7ポストリグの続きです。
エアロローダーが3本ついて接地面からの加振以外にもできることがあります、っていうところでした。
エアロローダーは車体についているので直接車体に力を掛けることができます、地面を動かさないでダウンフォースだけ、ロールモーメントだけ掛ければばね特性やロール剛性が測れます。
ばね特性測定ではバネだけなら計算でも出せますがバンプラバーが入ると非線形なので計算が面倒だし、だいたい合いません、計算には普通ヒステリシスは入ってませんからバンプラバーでは大事なヒステリシスの大きさも分かりません。
さらにサスペンションのフリクションも見ておかないといけません。
ばね特性はきれいなプログレッシブになるようにしたいです、計算で当たりをつけておいて実際に測って調整をして図のようなきれいな立ち上がりを作れるのです。
やっぱり最後は実物で測ってみないと分からないことはあるもんです、測ってるところを見るだけでも一見の価値ありです、「うわーストレートではバンプラバーがぺったんこっ!」みたいなことが見れます。
ロール剛性も計算で出せますがなぜか変な計算しちゃう人がたくさんいます、アンチロールバー(単にbarとか言うと業界の人?って思われるかも) は左右のサスペンションストロークの差に対してのばね定数なのが混乱の種のようです。
アンチロールバー単品でばね定数を測ったりFEMでばね定数を出して、モーションレシオからホイール位置のばね定数を出してロール剛性を計算する方法があります、実車で計測するのが面倒な車両メーカーはそうしたりしますね、でも実際はその通りにはならないこともよくあります。
大概はジオメトリーによるものです、リンクが平行でなかったりブレードと呼ばれるその角度でロール剛性を調整する板が悪さしてたり。
リンクやアンチロールバーの支持にガタがあっても「まっ いいかなー」ですが測ってみるとすっかりばれちゃいます、それじゃ大事な旋回初期にヘタッてロールしてしまいます。
測ってみて自分の計算が合ってるか確かめるのも大事です、一度は測ってみてほしいです、“百聞は一見にしかず“です。
7ポストリグの基本は加振試験機ですがエアロローダーを使えばこんなこともできるという話でした。