少し話が戻りますが第90, 91回でエクセルでする1DOFのシミュレーションを解説しました。
2DOFの計算はどうやるんだっていう問い合わせを最近もらいましたのでここで解説します。
モデルが複雑になって自由度(DOF= degree of freedom)が増えるとその数だけ微分方程式が増えます、今回はばね下マスに関する微分方程式です。
でも2自由度で両方上下ならそうむずかしいことはありません。
そしてエクセルでは1自由度に比べてばね下マスの加速度、速度、変位の列が追加になります。
ちょっと話はそれますが日本語の行と列っておかしくないですか。 行列は横並びが行で縦並びが列です、行はrowで列がcolumnです。
「店の開店に長い列が出来ました」「1列に並んでぇ-」、これは縦並びだからいいですよね、でも「小林カムイはみごと1列目からのスタートです」っていうのはおかしいでしょ。
英語では”first row” だし横並びなんだから「1行目からのスタート」じゃなきゃいけないはずです。
コンサート行っても「前から5列目のシート」なんて言っちゃうし。
だいたい「はーい、みんな横1列に並んでー」なんて全然おかしくないですか? 「1行にならんで」でしょ。
もう縦も横も同じ「列」です、でも日本語は縦書きで縦の並びは行といいます、それに「あいうえお」は「あ行」で縦並びです。 そんなこんなで縦が行で横が列みたいな気がしてくる。
というわけでマトリクスを扱うといつも「行」と「列」で混乱します。
閑話休題、ばね上で3列、ばね下で3列、時間と入力Zが1列づつで計8列必要になります、今回はセルの計算がすっきりするようにばね上、ばね下の両方に掛かるサスペンション力を別計算にして1列加えています、これが列の話です。
次は横並びの行の話です、1行目は初期値としてゼロが入ります。
そして2行目からは繰り返し計算になります、1行記述すればそのあとは行のコピーを最後まですればOKです。
前の行からばね上、ばね下の変位と速度を持って来て、同じ行から入力Zを持ってきます、それらでばね上、ばね下の加速度を計算します。
そして同じ行の中で加速度から速度、速度から変位を計算します、つまりは積分を行うことになります。
結果のばね上、ばね下の速度と変位を今と同じように次の行で使います。
これの繰り返しです。
入力を階段形状だったり、サイン波形だったりに変えていろんな計算ができます、2DOFは“コーナーモデル”って言うくらいで車の1輪分のモデルになりますから1DOFよりずっと実車に近くなって計算結果にハクも説得力も付きますよ。
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