶対値を使って、つまりはリバウンド側を折り返して、作図するのが普通です。
特性曲線はゼロから始まります、フリクションがあろうがなかろうがゼロから始まります、決まりです。
ピークを読み出してくるので英語ではPeak force - Peak velocity plot と言います。

減衰力を表現する時はこの減衰力特性図を使い、補助に力-変位特性図(たまご図)を添えます、なぜ力-速度を使わないのかというとナメクジよりたまごのほうがみんな好きだからだと思います。
フリクションの具合や減衰力のつながりの良し悪しが力-変位グラフのほうが分かり易いからかもしれません。きれいな玉子形状になると減衰力特性もスムーズになります。

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