第25回

25. <レース用ダブルチューブダンパーの減衰力アジャスター>

バンプに高速域アジャスターがあるんだからリバウンドにも欲しいってどこかのチームが言ったのか、4 way にしたらもっと高くダンパーが売れそうってダンパー屋さんが思ったのか分りませんが2005年くらいから4 way ダンパーが出てきました。

実はレース用ダブルチューブダンパーはその為に作られたといっても過言でありません。シャフトにリバウンドの高速域アジャスターを付けるのは大変、じゃあバンプみたいに減衰力バルブがボディに付いてればいいじゃないか、そうすれば4 wayも簡単、ピストンもただの円盤でいいとなる訳です。
仕組みはリザーバー別体式のバンプの減衰力バルブと同じです、ニードルアジャスターとポペットバルブにプレロードアジャスターをつけた物です、それが2組ダブルチューブのボディについています。
バンプ、リバウンドを分けるために各バルブには一方通行バルブがついています。


4つもダイヤルが付いてもう見た目もかっこいいですしトップカテゴリーではみんなザックス、オーリンズ、ダイナミックあたりの 4 way ダンパーを使っているのではないでしょうか。日本のフォーミュラニッポンやGT500クラスでも4 way が標準です。
これでバンプ、リバウンド、低速域、高速域、もうどんな減衰力でも出せそうです、でも減衰の効き具合(難しく言うと減衰比と言う、C/Cc(シーバイシーシー)というと格好よろしい)を変えたいなら本当は角度を変えなくてはいけません。
でも今まで説明してきた高速域ジャスターでは角度は変わらないのです。角度を変えるには減衰力バルブのばねのばね定数を変えなくてはいけないのですがそれはまた難しいのです。
ですからばねのプレロードを変えてKneeの高さを変えることで特性は平行移動だけど実際に減衰力は高くなったり低くなったりするんだからいいじゃないか、というのが現在の4 way です。

そのうち今の4 way+ スロープアジャスター2ヶで6 way なんて出てくるかもしれません、そうしたらほんとにどんな減衰力もアジャスターで出せるようになるでしょう。

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