今回はダイグレッシブピストンです、シムと当たる形状が花びらでなく円周状のピストンです。
このピストンを使うと減衰力特性が図にあるように速度に対してダイグレッシブ、だんだん傾きが寝てくる、になります。
シムは円周全部で受けているので全周で開いて円錐のように開きます。
このピストンはシムにプレロードを掛けるのが得意です、図のようにシムをクランプする面とシムの開く円周の面に段差を設ければいいのです。
段差をプレロードシムの厚さで調節すればシムに掛かるプレロードを大きくしたり小さくしたり調節できます、これがKneeの高さになるというのは前に説明しましたね。
このピストンは低速の減衰力を立ち上げてKneeを高くし、その後の減衰力を比較的フラットにしたいときに用います、サーキット用のフロントなんかに多い特性です。
ピストンの材質もアルミの削り出し、鉄、焼結と色々ありますがアルミの削り出しにきれいなアルマイトはかっこはいいですが性能上はそうでもありません。
アルミは柔らかいのでアルマイトして表面を固くしてもオイルの流れで出来る渦と泡で削れてしまう(キャビテーションエロージョンというと専門家っぽい)ので耐久性が低くなります。またきちんとバレルをかけてアルマイトしないとエッジがバリのようになったりしてリークの原因になります。
削りで作るなら鉄でバレル研磨をかける、あるいは型を作って焼結が一番性能が安定すると思います。 オーリンズは焼結でピストンを作っているというのをわざわざ説明書に書いていましたから分っているんでしょうね。
ちなみに量産用のダンパーのピストンは100%焼結です。
焼結とは鉄とか銅とかの粉を混ぜて型に入れてぎゅっと固めて釜で焼く焼きおにぎりみたいな製法です。