90,91 (改訂) で改訂したように104.エクセルでシミュレーション 2DOF も積分計算の順番が間違っていたので改訂します。
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少し話が戻りますが第90, 91回でエクセルでする1DOFのシミュレーションを解説しました。
2DOFの計算はどうやるんだっていう問い合わせを最近もらいましたのでここで解説します。
モデルが複雑になって自由度(DOF= degree of freedom)が増えるとその数だけ微分方程式が増えます、今回はばね下マスに関する微分方程式です。
でも2自由度で両方上下ならそうむずかしいことはありません。
そしてエクセルでは1自由度に比べてばね下マスの加速度、速度、変位の列が追加になります。
ばね上で3列、ばね下で3列、時間と入力Zが1列づつで計8列必要になります、今回はセルの計算がすっきりするようにばね上、ばね下の両方に掛かるサスペンション力を別計算にして1列加えています、これが列の話です。
次は横並びの行の話です、1行目は初期値としてゼロが入ります。
そして2行目からは繰り返し計算になります、1行記述すればそのあとは行のコピーを最後まですればOKです。
前の行のばね上、ばね下の加速度、速度にΔtを掛けて速度、変位の変化を計算し元の速度、変位に加えます(積分)。
新しい変位には入力Zも加えます。
新しい速度、変位を使い力の釣り合いの式から新しい加速度を求めます。
1行上の値を使って新しい速度変位を求める(積分)、それをもとに新しい加速度を求める、これが正しい順序です。
後はこれの繰り返しです。
入力を階段形状だったり、サイン波形だったりに変えていろんな計算ができます、2DOFは“コーナーモデル”って言うくらいで車の1輪分のモデルになりますから1DOFよりずっと実車に近くなって計算結果にハクも説得力も付きますよ。